更新日：2023年12月1日

ラジオ市長室(2014年10月)

ものづくりのまち浜松からの挑戦(2014年10月24日)

聞き手：
浜松市と言いますと、全国的に知られている面として「ものづくりのまち」があり、名だたる企業が長きにわたって浜松の地に根付いています。ただ、一方で、浜松だけではなく地域経済が最近元気がないなぁと感じている方も多いかもしれません。
そこで、浜松の「やらまいか精神」が本領を発揮するチャンスということで、新しい試みがスタートするそうですね！その背景と試みを教えていただけますか？

市長：
リーマンショックが一つの契機になり、ずいぶん産業構造が変わってきています。ものづくりの企業などが海外に出ていくということが多くあり、地域経済が少し元気がないということが、浜松を含めて全国あちこちから聞こえてきます。
もともと浜松は、ものづくりや産業で発展してきた街です。また、それらが地場産業としてスタートしていて、こんな街は他にはありません。そのベースとなっていたのが「やらまいか精神」です。黙っていてもどんどん新しい企業や事業がおこってきて、その中からいくつかの企業が世界的な企業へと発展していきました。浜松は県庁所在地でもなく、大都市の近郊でもないのにこれだけ発展して、政令指定都市にまでなったという全国でも珍しい街です。
一つ心配なのが、最近創業が減っているということです。そうした創業をみんなで支えていこうということで、産業界、行政、商工会議所、商工会、大学などに金融機関も加えて、オール浜松で新たな取り組み「はままつスタートアップ」を10月からスタートしました。

聞き手：
なるほど。今まで産学官というのは聞いたことがありましたが、産学官に金も合わせてはままつスタートアップを始めたんですね。

市長：
はい。創業支援ということで、新しく起業する人を応援していこうという試みです。
これまではそれぞれが独自に取り組みをしていましたが、一緒になって協力してやっていこうというのがはままつスタートアップです。
浜松市は今、「新産業の創出」、「企業立地支援」、「企業の海外展開支援」の3本を産業政策の柱にしていますが、それに加えて「創業支援」が4本目の柱として加わりました。
これによって、再び浜松から新しい企業がどんどん出でくる、新しい事業がどんどん興ってくるようになることを目指しています。

聞き手：
ただ、創業ともなると、ノウハウですとか事務手続きなど不安も多いですよね。

市長：
そうですね。そうした相談に乗ったり、サポートをしたりしようというのがはままつスタートアップです。

聞き手：
では、「はままつスタートアップ」では具体的にどのような事業を展開していくのでしょうか？

市長：
まずは起業しやすい支援体制を強化しました。
産業支援を担う「浜松地域イノベーション推進機構」に、新たに「創業・新事業展開支援総合窓口」を設置して、専門スタッフを配置し、「はままつスタートアップ」参画支援機関との連携を図る中で、創業に関するすべての相談をワンストップで行うことができる体制を整えました。
また、創業意欲を促すセミナーや、創業に向けてより実践的なアドバイスを行うサロンを今後継続的に開催していく予定です。
窓口で相談された方、セミナー、サロンに参加された方が創業するための支援を行うのはもちろん、事業開始後も成長支援を行う事業も計画されています。つまり、創業だけでなく、その後のフォローもしていくということです。

聞き手：
それは大切ですね。最初だけノウハウがあったとしても、途中の成長過程もなかなか難しいですから、そこも寄り添ってくれるということで、とても心強いです。

市長：
そうですね。創業の志がある人のハードルを少しでも低くして、チャレンジできるような環境整備を進めていかなくてはいけません。

聞き手：
まず、入り口が低く、開かれている方がいいですよね。今回のキックオフセミナーのプログラムを見ると、先輩経営者の体験談が聞けたり、心構えが聞けたりと具体的な話を聞くことができるのでとてもいいと思いました。

市長：
ぜひ大きな夢を持って皆さんにがんばってほしいと思います。

聞き手：
やらまいか精神で一人でも多くの人が創業してくれるといいなと思います。
さて、今日もお時間が近づいてまいりました。それでは最後に、市長から浜松市民の皆さんへメッセージをお願いします。

市長：
今日は、「はままつスタートアップ」という創業支援のお話をさせていただきました。
皆さんご存じのとおり、浜松は「ものづくりのまち」、産業のまちとしてここまで発展してきました。黙っていても次々と新しい企業や事業がおこるというのが浜松でした。そのベースとなっていたのが、「やらまいか精神」という進取の気性です。
しかし、残念なことに、最近はそうした創業の数が減ってきたり、やらまいか精神が希薄になってきたりといったことを感じます。浜松から産業力というものが消え失せてしまったら、浜松の将来はありません。そこで、もう一度、そうした環境をつくろうということで、「はままつスタートアップ」という事業を始動させました。
これは、行政だけではなく、産業界、大学、研究機関、金融機関などのありとあらゆる機関が一緒になって、創業しようとする人を支えていこうとするものです。
ぜひ、我と思わん人はどんどん創業していただき、浜松のエネルギーとしてあるいは成長エンジンとしてがんばっていただければと思っております。
どうぞよろしくお願いします。