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更新日:2021年2月15日

消防署からのアドバイス

避難生活の具体的な例

地震の備えや救出・救援のやり方、避難生活について紹介します。このアドバイスは阪神・淡路大震災での体験から得られました。貴重な情報を、ぜひ使ってください (神戸市消防局東灘消防署提供)。

家庭の防災編

1995年1月17日、私たちは、巨大地震の怖さを知りました。家具や電気製品が凶器になって襲ってくるのです。そうならないために、使いやすさや見た目を優先したインテリアのレイアウト、家具の置き方を見直しましょう。また、非常持出し袋や非常食の準備も「わが家の防災対策」です。ここに書いてあることは、阪神・淡路大震災で体験したことです。 これをもとに「わが家の防災対策」について考えましょう。


1. ガラスフィルム
2. トイレの水
3. 懐中電灯
4. 非常食
5. アウトドア用品
6. 家具
7. 食器棚
8. 冷蔵庫
9. 非常持出し袋


1. ガラスフィルム

家の中には、多くのガラスや陶器が使われています。地震の揺れで壊れて飛び散ると、危ないです。また、歩くときに邪魔になって、逃げ遅れてしまいます。お店で売っているUVカットフィルムや結露防止フィルムを窓ガラスに貼ると、震災の対策になります。最近では、地震対策用のガラス飛散防止フィルムもお店で売っています。

2. トイレの水

地震でライフラインが止まることは、阪神大震災で良くわかりました。特に水が止まって困った人が多かったです。いつも風呂の水を捨てずに残しておくこともできます。 飲み水を作るために、トイレのタンクの水を使うことがあります。この水はいつも入れ替わっています。そのまま臨時的に飲み水として使えることがあります。また、風呂の水は、洗濯やトイレなどに、または火を消すために使えます。

3. 懐中電灯

地震が起きたすぐ後は停電になって、灯りがありません。普段の生活では、夜でも、街灯や広告灯で明るいです。しかし地震で停電すると、街のすべての明かりが消えます。そのため真っ暗になります。そのなかを行動しないといけないので、懐中電灯はとても大事です。手の届くところに置いておきましょう。

4. 非常食

飲み水や保存食は、ミネラル水や缶詰、レトルト食品を1か月分くらい余分に買っておきましょう。災害のときの非常食として役に立ちます。

5. アウトドア用品

懐中電灯を使って、部屋の全体を明るくするには、天井にシワをいれたアルミホイルをかざします。そこへ下から懐中電灯で照らすと、乱反射して、部屋の全体が明るくなります。 また、アウトドア用品はサバイバルでとても役に立ちます。これをRV車に積んでおくとシェルターの役割を果たします。車にはエアコン、灯り、ラジオ(テレビ)、眠るところがあります。非常食も積めば完璧です。ガス、水道、電気の無いキャンプ生活を経験しておくのも、防災対策の1つです。地震が起きたときに、車にこうしたアウトドアグッズを積んでいた人もいました。この人たちは、公園や小学校にテントを張って、サバイバル生活をした人が多かったようです。

6. 家具

家具の倒れ方は、地震の揺れる方向で大きく違います。安全のためにL字型金具でネジ止めしておきます。たくさんの人が家具でケガをしています。

7. 食器棚

食器棚は、食器の重さでとても重くなっています。しっかりとした転倒防止の金具と木ねじで固定しないと、地震の揺れで金具が抜け落ちて、倒れてしまいます。

8. 冷蔵庫

家が地震でも倒れなかったときは、冷蔵庫が食べ物を保管するところに変わりします。停電で冷やすことはできません。しかし冬なら、救援の物資が届くまでの2日から3日間は、中にあるものを食べることができます。また、製氷室の氷は溶かして飲み水として使えます。できれば、いつもミネラルウォーターを冷蔵庫の中に入れておきましょう。災害の時に役に立ちます。

9. 非常持出し袋

非常持出し袋を準備している家庭は、多くなりましたが、押入れ、戸棚に保管しているようです。巨大地震は家具を倒し、家を壊します。懐中電灯は手のとどくところに、非常用持出し袋は、家具が倒れても取り出せるところ(例えば、マイカーのトランクなど)に保管してください。 また、非常持出し袋を見つけても注意してください。避難するときは、家の中の物が大きく動いて、家の中がまったく変わってしまうこともあります。そのときは方角をしっかり頭に入れて逃げます。

救出・救援活動編

大きな地震が起こり、その被害が広くなるときがあります。そのときは消防署や市役所、保健所など地元の行政機関だけでは対応できません。住民の皆さんは、救助活動や消火活動に協力してください。 阪神・淡路大震災では、たくさんの人たちが救出、救援活動に参加してくれました。しかし、大きな街で起きた直下型巨大地震は、はじめての経験ばかりでした。震災のすぐ後の行動は、手さぐりでやっていきました。具体的には、救出、救援活動をはじめ、無事かどうかの確認や災害が起きた所から逃げる方法などの行動です。そうした中で、アイデアや方法、一定のルールが生まれました。その経験や教えをまとめました。


1. ホイッスル・貼り紙
2. バイクその1
3. バイクその2
4. 担架
5. ジャッキ

1. ホイッスル・貼り紙

倒れた家から人を助けるには、数時間もかかることも多いです。消防署員だけではなく全国からの応援隊が協力して、救助活動をしました。しかし、被災地が広い範囲で、残念ながら全ての人達を助けられませんでした。倒れた建物をひとつひとつ確認して、生き埋めになっていないか探して、救助をしました。これにたくさんの時間がかかりました。自分の居る所をホイッスルで伝えることは効果があります。また「みんな無事で○○小学校へ避難しています。」といった貼り紙がとても役に立ちました。救助活動をする人たちに、無事を知らせることができるからです。

2. バイクその1

地震が起きた後、たくさんの人が車で移動しようとしました。多くの車で、大渋滞が起こりました。そのため、消防車や救急車の緊急走行や、救援物資を運ぶのに邪魔になりました。 地震が起きたときは、少しでも早い救援、救出活動が必要です。車を使わずに、バイクや自転車、歩いて移動してください。 また、地震が起きた後に行動するときは、余震や津波に特に気をつけてください。

3. バイクその2

道の上にはいろいろなものが落ちています。オイル、ガラス、金属など、事故の原因になるものばかりです。バイクで走っているときに、垂れ下がった電線に首を引っかけて、倒れた事故もありました。 また、道にはたくさんの割れ目や段差ができています。割れ目や段差が、道に沿って斜めにできているところには、特に気をつけてください。タイヤが入り込み、必ず倒れます。道の上を良く見て割れ目や段差を直角に通りましょう。 地震の後、バイクで走るときは特に気をつけてください。

4. 担架

地震が起きた日、消防署へは100人より多いけが人が運び込まれてきました。救急車ではとても手が回りません。そんな中で、近くの人達で助け合ってけが人を運んだ例がたくさんありました。例えば、扉を使った人、手押し車で運ばれてきた人、リヤカーの様なもので運ばれてきた人などです。
※浜松市消防本部では、応急処置の講習会をしています。蘇生法だけではなくケガの処置コースもあります。ぜひ受講して、応急処置を覚えてください。受講すれば、浜松市から修了証がもらえます。

5. ジャッキ

車用のジャッキを使って、家が倒れて下敷きになっている人達を、助け出したことがたくさんありました。ただ、ジャッキは不安定なので、余震で倒れてしまうことがあります。瓦礫の下から助け出すときは、ジャッキアップしたあと、その支点に数枚のブロックを挟みましょう。2次災害を防ぐことができます。
その他、ロープは引っ張るときや固定するときに役に立ちます。のこぎりは柱、梁、根太を切るときに役に立ちます。ハンマーはドアや家具を壊すときに役に立ちます。バールは持ち上げるときや、壊すときや、トタンなどを剥がすときに使えます。

避難生活編

避難生活では、いろんな物資が足りませんでした。慣れない共同生活はとても辛かったです。 その中で、助け合いながら生活していくうちに、アイデアや知恵がいろいろと浮かんできました。これらは、実際に避難生活をしないとわからないことばかりです。でも、時間がたつと、忘れてしまうかもしれません。そこで、そうした避難生活の知恵を紹介します。


1. 水
2. 食事
3. カイロ
4. 電気製品
5. ポリ袋
6. 消毒
7. トイレ
8. 自転車
9. 灯り

1. 水

水が止まったとき、役に立つのが自然の川です。住吉川は都市部でもとてもきれいな水が流れています。この時はたくさんの人が水を汲みに来ていました。
中には川で直接、洗剤を使って洗濯をする人がいました。非常時なので仕方がないかもしれません。しかし、下流でも水を使っている人がいます。汚い水が川に流れ込まない所で、洗濯するようにしてください。

2. 食事

カセット式コンロがとても役に立ちました。中には2台並べて使った人もいました。しかし、これがとても危険でした。2台並べると一方のカセットボンベが中央にきます。そのため、過熱して爆発したことがあったようです。
便利さだけではなく、危険性に充分気をつけてください。

3. カイロ

当時、避難所では、食べ物や毛布はある程度時間がたてば、災害対策本部からもらえました。しかし、暖房器具はすぐにはもらえませんでした。使い捨てカイロを使うことや、熱いお湯を半分入れたペットボトルにタオルを巻いて湯タンポがわりにしましょう。これらは、避難生活の知恵です。

4. 電気製品

ライフラインが止まったあと、いちばん早く使えるようになるのは、電気です。ガスや水道が使えない間は、電気器具がとても役に立ちます。しかし、電気器具のなかには、発熱して火災になるケースがあります。停電した電気が使えるようになると、通電状態になるためです。熱帯魚の保温ヒーターがそうです。地震でガラスの水槽が壊れてしまうと、中の水はなくなります。このときに通電状態になると、高温になって、近くの可燃物に火がついて火災になります。
震災で停電したあとは、一度、電気ブレーカーを切ってください。電気が使えるようになったら、確認しながらブレーカーを入れてください。

5. ポリ袋

新聞紙とゴミバケツ用ポリ袋を布団がわりにしたり、段ボール箱をたたんで床に敷いたりしましょう。温かくなり、寒さを防ぐことができます。また、新聞紙を丸めてシワを作り、それを延ばして上着と下着の間に入れて着ましょう。空気の層ができて、寒さを防ぐことができます。
地震のすぐ後は、たくさんの人が着ていた洋服だけで避難しました。パジャマの人もいました。

6. 消毒

水道が止まっているときには、きれいな水は手に入りません。救急箱にある消毒液は傷の消毒には使えます。しかし、食事の前の手洗いや子供の顔を拭くのには使えません。ぬれティッシュは、非常持出し用の防災グッズに必ず入れてください。

7. トイレ

避難所の仮設トイレは、早いところで3日後、遅いところでも1週間くらいで設置されました。家庭では、風呂の水を捨てずにおきましょう。トイレ用の水として使えます。

8. 自転車

バイクや自転車の走行には、タイヤの空気入れや簡易式のパンク修理セットを持っていてください。道の上に物が落ちていて、必ずパンクします。パンクしても公共交通機関は動いていません。

9. 灯り

天ぷら油を使った簡易オイルランプの作り方を紹介します。金属の灰皿や空き缶に水を深さ2センチ入れます。そこへ天ぷら油をさらに2センチ入れます。(2層に別れて、油のほうが軽いので上になります。)細く切った布切れをよじって、10円玉大のアルミホイルを通します。これを、ロウソクの芯のように液の上に浮かせます。これにライターで火をつけると、10時間くらい使えます。空き缶をうまくくり抜いて使うと、風除けつきオイルランプになります。
ただし、裸の火を使う灯りは、余震で倒れることやガス漏れに充分気をつけてください。
照明

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