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更新日:2025年4月28日
上下水道施設の老朽化の進行や人口減少による料金収入等の減少などに直面する中、効率的かつ効果的な水道・下水道サービス提供のため、民間事業者のノウハウを活用した官民連携の取り組みを積極的に行っています。また、新たな事業機会の創出や民間投資を喚起するため、国の指針に基づき、上下水道事業における「PPP/PFI手法導入優先的検討規程」を2017年度に策定し運用してきました。
民間事業者へ委託している業務の範囲は、浄水場・浄化センター等の運転管理のほか、管路調査や漏水修繕、市民からの問い合わせ対応、メーター検針など多岐にわたっており、経営効率化を図っています。
今後は、国が示す多様な官民連携手法に対応するため、本市上下水道事業における優先的検討規程についても見直しを行い、さらなる官民連携の推進を図る必要があります。
図表2.5.3 主要な上下水道施設の運転管理に関する民間事業者への業務委託状況
民間事業者による運転管理
[大原浄水場:沈殿池]
民間事業者による運転管理
[中部浄化センター:中央監視室]
下水道事業では西遠処理区において、2018年度から「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(PFI法)」に基づく運営委託方式を国内で初めて導入し、20年間の西遠運営委託事業を行っています。本事業は本市が推進する官民連携の中でも代表的なもので、「平成29年度(第10回)国土交通大臣賞(循環のみち下水道賞)グランプリ」を受賞するなど先進的な事例になっています。
西遠運営委託事業により運営している西遠浄化センター
[中央区松島町]
浜松ウォーターシンフォニー(株)提供
本事業の運営権者は、外注から自社修繕への切り替えによる修繕コストの削減や太陽光発電設備の設置による電力費の削減など、維持管理費の削減に努めています。また、特許を取得した汚泥焼却設備の運転方法により、汚泥焼却炉の安定稼働や温室効果ガス排出の抑制などにつなげています。
運営権者による自社修繕(脱水機のろ布修繕)
浜松ウォーターシンフォニー(株)提供
運営権者が設置した太陽光発電設備
浜松ウォーターシンフォニー(株)提供
図表2.5.4 太陽光発電設備の導入による効果
本事業が実施契約に定められた業務を確実に遂行し、かつ、要求水準書に定められた基準を安定的に充足することを確認するため、運営権者によるセルフモニタリング、本市によるモニタリング、専門的知見を有する第三者機関によるモニタリングを行っています。
本市によるモニタリング(運営権者が行う点検作業の確認)
[現地モニタリング]
本市によるモニタリング
[会議モニタリング(WEB)]
これらモニタリングなどにより、提出書類の不備や放流水質基準の超過などの不適合事例も把握しており、年度ごとの要求水準等の充足率(適合率)が100%に達しないこともあります。その際も、徹底した原因究明を行い、適切な是正措置と再発防止策が講じられていることを確認しています。
図表2.5.5 西遠運営委託事業における要求水準等の充足率(適合率)
モニタリングは、契約内容の履行を確保する上で重要な役割を担っており、これまで実務や年1回程度の勉強会等を通じてモニタリング手法を確立してきました。しかしながら、事業開始から7年が経過し、本市担当職員の交代時も円滑かつ確実に業務を遂行できるよう、モニタリング技術の継承が課題になっています。今後は、勉強会等の内容や頻度の拡充を検討し、本市のモニタリング技術の維持、向上を図っていく必要があります。
モニタリングの方向性を検討するために実施した専門的知見を有する第三者機関との勉強会
(2018年度)
図表2.5.6 西遠運営委託事業モニタリングに関する勉強会等の実施回数
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