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更新日:2025年2月28日
2月11日(火曜日・祝)、浜松市総合産業展示館にて、第十七回「十湖賞」俳句大会表彰式を開催しました。
本俳句大会は、平成19年度に、当時の東区役所が俳句を活用したまちづくりを進めようと始めた「浜松市東区俳句の里づくり事業」(現在は「浜松市中央区東地域俳句の里づくり事業」)の内の一つで、中央区豊西町(旧東区豊西町)出身の俳人「松島十湖」の遺徳を称えるとともに、「郷土を愛する心」を育むべく開催しております。
今大会では、全国各地から9,719句の投句が集まり、厳正なる審査の結果、118句が入選句として決定しました(表1のとおり)。
表彰式当日は、招待された佳作以上の入選者40人のうち28人が出席し、十湖翁のご子孫である実行委員長の松島さんから表彰状と副賞が贈られました。
開式にあたり松島さんは「小学校にご協力いただき実施している俳句講座が、最初に俳句に触れるきっかけとなっている」と話し、今後も小中高校と連携・協力して若い世代が俳句に親しむ機会の拡充に取り組む旨を述べられました。
今回、最高位の十湖大賞を受賞したのは「春風や迷う自分はもういない」の句を詠んだ林祐斗(はやしゆうと)さん(星陵高校1年・富士宮市)。選者は「高校生ならばときには将来や進路に思い悩むこともあるだろう。しかし、作者は『迷う自分はもういない』と力強く言い切っている。実に頼もしい。そして『春風や』という詠嘆が若い体にみなぎる力を感じさせる。」と評しました。残念ながら林さんはご都合が合わず欠席されましたが、副賞の掛軸とともに林さんの句が披露されると大きな拍手が送られました。
(表1)
部門 | 十湖賞 | 各賞 | 特選 | 佳作 | 奨励賞 |
一般の部 | 1句 | 区長賞1句 | 2句 | 6句 | 20句 |
高校生の部 | 1句 | 県教育長賞1句 | 2句 | 6句 | 19句 |
中学生の部 | 1句 | 市教育長賞1句 | 2句 | 6句 | 19句 |
小学生以下の部 | 1句 | 市教育長賞1句 | 2句 | 6句 | 20句 |
(表彰式の様子)
選者:天野薫氏(俳誌「みづうみ」主宰)、髙柳克弘氏(俳誌「鷹」編集長)、村松二本氏(俳誌「椎」主宰)、百合山真苗氏(俳誌「海坂」編集長)※五十音順
春風や迷う自分はもういない | 林祐斗(星陵高校) |
十湖賞 | |
生くるものよりあたたかき墓洗ふ | 久米佑哉(東京都江戸川区) |
区長賞 | |
人生のおまけの時間鰻釣り | 浦城亮祐(奈良県奈良市) |
特選 | |
スキップで親追ふ双子夏帽子 | 老川嘉子(浜松市天竜区) |
みづうみのすべてが秋晴れに光る | 相羽美智子(富士市) |
佳作 | |
重きものみんなおろして日向ぼこ | 宮田悦自(浜松市中央区) |
たんぽぽは幸せ色と言ふ園児 | 西澤寿江(浜松市中央区) |
十月の空に付箋を貼りたくて | 川口八重子(浜松市中央区) |
木登りの子に夏雲の招きあり | 持田義男(埼玉県深谷市) |
初浴衣ランウェイと化す六畳間 | 大髙希久枝(浜松市中央区) |
雪の夜子に読む本の中も雪 | 下村修(神奈川県川崎市) |
奨励賞 | |
行く年やダム湖の底に黙の郷 | 石川昇(東京都世田谷区) |
偕老の満つる月日や菊の酒 | 山本末彦(埼玉県新座市) |
昼寝子の頬にうっすら畳あと | 中村つぎ子(浜松市中央区) |
療養の妻の髪撫づ月の雨 | 大城朝子(浜松市天竜区) |
秋の野へ両ひざかかへ子のとなり | 高山佳風(浜松市中央区) |
風が乱して水が正して苗育つ | 坂本正夫(千葉県香取市) |
ゐぬ母の郵便受けへ差す新茶 | 槇原九月(浜松市中央区) |
ひとはみなみなもとひとつ秋夕焼 | 箱石敏子(埼玉県さいたま市) |
リボン付く娘の部屋の扇風機 | 川口茂則(福岡県宗像市) |
踊りの輪抜けて名刺を配りをる | 澤山十糸子(愛知県豊橋市) |
呼鈴の間のびしてゐる残暑かな | すかんぽ(静岡県掛川市) |
放牧の仔牛何追ふ鰯雲 | 沼宮内薫(神奈川県横浜市南区) |
釣り下手の水切り上手いわし雲 | 塩谷みつ江(栃木県宇都宮市) |
安寧の白や泰山木の花 | 小路利明(兵庫県神戸市) |
青田道大念仏の笛太鼓 | 若杉稔夫(浜松市中央区) |
白息の日の出の色に染まりけり | 田辺富士雄(兵庫県姫路市) |
音立てて水飲む子等に雲の峰 | 木下明夫(栃木県大田原市) |
ファスナーのカーブなめらか春の服 | 井上實(京都府亀岡市) |
大笊にどんぐり干して保育園 | 梶原マサ子(福岡県宗像市) |
大太鼓村の隅まで秋祭り | 鈴木直美(浜松市中央区) |
十湖大賞 | |
春風や迷う自分はもういない | 林祐斗(星陵高校) |
県教育長賞 | |
やめられずラケット取り出す受験前 | 望月虎太郎(星陵高校) |
特選 | |
母の日にかいて伝えるこの想い | 小粥龍ノ助(浜松城北工業高校) |
鈴虫かそれともセミか総裁選 | 桂みやび(西遠女子学園) |
佳作 | |
試験済み駅で見上げる鰯雲 | 新村一稀(浜松城北工業高校) |
黒板のみはらしのいい水泳後 | 八木心愛(浜松商業高校) |
昼寝をしライオンになり鳥になる | 榑松珠李(浜松城北工業高校) |
鯉のぼり予定決めずに泳ぐ空 | 山島一馬(星陵高校) |
散歩道落ちた椿を並べる子 | 小笠原実那(浜松市立高校) |
秋深し制服のボタンひとつ留め | 田中達己(浜松城北工業高校) |
奨励賞 | |
自転車で一漕ぎシャツに滲む汗 | 鈴木雅拓(浜松城北工業高校) |
春愁や母の恋しきひとり部屋 | 髙村凛華(星陵高校) |
労いの子守歌かなキリギリス | 荒木アキオ(浜松城北工業高校) |
送り火や空に広がる還り道 | 細田草太(浜松城北工業高校) |
自粛中マンゴー食べたら旅行気分 | 櫻井美来(静岡商業高校) |
マフラーを片手に鏡とにらめっこ | 中濱悠瑛(聖隷クリストファー高校) |
お年玉テープがんじょう出てこない | 品田蒼葉(浜松修学舎高校) |
宿題の効率上げるかき氷 | 向井悠月(西遠女子学園) |
炎天下木々は動かず我動く | 澤栁和希(浜松城北工業高校) |
秋麗けれどペダルは重たくて | 村松快翔(浜松城北工業高校) |
来世ではこたつが似合う猫になる | 黒杉美奏(浜松修学舎高校) |
会えぬ夜月が綺麗と伝えたい | 水野光惺(浜松城北工業高校) |
授業中裸で踊る夢を見た | 清水廉斗(浜松東高校) |
初笑この瞬間が幸せだ | 栗田茉優(浜松東高校) |
雷鳴を怖がる君と二人きり | 柳木陽菜(浜松修学舎高校) |
夕焼けの太陽とてもいとおしい | 吉田遥陽(島田樟誠高校) |
炎天の勝敗決める我がシュート | 磯部莞介(浜松東高校) |
氷柱落つぼくの思いも砕かれて | 市川璃子(浜松修学舎高校) |
東雲の彩に染まりし氷柱かな | 鈴木絢芽(聖隷クリストファー高校) |
十湖賞 | |
パスポート手にした夏のアニョハセヨ | 大須賀菜々子(笠井中学校) |
市教育長賞 | |
葉付きビワどんと山盛りすぐ消えた | 神谷奏亮(与進中学校) |
特選 | |
海の声泳げと僕に言っている | 鈴井祐飛(天竜中学校) |
西の空匠が研いだ月光る | 鈴木心斗(笠井中学校) |
佳作 | |
祖父と行くバス停までの青田風 | 鈴木天翔(笠井中学校) |
妹のおむつが取れる秋近し | 伊藤沙耶(天竜中学校) |
妹と小声で相談「母の日は・・・」 | 菖蒲こころ(天竜中学校) |
あと少しプールの壁まであと少し | 松本旬椛(笠井中学校) |
窓際で陽炎を食う昼休み | 神谷象太郎(笠井中学校) |
道場に蝉より響く「面!!」の声 | 渡邊凪(与進中学校) |
奨励賞 | |
月白の流れる川は石畳 | 森下柚夏(入野中学校) |
冬麗グロッケン鳴る準備室 | 有ケ谷璃乃(積志中学校) |
勉強中「スイカあるよ。」と母の声 | 寺田悠太(笠井中学校) |
桜舞う今年は一人の通学路 | 齋藤優芽(御殿場市立御殿場中学校) |
梅ジュース母の手作り二年ぶり | 石田珠希(与進中学校) |
夏の夜の我が家の名物セミの羽化 | 今田美咲(与進中学校) |
夜桜や声を潜めた恋話 | 山﨑頼光(与進中学校) |
筆箱にお守りと推し増える夏 | 山田歩(与進中学校) |
梅雨の花横通るたび袖ぬれる | 伊藤蓮(中郡中学校) |
奈良の鹿突撃されたが可愛い目 | 水野敦貴(入野中学校) |
何本か鳥居数える子ら薄暑 | 山本晃一郎(入野中学校) |
愛猫もゆかでのびてる夏休み | 權田恭太朗(丸塚中学校) |
愛犬が涼しい笑顔でお出迎え | 池川結香(笠井中学校) |
くまさんと夢でお散歩ハンモック | 川口凜(積志中学校) |
テスト中花火が鳴った気が散った | 田邊颯(笠井中学校) |
あめんぼにどう泳ぐのと聞いてみる | 関和海(笠井中学校) |
春風や友も大吉ハイタッチ | 瀬崎優愛(入野中学校) |
泣きやんだ伝わる英語風光る | 朝倉羽南(入野中学校) |
金魚鉢あいさつかわす水の中 | 秀島拓弥(天竜中学校) |
十湖賞 | |
夢ならば登れるかしらかき氷 | 吉澤藍(県居小学校)(システム上「吉」と表記させていただきます) |
市教育長賞 | |
ビートバンお前がたよりだったのに | 吉井纏衣(笠井小学校) |
特選 | |
おいもほりはたけの先生ひいじいじ | 鳥居慧(県居小学校) |
なつやすみこまにぎりしめがくどうへ | 鈴木寿都(双葉小学校) |
佳作 | |
秋の朝いつもとちがう長ズボン | 水谷琉誠(大瀬小学校) |
夏の月車の中でじっと見る | 西岡煌(有玉小学校) |
ひなだったつばめもみんなとびたった | 間渕希美(与進北小学校) |
木の根っこどんぐりねむる宝箱 | 佐藤桜(中ノ町小学校) |
夕焼けといっしょにまわる足かけ回り | 多田晃基(有玉小学校) |
暑すぎてトマトかじるとまだ苦い | 吉見夏芽(蒲小学校) |
奨励賞 | |
祖母にあて暑中見舞いを書きつづる | 兼松奈緒(蒲小学校) |
雨がふる一つ一つが夏の色 | 海野志帆(与進北小学校) |
川近く夕日の下で秋刀魚焼く | 澤田龍河(中郡小学校) |
息白くこごえる朝のさん歩道 | 竹内友海(与進北小学校) |
梅雨空に代わり南の高気圧 | 風間龍輝空(有玉小学校) |
山登り奥に進めば夏霞 | 中嶋美結(与進北小学校) |
沢登り沢がにの巣は岩の中 | 谷田貝友翔(中郡小学校) |
かきごおりよそみしてたらやまきえる | 鈴木舞凛(舞阪小学校) |
あげはちょう外ですわれば飛んでくる | 稲本佳央(蒲小学校) |
うちのあにドリルやらずにみずあそび | 足土云風(与進小学校) |
夏の川流れの力あなどるな | 角川誠一郎(蒲小学校) |
広島でチリリンとなる風鈴が | 斉藤結羽(蒲小学校) |
台風が休日ねらいやってくる | 安井悠太(舞阪小学校) |
学校をこいしく思う夏休み | 内田旭(双葉小学校) |
こわすぎる笠井の祭りのてんぐさま | 吉村開(笠井小学校)(システム上「吉」と表記させていただきます) |
なつのうみすなはまのすなあっつあつ | 鈴木陸仁(笠井小学校) |
かのおとだとびおきたときさされてる | 岡宗佑(蒲小学校) |
いつだってぼくのヒーローカブトムシ | 山中湊仁(県居小学校) |
暑すぎてせみたち鳴くのをあきらめた | 松本杏(県居小学校) |
せみのうかいつになったら鳴くのかな | 鈴木碧仁(笠井小学校) |
これまでの大会の入選句集をPDFデータでご覧いただけます。
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