緊急情報
ここから本文です。
更新日:2025年4月28日
浄水場等の水道施設では、取水や浄水、配水などの工程で多くのエネルギーを消費しています。大原浄水場の次に施設規模が大きい常光浄水場(配水能力55,040m3/日)では、取水や配水において大型ポンプを運転しているため、特にエネルギー消費が大きくなっています。
常光浄水場 [中央区常光町]
また、浄化センター等の下水道施設では、下水処理工程における汚水ポンプや送風機の運転により多くのエネルギーを消費しています。
中部浄化センター [中央区瓜内町]
これら上下水道施設(庁舎含む)からのエネルギー起源の二酸化炭素排出量は、本市の施設全体における排出量の約26%を占めています。
図表2.3.13 本市の施設別のエネルギー起源二酸化酸素排出量(2021年度)
さらに、浄化センターでは、エネルギー起源の二酸化炭素のほかに、下水処理工程で発生した下水汚泥の焼却等において、非エネルギー起源で二酸化炭素よりも温室効果の高いメタンや一酸化二窒素を排出しています。
汚泥焼却炉 [中部浄化センター]
これら温室効果ガスの排出量を削減するため、上下水道施設の設備を更新する際に省エネルギー設備の導入などを積極的に行っています。
小型でエネルギー効率の高い急速撹拌機への更新
(2022年度)[大原浄水場]
エネルギー効率の高い汚泥焼却炉への更新工事
(2022~2024年度)[中部浄化センター]
また、常光浄水場では、最大のエネルギー消費源である配水ポンプについて、水道水の需要が減少する夜間の運転を停止し、代わりに大原浄水場(配水能力164,600m3/日)からの配水を増やしています。大原浄水場では、取水(秋葉ダム)から配水まで地形の高低差を利用した自然流下方式を採用しているため、常光浄水場のポンプによる配水と比較して大幅にエネルギー消費を抑えることが可能となります。
図表2.3.14 ポンプ不要な自然流下方式
[大原浄水場]
これら取り組みの結果、上下水道施設からの温室効果ガス排出量は、国が示す基準年度(2013年度)と比較して2023年度までに22%削減することができました。
図表2.3.15 上下水道施設からの温室効果ガス排出量と削減率
2024年度には、上下水道施設における再生可能エネルギー(太陽光発電設備)導入の検討調査を行い、妥当性のある施設を選定しました。また、2030年度までの具体的な取組内容を示した「浜松市上下水道事業地球温暖化対策計画」の策定を行いました。
これらの検討結果や計画に基づく取り組みを推進し、上下水道施設から排出される温室効果ガスをさらに削減していく必要があります。
省エネルギー設備へ更新予定の急速攪拌機
[常光浄水場]
省エネルギー設備へ更新予定の遠心濃縮機
[舘山寺浄化センター]
既存の太陽光発電設備 [三ヶ日浄化センター]
(今後、他の上下水道施設への導入を検討)