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更新日:2025年4月21日
BlueFarm株式会社 青木大輔さん
——どんな課題を解決する事業を作ったのでしょうか。
上場企業のIR部門で働いていたときに、企業のESGやSDGs対応の重要性が高まっているものの、その対応策が少ないことに課題を感じていました。加えて、私の地元の産業である茶業は、高齢化や人手不足によって廃業が相次ぐなど危機的な状況に陥っています。
そこで、山間地の茶園と企業をつなぐサービスを作り、企業のESGやSDGs、カーボンニュートラル対応として農業参入を可能とし、茶園に従事する生産者の廃業や耕作放棄地の解決に貢献することで、サステナブルな社会の実現を目指します。
——浜松で起業して良かった点を教えてください。
浜松の良さは、経営資源の全てが手に入る仕組みがあることです。地域の企業とスタートアップが協業する事業機会や資金調達の仕組みがあるのはもちろん、行政もさまざまなサポートをしてくれるなど、経営に必要なものが有機的に結びついているのが浜松の特徴だと思っています。
それに、本気で世界を変えたいと思って起業した私に対して、浜松の行政や地域企業の皆さんは「具体的にどう変えようか」と自分のことにように本気で考えてくれるし、周りにも同じような情熱を持って新しいことに取り組む人たちがたくさんいるのです。いろんなプレイヤーとすぐに情報交換ができ、協業の話も次々と生まれる浜松なら、私が成し遂げたい事業を達成できると確信しました。
——プログラムで得られた気づきや、参加して良かったことを教えてください。
良かったのは半年間で事業計画をブラッシュアップして資金調達し、事業をスタートできるところまでビジネスモデルを確立できた点です。このプログラムの素晴らしさは、現在進行形で活躍しているキャピタリストの方々が、メンターとして半年間ずっと事業についてアドバイスをくれること。それだけでなく、課題を潰していくために必要なメンターや企業、行政などさまざまな人を巻き込んで、解決に導いてくれることです。
半年間同じメンターが伴走してくれたから、自分ではやっていたつもりでも出来ていなかったことなど、細かな部分まで見直せたのは本当に良かったと心から思います。たとえば、「企業ニーズの解像度が低い。来週までに数十社の企業にインタビューして結果をまとめなさい」といったオーダーを受けて走り続けたことで、事業計画がブラッシュアップされました。
——プログラム参加前後で、何か変化はありましたか?
事業の方向性自体はほとんど変わっていませんが、目的を達成するための具体的な道のりが明確になりました。私はこれまでいろんなプログラムを受けてきましたが、浜松市のプログラムが一番身になったと実感しています。メンターの方々は「僕たちの会社だ」と正面から向き合ってくれたからこそ、とても厳しく大変でしたが、そのぶん良い結果が出たのだと思っています。
——今後の展開を教えてください。
グローバルで見ても日本のお茶には高い可能性があるにも関わらず、このまま何もしなければ産業自体が消滅してしまうかもしれません。一方で企業もサステナビリティやESG対応に苦労しており、このままでは日本企業の競争力は落ちてしまうのではないかという危機感もあります。だから、両者をつなぐことで双方の競争力や可能性を高めるためにも、5年後のIPOを目指して、全世界の企業を対象にしたビジネスを展開したいと考えています。
今回一緒に事業をブラッシュアップしたメンターの方々は事業作りの大切な仲間なので、IPOまで一緒に走りたいと思っています。
浜松市のベンチャー支援制度に関して、ご不明な点があればお気軽にお問い合わせください。