ラジオ市長室（2011年11月）

浜松城公園歴史ゾーン構想　2011年11月20日

聞き手：

この秋、社会人野球の大会『都市対抗野球選手権』が行われ、浜松市を代表してヤマハが出場し、健闘したことも記憶に新しいことと思います。
そしてこの大会のもう一つの楽しみといいますと、『キャラクター選手権』です。これは、各出場チームを応援するキャラクターの人気を、インターネットを使った投票で競い合うというものです。
さて、我が浜松の家康くん、どんな結果だったでしょうか。

市長：

今回、市制100周年記念キャラクター『出世大名家康くん』がヤマハの応援のためキャラクター選手権に出場し、見事初優勝を果たしました。
浜松は、徳川家康公が若い頃17年間暮らし、天下取りの基礎を築いた大変縁起のいい地であり、それをモチーフに『出世大名　家康くん』というキャラクターが誕生したのです。
その家康くんが、いきなり天下を統一したということは、われわれにとっても喜ばしいことだったと思います。

聞き手：

さて家康公といいますと、出世城・浜松城です。今年は浜松市制施行100周年ということで、これを契機にさまざまな整備事業が計画されていると伺っています。どのような内容でしょうか。

市長：

浜松城公園の歴史的な魅力を高めるために、歴史ゾーンと南エントランスゾーンの整備計画を策定しました。
天守閣を中心とする1.8ヘクタールを「歴史ゾーン」と位置付け、史実に基づき建造物などを忠実に復元して、その歴史的価値を次世代へ継承していくことがコンセプトとなります。
具体的には、現在使用されていない市役所西別館を取り壊し、その跡地を歩行者向けの入り口「南エントランスゾーン」として整備をして、歴史ゾーンへの導線を確保します。
浜松城には、かつて天守門と富士見櫓（ふじみやぐら）と呼ばれる建造物があったことが、歴史的資料から明らかになっていて、先日行った発掘調査の結果、2つの建造物の規模や構造が判明しましたので、それを元に復元する計画を立てています。また、貴重な歴史的資産である野面（のづら）積みを保存するため、石垣に根を張ったり、公園の景観を害したりといった悪影響を及ぼしている余計な樹木を段階的に伐採していく計画を立てているところです。

写真：浜松城の野面積み

聞き手：

ただいま市長がおっしゃいました、天守門と富士見櫓の復元、具体的にはどのような計画なのでしょうか。

市長：

両方とも歴史的な検証に基づき、忠実に復元してまいります。
天守門は安土桃山時代に建てられ、その後も江戸時代を通じて改修が繰り返されたと推定されています。つくりは門の上に櫓が載る櫓門という形態で、全長およそ11メートル、高さ10メートルで、城内でもひときわ大きな建物でした。今年度に設計が行われ、平成24年度には復元工事に着手、平成25年度に完成予定です。
富士見櫓につきましては全長およそ8メートル、高さ6メートル、そのつくりは邸宅風の建物であったと推定され、会合や、富士山を眺めながらの茶の湯などが開かれていたことが分かっています。
通常、櫓は敵の侵入を防ぐための見張り台として建てられるため、こうしたつくりというのは大変珍しいといえます。
現在も調査中であり、専門家の意見を交えながら10年後を目標に復元していく予定となっています。

聞き手：

さて、この秋浜松市制100周年事業として、徳川家康公や浜松城をモチーフとしたイベントが多数行われると伺っております。このあたりについて教えてください。

市長：

すでに実施されたものもありますので、その報告もかねて、代表的なものをご紹介したいと思います。
はじめに11月6日（日曜日）に、浜松出世城まつりが浜松城公園芝生広場で開催されました。
これは武者行列に加え、家康軍と武田軍による三方が原の戦いが再現され、会場はさながら戦国時代の雰囲気に包まれたのです。
12月3日（土曜日）には、静岡文化芸術大学の講堂において『家康公シンポジウム』を開催します。徳川宗家代18代当主・徳川恒孝（つねなり）さんや、徳川四天王と呼ばれ、徳川家と深いつながりのある井伊家などの当主をお招きし、徳川家発展の歴史について語っていただく予定となっています。
また、12月3日（土曜日）～1月9日（月曜日）まで、浜松市美術館におきまして『戦国の覇者　徳川家康と浜松展』が開催されます。徳川家の遺品や美術品、浜松城主であった若き日の家康や、浜松生まれの将軍・秀忠を中心に、浜松ゆかりの人物を紹介していくという展覧会です。

聞き手：

最後に鈴木市長から浜松市民の皆さまへ、メッセージをお願いします。

市長：

浜松は徳川家康公が若い頃17年間過ごした場所であり、天下取りの基礎を築いた、大変縁起のいい地です。
また、浜松城公園を整備していくことによって歴史的な価値を高め、観光客の誘客等に努めてまいりたいと思います。ぜひ市民の皆さまにも一層応援をしていただきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。

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