更新日:2024年5月15日
第5章 分野別施策 3.保健・医療
【基本方針】
障がい・疾病に関する知識等の普及・啓発を図り、早期発見に努めるとともに、身近な地域において、保健・医療・福祉の連携を強化し、支援の提供体制の充実を図ります。
基本施策
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施策
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(1)保健・医療、リハビリテーションの充実
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1)障がい・疾病の早期発見
2)適切な医療、地域リハビリテーションの提供等
3)医療費の助成
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(2)精神保健福祉の推進
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1)精神保健福祉の推進
2)精神科救急医療体制の整備
3)こころの健康対策の充実
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(1)保健・医療、リハビリテーションの充実
【現状と課題】
- 障がいの軽減や重度化・重篤化の防止を図り、障がいのある人の自立を促進するため、保健・医療やリハビリテーションの充実が求められています。
- 乳幼児健康診査の各健康診査の平均受診率は97.1%、就学時健康診断の受診率は98.1%と高くなっています。
- 医療的ケア児等に対して、保健、医療、福祉、保育、教育等の関係機関等が連携し、地域において包括的な支援が受けられるよう、支援体制を構築することが必要です。
【取り組みの方向性】
障がいや疾病の早期発見等により、障がいの軽減や重度化・重複化の防止を図ります。また、適切な支援が受けられるよう、早期発見・早期療育を行う施設の整備や必要な医療費の助成を行います。
また、医療的ケアが必要な人や重症心身障害児者が、心身の状況に応じた適切な保健、医療、福祉、保育、教育その他の関連分野の支援を受けられるよう、関係機関が連絡調整を行うための体制を整備します。
1)障がい・疾病の早期発見
<取り組み・内容>
- 乳幼児健康診査の実施(健康増進課)
各健康診査(4か月・10か月・1歳6か月・3歳)の受診率の向上及び未受診者対策により障がいや疾病の早期発見を進めるとともに、健康診査後の要フォロー児に対する保健指導の充実に努めます。
- 就学時健康診断の実施(健康安全課)
就学予定者に対し、学校生活や日常生活に支障となるような疾病及び異常の疑いについて適切な治療勧告、保健上の助言及び就学指導等を行います。
- 母子健康相談の実施(健康増進課)
発達の遅れや障がいの疑いのある乳幼児の保護者の相談に応じます。また、医療機関・療育機関等の専門機関との連携を緊密にし、保健指導の充実に努めます。
- 「友愛のさと診療所」及び「子どものこころの診療所」の運営(障害保健福祉課)
「友愛のさと診療所」及び「子どものこころの診療所」において、こどもを対象に発達障がいや知的障がいを診療する専門機関として質の高い医療を提供するとともに、地域の教育機関や医療機関、福祉施設その他の関係機関との連携により適切な支援を行います。
2)適切な医療、地域リハビリテーションの提供等
<取り組み・内容>
- 医療的ケア児等の支援に関する協議の場の設置(障害保健福祉課)
医療的ケアが必要な人や重症心身障害児者及びその家族が、必要な支援を円滑に受けることができるよう、保健、医療、福祉、教育等の関係機関が連携し、継続的に意見交換や情報提供を図る協議の場を設置します。
- 医療的ケア児等相談支援センターの運営(障害保健福祉課)再掲
医療的ケア児や重症心身障害児が適切な支援を受けられるよう、情報の提供や助言その他の支援を行う医療的ケア児等相談支援センターを運営します。
- 医療的ケア児の受け入れ体制の整備(幼保運営課、教育支援課、教育総務課)
保育所等や小中学校、放課後児童会において、医療的ケアを必要とする幼児児童生徒に対し、看護師の配置等により、医療的ケア児の受け入れ体制を整備します。
- 医療的ケア児支援者への研修の実施(教育支援課)
医療的ケア運営協議会を開催し、医療的ケアの実施校について助言等を行うほか、配置看護師に対する研修を行うなど、支援者の人材育成を行います。
- 医療的ケア児等支援者養成研修の開催(障害保健福祉課)
医療的ケア児等の支援者を育成します。
- 障がい者(児)歯科診療(浜松医療センター)の実施(病院管理課)
浜松医療センター歯科口腔外科において、歯科治療が困難な障がいのある人へ歯科診療を提供します。
- 障がい者施設歯科健診の実施(健康増進課 口腔保健医療センター)
市内の通所型の障がい福祉施設に出向き、施設利用者の歯科健診、保健指導を行い、定期的にかかりつけ歯科医院を受診することを啓発します。
- 心身障がい者歯科診療の実施(健康増進課 口腔保健医療センター)
歯の健康センターにおいて、「障がい者歯科協力歯科医院」との連携を図りながら、歯科診療を行います。
- 歯科訪問診査の実施(健康増進課 口腔保健医療センター)
在宅療養者を対象に歯科医師が家庭等に訪問して、歯科健診・保健指導・受診指導を実施します。
- 浜松市障がい者歯科保健医療システムの推進(健康増進課 口腔保健医療センター)
障がいのある人が安心して歯科診療が受けられるよう、身近な歯科医療機関での受診を推進します。
- 難病相談の実施(健康増進課)再掲
難病患者を対象に療養上の不安解消を図るために、医療・日常生活・社会生活・経済的問題等について相談に応じます。
- 地域リハビリテーションミニ講座(相談)の開催(障害者更生相談所)
専門的な知識を有する理学療法士が、膝や腰等の痛みを抱える人やその家族を対象に、痛みや不安に関する相談や知識の習得等、在宅でのセルフケアについてサポートします。
3)医療費の助成
<取り組み・内容>
- 自立支援医療の給付(障害保健福祉課、健康増進課)
心身の障がいの状態の軽減を図り、自立した日常生活又は社会生活を営むために必要な医療を給付します。(更生医療、育成医療、精神通院医療)
- 重度障害児者医療費助成(障害保健福祉課)
重度の障がいがある人の医療費を助成することにより、経済的負担を軽減します。
- 未熟児養育医療の給付(健康増進課)
身体の発育が未熟なまま出生し、医師が入院養育を必要と認めた乳児で指定の医療機関に入院した場合に医療の給付を行います。
- 小児慢性特定疾病医療の給付(健康増進課)
国の定める小児慢性特定疾病の患者(18歳未満の人)に対して、該当疾病の治療にかかる医療の給付を行います。
- 難病患者に対する医療費助成(健康増進課)
指定難病(原因が不明で、治療法が確立していない難病のうち、厚生労働大臣が指定する疾病)の患者に対して、指定難病の治療にかかる医療の給付を行います。
- 精神障害者医療費助成(障害保健福祉課)
精神の障がいによって精神科に入院した人の療養に要する医療費の負担を軽減するため、その一部を助成します。
(2)精神保健福祉の推進
【現状と課題】
- こころの健康が保てず、精神疾患にかかる人や、社会生活への適応に困難を生じている人が増加しており、早期の対応とともに、家族も含めた支援が必要です。家族が孤立しないよう、交流の場の提供を行うほか、精神疾患に関する知識や支援サービス等の情報提供を行っています。
- 精神障がいのある人が地域で安心して生活を送ることができるよう、社会的活動の拠点、在宅医療の充実やこころの健康に関する理解促進に取り組むとともに、保健・医療・福祉等の関係機関が連携して包括的な支援の充実が求められています。
【取り組みの方向性】
こころの健康に関する理解促進の取り組みと適切な相談対応を行うとともに、こころの健康が保てるよう専門的な支援を行います。
また、精神障がいの有無にかかわらず、誰もが地域で安心して暮らすことができるよう、地域生活への移行や地域で暮らしていくための包括的な支援体制整備を進めます。さらに、医療中断者・未治療者を必要な支援につなげるため、医療機関と連携した支援を進めます。
1)精神保健福祉の推進
<取り組み・内容>
- 精神障がいにも対応した地域包括ケアシステムの構築(障害保健福祉課)再掲
精神障がいの有無や程度にかかわらず、誰もが安心して自分らしく暮らすことができるよう、保健・医療・福祉関係者による協議の場を通じ、精神科医療機関、その他の医療機関、障害福祉サービスや介護保険の地域援助事業者等との重層的な連携による支援体制の構築を図ります。
- 精神障害者支援地域連絡会の設置及び運営(障害保健福祉課)
措置入院者が退院後に継続的な支援を受けられるよう、精神科医療の役割を含めた精神障がいのある人への支援体制に関して、関係機関等と協議するとともに、退院後支援計画の作成や実施にかかる連絡調整を行います。
- 精神保健福祉相談の実施(障害保健福祉課)再掲
精神保健福祉士、保健師等による訪問、来所、電話相談を行います。
- 中山間地域訪問相談支援事業の実施(精神保健福祉センター)再掲
中山間地域において、主に訪問により、在宅の精神疾患を持つ人及び精神障がいのある人等の相談に応じ、必要な情報提供及び助言、生活支援を行います。
- 各種家族教室の開催(障害保健福祉課、精神保健福祉センター)
精神障がい等のある人の家族のための教室(統合失調症、ひきこもり、うつ病、摂食障がい、依存症)を開催します。医師等による講話や社会復帰に向けた情報提供やグループワークを行います。
- 精神保健福祉関係家族会等連絡会の開催及び活動支援(精神保健福祉センター)再掲
市内にある精神保健福祉に関係する家族会等がお互いの活動を知り、連携の強化を図ることができる場として連絡会を開催します。また、家族会等が自主的な活動を行えるように支援を行います。
- 高次脳機能障がいの相談会の実施(障害保健福祉課)再掲
静岡県が実施する「高次脳機能障害医療等総合相談事業」において、リハビリテーション科等の専門医師、作業療法士、社会福祉士、市職員等による予約制の相談を、静岡県西部健康福祉センターを会場として開催します。
- 精神障害者医療費助成(障害保健福祉課)再掲
精神の障がいによって精神科に入院した人の療養に要する医療費の負担を軽減するため、その一部を助成します。
2)精神科救急医療体制の整備
<取り組み・内容>
- 精神科救急医療体制の整備(障害保健福祉課)
精神疾患の急激な発症や症状の悪化の際に、かかりつけの医療機関に連絡がつかない場合等、早急に医療を必要とする人の受診等に関する相談に応じる体制の確保や、精神障がいのある又はその疑いのある人が迅速かつ適切な医療及び保護が図られる体制の確保を行います。
3)こころの健康対策の充実
<取り組み・内容>
- こころの問題に関する相談の実施(精神保健福祉センター)再掲
特定の分野(ひきこもり、自死遺族、犯罪等被害者、依存問題、摂食障がいの家族、がん患者の家族・遺族等)について、予約制で保健師、臨床心理士、精神保健福祉士が無料の相談を行います。
- ひきこもり相談支援事業の実施(精神保健福祉センター)再掲
ひきこもり地域支援センターにて本人、家族の個別相談を実施します。必要なケースについて訪問支援を行うとともに、ひきこもり当事者の居場所の運営を行います。
- 外国人メンタルヘルス相談支援事業の実施(精神保健福祉センター)再掲
ポルトガル語等によるメンタルヘルス相談窓口を設置し、面接・電話等によるメンタルヘルス相談、精神科医療機関への同行通訳 多言語)、出張相談、通訳者の養成、講習会の開催等を行います。
- 精神障がい者に対する訪問支援(アウトリーチ)の提供(障害保健福祉課)
支援が必要な状況にある精神科未受診の人や治療を中断している人が、医療や福祉サービスなどの必要な支援につながるよう多職種による訪問支援等を行います。
- 依存症対策支援の実施(障害保健福祉課)
依存症等の患者が地域で適切な医療を受けられるよう、静岡県と静岡市と共同し医療提供体制を整備します。
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