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テレリハ株式会社

シニア世代のウェルビーイングを支援する新たなヘルスケアネットワークの実現を

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コロナ禍で外出や受診控えが進む中、新しい生活様式にあわせた健康づくりの必要性が高まっています。とくに身体機能の回復のみならず、精神面・社会面からも健康な日常生活を支えるリハビリテーションを適切に受けられることは、市民のウェルビーイングの向上に欠かせません。

 

そんな中、理学療法士によるオンライントレーニングの提供を開始したのが、テレリハ株式会社です。市民の健康増進および医療費の削減をゴールに掲げ、専門職によるオンラインの「テレリハ体操」を実施しました。

 

一定の成果を得られた取り組みの全容について、代表取締役CEOの友広隆行氏(以下、友広氏)に話を聞きました。

オンライン健康体操の導入により、介護施設を利用者との交流が生まれる場所へシフトする

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ーーテレリハは、友広さんが経営するトータルリハビリテーションセンターから派生する形で、2021年6月に設立されたと聞きました。まずは、御社の成り立ちについて教えていただけますか?

 

友広氏:トータルリハビリテーションセンターは、公的医療保険の適用が終わった方も自由診療で継続してケアを受けられるように設立した会社です。

 

とくにコロナ禍では通院の困難な方が増えたため、2020年からオンラインによる健康体操を提供しはじめました。遠隔で行うリハビリテーションが十分にサービス化できそうでしたので、テレリハを分社化し、「テレリハ体操」のサービスインに取り組んできたという流れです。

 

ーー今回、どのようなきっかけで本事業に応募したのでしょうか?

 

友広氏:サービス化を見据える中で、オンライン健康体操の可能性を探りたかったのがきっかけです。中でも次の3つの観点から、浜松市で実証実験を行う意義を感じていました。

 

1つ目は、東西の大都市圏にアクセスがよく利便性が高いということ。2つ目は、1つの市の中に都市部と中山間地域が混在しており、さまざまな社会的課題にアプローチできるということ。そして3つ目は、浜松市のスタートアップ支援が手厚く、実証実験に取り組みやすい環境だと聞いていたことです。

 

浜松市に根付くサービス体系を創ることが全国展開の下地になると考え、応募しました。

 

ーーこれまでも貴社は、大阪府や福島県などで実証実験に取り組んでいます。とくに今回の取り組みにおける目的は何でしたか?

 

友広氏:高齢者のウェルビーイングを支えるヘルスケアネットワークの確立を目指しました。全国的な傾向ではありますが、介護施設には理学療法士(PT)などの専門家が常駐していない場合が大半です。

 

その中で、理学療法士などの専門家が実施する「テレリハ体操」のメニューを施設に提供できれば、利用者との交流のきっかけにできるのではないかと仮説を立てました。そこで、多人数かつ多拠点で実施する施設向け(toB)のグループレッスンメニューを考案し、実証に取り組みました。

 

ーー「テレリハ体操」のメニューを確立し、介護施設における交流サービスの1つとして展開したいと考えたのですね。それでは、今回どのような形式で実証実験を進めましたか?

 

友広氏:2期にわたり計8施設、100名超の被験者にテレリハ体操を試していただきました。メニューは施設と相談のうえ、肩こりと腰痛、認知症のそれぞれに対応する内容を考案しています。実施頻度は週に1回、計8~10回の継続メニューとしました。

 

テレリハ3

トータルリハビリテーションに登録している理学療法士(PT)および作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)が体操をレクチャーする。施設側は人材不足に対応できるほか、テレリハから専門知識のレクチャーもあるためサービス向上が見込める。

 

ーー実証実験に参加する介護施設は、どのように募集したのですか?

 

友広氏:浜松市の担当者さまから市内の250事業所へ向けて、一斉にアナウンスしていただきました。スタートアップ推進課から、健康増進課や介護保険課に連携を図ってくださったのです。

 

今回応募いただいた施設は、すでにICTを活用していたり、サービス向上による経営改善に意欲のある事業者さまが多かった印象です。結果として、当初想定していた100名以上の被験者を集めることができました。

 

浜松市に支店を置き、サービス課題の解消と事業化へ本格的に取り組む

テレリハ4

ーーテレリハ体操を実施してみて、結果はいかがでしたか?

 

友広氏:大きな成果が得られたと思います。後期に試験いただいた6施設中、3施設から継続希望をいただきました。うち1施設はすでに契約済みで、実際に2023年2月からテレリハ体操を導入・実施いただいています。

 

とくに「こういった意図・理論で、この体操を実施する」など、現場のスタッフさまへ専門知識をお伝えしたことが好評だった印象です。スタッフのレベルアップが期待でき、経営者目線でもメリットがあると感じていただけたようです。

 

利用者状況は、それまで運動をしていなかった方の運動継続に繋がったケースが多く見られました。これは、現場のスタッフさまが体操の実施をフォローしたことで、被験者のみなさんとの個別のコミュニケーションが増えたためです。

 

テレリハ体操を通じてPT、OT、STが関与することで、サービス全体を活性化できる可能性が見えました。

 

ーーサービスインを見据える中で、何らかの課題も見えたでしょうか?

 

友広氏:他の自治体で行った実証実験と異なり、今回は複数の介護施設で同時にテレリハ体操を実施しました。被験者の要介護度にばらつきがあるため、画一的なメニューを提供するのが困難でした。

 

また、テレリハ体操の継続率を高めることも、事業を成功に導くポイントだと分かりました。週1回のメニューなので、体操の効果を感じられるまで3カ月から半年ほどの継続実施が必要なためです。

 

以上から、テレリハ体操の1回60分のうち10~15分ほどは、利用者とコミュニケーションを取るよう工夫しました。サービスの提供方法については、引き続き検討を重ねていきます。

 

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相互コミュニケーションにより温もりある体験提供を目指す 引用:紹介動画・テレリハHPより

 

 

ーー冒頭で、「浜松市はスタートアップ支援が手厚い」という話もありました。浜松市のサポートでよかった点があれば教えてください。

 

友広氏:サービスインを見据えたアドバイスをいただけた点は非常に役立ちました。サービスインに向けて不明な点を洗い出し、本事業における取り組みを弊社のエビデンスとして残せるように、と全面的なご協力をいただいた印象です。今回の成果は、厚生労働省に提出する予定です。また、地元の金融機関や協業先もご紹介いただき、資金調達やサービス化の面でもサポートいただきました。

 

ーービジネス視点でサービスをブラッシュアップできた様子が伺えます。それでは最後に、今後の展開について教えてください。

 

友広氏:まずは浜松市でサービスの黒字化を目指します。オープンイノベーション拠点のFUSE(読み方:フューズ、所在地:浜松市中区)に拠点を置き、本格的に営業を開始しました。

 

また、過疎地域など介護事業所のない地域において、マンツーマンで提供するtoCのメニューも開発を進めます。現在は、ワンタップで手軽に参加できるようアプリを開発しているほか、浜松市の担当者さまも、地域包括支援センターや社会福祉協議会にアプローチして実証実験のフィールドを調査してくださっているところです。

 

このようにしてこれからも浜松市民みなさまのウェルビーイング向上、ひいては医療費の削減に貢献していきたいと思います。

お問い合わせ

浜松市役所産業部スタートアップ推進課

〒430?8652 浜松市中央区元城町103-2

電話番号:053-457-2825

ファクス番号:053-457-2283

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