移住者・住民VOICE

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更新日:2024年8月14日

長谷川乾さん実香さん

  • 就農
  • Iターン

誇りをもって次世代に引き継げる地域に

移住のきっかけは?

ひとことで言うと2011(平成23)年の東日本大震災です。当時、IT業界で働いていましたが、いち早く被災地で支援をさせてもらう中で、目の前の生活が大変な状況の人たちを目の当たりにし、自分の生き方を見直しました。生活をより便利にするために、ITはなくてはならない部分もありますが、世の中の最先端で経済的な豊かさを求めて働くより、自然に近い生活、農業に従事してみたいと思うようになりました。

スムーズに農業を始めることはできましたか?

最初は畑を借りたくても、未経験の移住者ということで、簡単には借りられませんでした。いろいろな人にお願いして、やっと一つの畑を借りることができ、その後は自分たちが本気で農業に取り組んでいる姿を見た人から、逆に声を掛けてもらえるようになり、どんどん耕作地を増やすことができました。

どうやって地域とのつながりを深めていったのですか?

移住してすぐに自治会に入り、地域の行事には積極的に参加するようにしました。スポーツも好きで、地域のさまざまなスポーツ大会などを通じて、多くの人とのつながりが増えました。でも、地域とのつながりがより一層広がったのは、お店を出してからだと思います。

お店を経営しているのですか?

以前からよく通っていたハンバーガー店があり、そこは東京から移住してきた人が経営していて、移住者の先輩として慕っていました。しかし高齢のために閉店することになり、お店を引き継いでくれる人を探すことになりましたが、見つかりませんでした。
そこで、三ヶ日からこのお店がなくなるのは寂しいと思い、自分たちが引き継ぐことにしました。お店をオープンする時には、たくさんの地元の飲食関係者も応援してくれて、地域の人の温かさとつながりを強く感じました。

その他に地域でどのような活動をしていますか?

以前、多業種の事業者で構成される地域活性化協議会で、「三ヶ日は浜名湖を訪れる観光客が多いけれど、湖を眺めるだけでなく、気軽に水辺体験ができたら、もっと楽しんでもらえるのではないか」という話が出ました。そこで自分が以前体験したことがある、水辺のアクティビティを提案しました。
実際に浜名湖で、事業者向けに体験会を開催したところ、とても好評でしたが、導入に踏み切ってくれる事業者はいませんでした。このチャンスを逃すのはもったいないと思い、自ら挑戦することにしました。今では農業を含めて3つの事業をしています。

今後の夢や目標はありますか?

移住して10年目に入り、今ではたくさんのスタッフが働いてくれています。スタッフの中には移住者も多く、自分たちの仕事と、三ヶ日を気に入って働いてくれていることが、とてもうれしいです。移住してまで働いてくれているので、責任も重大ですが…。
今後、自分たちが現場に立って仕事ができるのも、年齢的に困難になる時が来るはずなので、若い人に仕事を覚えてもらい、将来的には後継者になってほしいと思っています。そして地元の人も移住者も、若い世代が中心に横のつながりを深め、大好きな三ヶ日を、誇りを持って次世代に引き継げる地域にしていきたい思っています。

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