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更新日:2023年12月1日

ラジオ市長室(2014年7月)

浜名湖の幸(2014年7月25日)

聞き手:
夏本番となりスタミナ食として”ウナギ”が食べたくなりますよね。ただ先日、少し気になるニュースがありましたね。“ニホンウナギ”が、国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種、いわゆるレッドリストに指定されました。浜名湖には、そんなウナギを含めた豊富な水産資源があると思うのですが、そんな水産資源の活用と保護について、浜松ではどのような取り組みをしているんですか?

市長:
浜名湖は水産資源の宝庫と呼ばれていて、700種もの魚介類が生息しています。一つの湖にこれほどの種類の魚介類がいるのはめずらしいことです。
その中でも、全国的に注目されているウナギですが、浜松市では、以前からニホンウナギの資源回復を目指して、漁協や関係団体などが連携して保護活動に取り組んでいましたが、昨年11月には、市や県も参加して天然の親ウナギの放流を行いました。
そのおかげかどうかは分らないが、今年は稚魚であるシラスウナギの漁獲が以前よりは順調であったと聞いています。
シラスウナギの漁獲が安定することで、浜名湖産のウナギの出荷が安定し、うな丼やかば焼きなどが、より安価に皆さんにお届けできるようになることを期待しています。

うなぎの放流

聞き手:
浜名湖にはウナギのみならず、その他にも、湖の幸、海の幸がたくさんありますよね。他に保護活動を行っているものというとどのようなものがありますか?

市長:
他にも、あさりなども熱心に保護活動を行っています。
漁業者の皆さんが、人工的にあさりの卵を孵化させて放流したり、「ケアシェル」と呼ばれる稚貝が定着しやすい場所を浅瀬に作ったりして、資源の回復に取り組んでいます。
昨年は、あさりの不漁で潮干狩りを中止せざるを得ない状況となったが、こうした漁業者の努力によって、今年は期間限定ではあるものの潮干狩りを復活させることができました。
ウナギやあさりの他にも、浜名湖では海苔やカキの養殖も盛んに行われています。
こうした大切な水産資源は、浜名湖がもたらす自然の恵みだけでなく、保護活動に尽力されている皆さんの努力が大きいです。

潮干狩り

 

聞き手:
夏の時期というと、土用の丑にウナギを召し上がるという方も多いと思いますが、このウナギと浜松の関係には長い歴史があるそうですね。

市長:
浜松は、ウナギ養殖発祥の地で、ここからウナギの養殖というものが始まっているんです。1890年代からなので、もう100年以上の歴史があります。浜松は気候が温暖であり、養殖に欠かせない稚魚が浜名湖や天竜川河口で捕れること、天竜川の伏流水といった豊富な”水”が供給されるなどいろいろな養殖に適した条件に恵まれています。
また、長い歴史の中では、台風や病気の発生による甚大な被害など、幾多の苦難を乗り越えて、養殖技術を確立してきました。
そうして、ウナギと言えば浜松、浜名湖というように、食のブランドとして全国的に有名になっているんです。

聞き手:
いろいろなイベントでもウナギが出されていて、私は花博でもいただきました。

市長:
浜松と言えばウナギというのが定着しているので、花博など大きなイベントの時にはウナギが飛ぶように売れます。また、埼玉などもウナギの養殖が盛んな地域なんですが、埼玉で行われる「うなぎまつり」にも応援に呼ばれます。そこに浜松が出ているかどうかで大きく違うくらい、浜松のウナギというのは全国的に有名です。
最近では、ウナギの頭や骨といった捨てていた部分を肥料にして育てた”さつまいも”に「うなぎいも」という名前を付け、これを原料にしたプリンやお菓子が新たな浜松の名物として話題になっています。このさつまいもが濃厚でとてもおいしです。

聞き手:
ウナギを肥料にしているということで、贅沢な感じがしますし、アイデアが浜松ならではという感じがしますね。
浜名湖についてこれまでいろいろとお話をうかがってきましたが、改めて浜名湖は豊富な水産資源を生み出し育んでくれる『母』のような存在だということですね。

市長:
浜名湖の最大の特徴は海水と淡水が混じり合った汽水湖であることで、ウナギやあさり以外にも多様な生物がいます。
例えば、浜名湖には「アマモ」という海草(うみくさ)が群生する「アマモ場」と呼ばれる場所があり、ここは、多種多様な魚介類の産卵、養育場となっています。そこに卵を産み、稚魚が育つという場所なんですね。
この「アマモ場」は「海のゆりかご」とも言われ、太平洋側で浜名湖のように広く分布している地域はなく、大変貴重な場所です。
豊富な幸を生み出すこの「アマモ場」は、関係者が連携して保護活動を行うだけでなく、観察会などを実施し、広くその重要性を啓発する取り組みも同時に行っています。

聞き手:
まさに自然の恵みに感謝ですね。もともとあったものを守っていかないといけないですよね。

市長:
そうですね。これは自然の織りなす技ですね。汽水湖になったのも人間が作る出したわけではないですし、アマモ場についても人間の手によるものではないですし、大切にしていかなくてはいけません。

聞き手:
改めて見つめ直して守っていきたいですね。
さて、今日もお時間が近づいてまいりました。
最後に、市長から浜松市民の皆さんへメッセージをお願いします。

市長:
今日は、浜名湖や浜名湖の水産資源のお話をしました。
普段私たちが見たり接している浜名湖は、当たり前のように思えますが、実は海水と淡水が混じり合うとても貴重な汽水湖で、そのために豊富な水産資源があり、食の宝庫と呼ばれる要因にもなっています。
しかし、浜名湖の環境も水産資源もとても繊細なものなので、私たちがしっかりと保護していかなくてはいけません。これからも浜名湖を食の宝庫として、浜松を代表する湖として後世に残していくためにも、市民の皆さんには浜名湖の保護にご理解とご協力をいただきたいと思います。どうぞお願いいたします。

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