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移住者・住民VOICE
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更新日:2022年2月24日
浜松山里いきいき応援隊(平成30年6月任期終了)
南に大きく開けた山の中腹に小林さんの家はあります。玄関の前にはシカの骨や、メダカが泳ぐ水鉢が並び、谷の向こうには日に照らされ輝く杉林が幾重にも重なり、見飽きることのない風景を作り出しています。
小林さんが初めて引佐地域を訪れたのは、大学生のとき。農村体験事業「緑のふるさと協力隊」として1年間住み込みで活動しながら、豊かな自然や祭りの文化に触れたことで、引佐にどんどんひかれていきました。大学ではランドスケープ(造園)の勉強をしていたこともあり、久留女木の棚田の水利形態など、引佐を題材にいくつもの論文を執筆。大学院の卒業と同時に山いき隊へ応募したことは、小林さんにとって自然な流れでした。
「長野や東北など、他の地域も検討しましたが、小さな頃から虫が好きで、たくさんの生き物が生息する引佐は僕にとって宝の山だったことも引佐に決めた理由の1つです」。そう言って、タガメの標本や、生きたクワガタを見せてくれました。
着任後、小林さんはすぐに動き出します。農作業やお祭りの手伝いをしながら、スタンプラリーを企画。それまでもイベントは開催していたものの、訪れるのはリタイア世代ばかりでした。
「もっと若い人たちにも来てほしいと、僕がイラストを描いて、チラシをデザインしました。イベントは地元の中高生にも手伝ってもらい、無事成功。切り口を変えれば、若い人たちを呼ぶことができることを、地元の人に知ってもらえたのもよかったですね」
さらに、このイベントに参加した引佐を離れ市街地に住む若者たちが、廃校になった母校で音楽イベント「ヤマノハコ」を企画したことも、小林さんにとってうれしいニュースでした。
2年目には、引佐の魅力を伝える「山の新聞いいとこまんじゅう」を発行。農作業の合間に話を聞き、写真を撮りながら、3か月に1回のペースで制作。7号目からは協力者が現れ、現在ものんびり発行を続けています。
3年目になると小林さんの活動の範囲が広がります。子供たちが地元を離れたとき、自分の町を説明できるようにと、自らドローンで撮影した引佐の風景を題材に小学校で授業を行ったり、年配の人たちが交流するサロン活動に参加して、村に残るお葬式の風習を紙芝居に残したり。引佐に当たり前にあるけれど、よその人から見たら豊かに見えるいくつもの魅力を、さまざまな形で伝えていきます。
山いき隊の活動中に、遠距離恋愛していた彼女と結婚。昨年の秋には男の子も誕生しました。「東京に住んでいた頃よりもご近所づきあいができています。何より、周りの方たちがうちの子を自分の子供のように可愛がってくれるのがうれしくて」と奥さま。
任期後も引佐に残ることを決めた小林さんに、山いき隊の魅力を尋ねてみました。「山の新聞や地域の風習を描いた『いなさカルタ』など、商業的に見るとお金にならないことも、時間をかけてじっくり取材し、形にできるのがいいところですね」
地域を駆け回り、地域の人たちの話を一つひとつ集める小林さんの活動は、引佐の自然、歴史、文化を記録する民俗学者のようでした。
小林成彦さん
1989年生まれ、埼玉県所沢市出身。大学でランドスケープ(造園)を学ぶ。2015年7月、山いき隊に着任。独学でデザイン、写真、ドローンを学び、引佐の情報を発信。2018年6月任期満了。
「浜松山里いきいき応援隊紹介冊子」より
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