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更新日:2024年1月1日

株式会社三井住友銀行

産・学・官・金が一丸となって
新たな産業創造を目指すまち浜松

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株式会社三井住友銀行 成長事業開発部の石澤卓也氏。2011年から外部ファンドへの投資やSMBCベンチャーキャピタルの経営戦略に携わり、スタートアップ支援を担当

 

株式会社三井住友銀行

SMBCグループの基幹銀行として、海外進出や海外企業との連携を視野に入れたメガバンクならではのスタートアップ支援に力を注ぐ。起業・事業化支援、ビジネスマッチング、ファイナンス支援、IPO・M&A支援と、スタートアップの各ステージの経営課題に対するソリューションをグループ全体で提案

次世代を担う事業開発を支援するメガバンク

――石澤様が所属される成長事業開発部は、グループ内でどのような業務を行われているのでしょうか。

 

SMBCグループは、日本全体の社会・経済成長を起こすイノベーションを促進するため、三井住友銀行、SMBCベンチャーキャピタル、日本総合研究所、SMBC日興証券を中心としたグループ会社が一体となり、成長企業への一気通貫した支援に取り組んでいます。その中で、三井住友銀行 成長事業開発部は、グループ会社のハブとして起業前や起業後まもない段階のシード期からIPOに至るまで、スタートアップの全ステージに伴走しています。

 

2015年度からは、SMBCグループで「未来X(ミライクロス)」というアクセラレーションプログラムを立ち上げています。未来Xは、資金調達、チームビルディング、ブランディング等の研修の機会を提供し、挑戦し続ける起業家たちをサポートするプログラム。この活動を通じ、新産業を創る決意をもって取り組んでいます。

 

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アイデアや技術を事業化したい起業家や企業に向けて、さまざまな企業と投資家をつなぎ合わせるなどの協業サポートを行う

“情報屋”から浜松市の“パートナー”に

――浜松市ファンドサポート事業への参画に結びつく、浜松市とのご縁はどのようにできていったのでしょうか。

 

弊行には浜松法人営業部があり、地元の信金さん主催のビジネスマッチングフェアへ、何年にもわたり参加させていただいています。これは、浜松市内の大・中小企業と都心部のスタートアップを結びつけるイベントで、われわれ成長事業開発部も、東京のスタートアップのご紹介などで関わっていました。

同じ金融機関なので、メガバンクは地銀さんや信金さんと競合関係にあるのでは、と思われることも多いのですが、実際は協力関係にあります。地域産業を盛り上げたい想いは一緒。それぞれの持ち場と特性を生かしたソリューションを提供しています。

先ほどお話しした未来Xと併せて、スタートアップ推進を図る浜松市との接点ができていきました。

 

――「スタートアップ推進」が、御行と浜松市の共通項だったのですね。

 

はい。そしてこの辺りから、弊行の関わり方が“情報屋”から“パートナー”の深さに変わっていきます。2017年には浜松市と弊行の間でスタートアップ支援に関する連携協定を締結しました。浜松市のスタートアップ育成体制についての相談を受け、ディスカッションを重ねたのですが、情熱がすごかったですね。

例えば、「市内スタートアップの成長促進に向け、ベンチャーファンド投資について知りたい」とご要望をいただき、すぐに浜松市から銀行に出向者をお送りいただくことになりました。

その出向者の方には、未来Xの運営スタッフとしても入っていただき、スタートアップ界隈の動向や支援体制の把握、ベンチャーファンドとの関係性構築など、実務的な連携を通じて、様々な知見を共有させていただきました。

さらには、浜松市のスタートアップ支援事業の連携パートナーとして、弊行と業務提携しているスタートアップ支援企業を浜松市に紹介したり、浜松市ファンドサポート事業ではSMBCベンチャーキャピタルが認定VCになったりするなど、共にスタートアップ推進に努めるパートナーとしての絆が深まっていきました。

一本筋が通っているスタートアップ推進の地で

――浜松市の印象をどう捉えられていますか。

 

スタートアップには、前例のないところへチャレンジし続ける姿勢が重要だと考えますが、浜松市は、自らがそれを体現していると思います。うまくいかないリスクがあるかもしれないけども、スタートアップのために何でもやろうという姿勢が、スタートアップを奮い立たせていることは間違いありません。

そして、民間企業、大学や研究機関、自治体、金融機関がスタートアップ推進へ向けて一直線に突き進んでいます。この一本筋が通ったタッグが浜松市の強みですね。「一企業の成功だけではなく、工業地帯で一大サプライチェーンを、そして日本を代表する産業を創る必要がある」。そういった、日本がグローバル社会の中で沈んでしまうとの危機感を有し、自治体がリーダーシップをもって牽引している、日本の成功事例になりうる地域だと感じています。浜松市は海あり山ありの日本の縮図のような地域です。様々なフィールドでの成功が、日本の他の地域でも参考にできる成功事例になるでしょう。

「ものづくり」×「SDGs」の動きも進んでいます。日本のものづくりのど真ん中からの成功事例発信に向け、エンジニアや大学がSDGsの文脈でテクノロジーを磨いている最中です。

 

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浜松がスタートアップの発射台になる!

――日本の経済社会の心臓ともいえるメガバンクとして、スタートアップのこれからをどうお考えになりますか。

 

スタートアップと地域創生は密接な関係にあります。東京一極集中は果たしてサステナブルなのでしょうか? 東京はソフトウェアに強いですが、浜松はハードウェアに強みがあります。コロナ禍で東京のVCと地域のスタートアップとのコミュニケーションが取りやすくなったことですし、地域をより生かす時が来ています。アメリカの例にしても、スタートアップが発展したのはニューヨークではなく、サンフランシスコ・ベイエリアのシリコンバレーです。大都会である必要はありません。スタートアップの集積地として育ちつつある浜松市には、情報交換できるコミュニティも育っています。

 

――最後に、浜松市での起業や進出に興味を持たれた起業家へのメッセージをお願いします。

 

ぜひ浜松市から日本で一番の企業を目指していただきたい。実現できれば日本の地域活性化に関する社会課題解決のモデルケースとなるはずです。

採用の課題はありますが、大手企業でも地域に本社や製造拠点を移転するなど、多様な動きが始まっている時代です。良い人材が入ってくる環境を、地域で一緒に作っていく観点も重要と考えます。

官民を挙げたスタートアップ支援の輪、ものづくりの経験値の集積である、大学などの知的財産も豊富な中部地区特有の強み、そして浜松のプレイヤーの経験値が上がっていることなど、様々な魅力が取り揃っています。われわれもさらに連携を深めていきたい、そう思わせるような、より高いレベルのスタートアップの発射台へと育っているまち、それが浜松市です。

 

 

  • 本記事のインタビューは2023年2月に実施されたもので、記事中の内容・人物の肩書等は全てインタビュー時点のものです。

 

 

 

 

 

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