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更新日:2025年4月21日
ユニソック合同会社 松永智教さん
——どんな課題を解決する事業を作ったのでしょうか。
私には車椅子の娘がいることもあり、本業とは別で障がい者のスポーツ教室を7年間続けてきました。スポーツ教室を開催すると、いつもボランティアの皆さんが集まって助けてくれるので、その原体験から「優しい社会を作りたい」と思ったのが事業作りのきっかけです。
作ったのは、ボランティアの募集者とボランティアをしたい人のマッチングサービス「AVS(Active Volunteer System)」です。単純にマッチングさせるだけでなく、ボランティア実績を社会貢献度(スコア)として見える化し、インセンティブを用意することで、主体的に手を挙げやすい仕組みを構築しました。
インセンティブはお金ではなく、行動している人に対してプレミアムな情報、たとえば10回ボランティアに参加した人には「事務局をやってみませんか」といったお声がけをするなど、スコアに応じて価値ある情報を届けることで、主体的に行動する人たちによる優しい社会を実現させます。
——浜松で起業して良かった点を教えてください。
最初は違う地域で事業をスタートさせたのですが、その地域では見向きもされませんでした。だけど浜松で手を挙げたら浜松市が拾ってくれて、私にチャンスをくれたのです。そこからPOCをスタートさせて評価いただくようになり、浜松市に支社を作りました。浜松市には“やらまいか”の文化が根付いているから、応援してくれる人がとにかく多く、私が生き生きできる町だと実感しています。
——プログラムで得られた気づきや、参加して良かったことを教えてください。
当初は、ボランティアを仲介している社会福祉協議会や市民活動センター、大学の事務局などを介さない事業を考えていたのですが、プログラムに参加したことで「むしろ仲介してくれる人たちを支える仕組みを作った方が、もっと優しい社会になる」と気づきました。
AIが人による仲介を代替するのではなく、仲介する人がボランティアに参加した人へのケアや最適なタイミングでのお声がけ、情報発信など、本質的な仕事に時間を使うためにAIを使う。この発想に転換できたことで、ビジネスは大きく動きました。実際、4月1日から3社との連携が始まります。
半年間、メンターの皆さんがガッツリ伴走してくれて視座が上がりましたし、浜松市から支援いただきながらシステム開発に取り組めているので、本当に感謝しかありません。浜松から優しい社会を本気で作りたいと思っています。
——プログラム参加前後で、何か変化はありましたか?
浜松市からの支援でシリコンバレーに行かせてもらえたことで、視座が一気に上がりました。この経験がきっかけとなり、日本だけを見るのではなくグローバルでビジネスを考えるようになりました。
——今後の展開を教えてください。
浜松市と富山県、長野県にそれぞれ良いパートナーができたので、今年はシステムの精度
を高めながらPOCを重ね、2025年には一気に全国展開をしたいと考えています。まずは各地の社会福祉協議会や大学などの仲介組織と連携して実績を作り、いずれは地域に根ざしたスポーツクラブとも連携したいですね。また、大学での講義を持つことで大学生を巻き込んでいく予定です。
それから、社会貢献をスコアで見える化する考え方はアメリカの方がマッチしているので、アメリカにも早々に進出したいと考えています。アメリカは約20年前に福祉協議会などの仲介組織がなくなったのですが、優しい社会を作るには人を介することが絶対条件です。この考え方をグローバルに浸透させて、事業を拡大させたいと思っています。お金目的だけでなく、社会貢献のために主体的に行動する人が評価される社会を実現させたいです。
浜松市のベンチャー支援制度に関して、ご不明な点があればお気軽にお問い合わせください。