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更新日:2019年3月15日

第2章 地域の現況把握(2)

2-2 自然環境

(1)気象

  • 本市は、平均気温16.6℃(平成11~20年平均)、降水量1714.9mm(平成11~20年平均)、日本列島沿岸を北上する黒潮暖流の影響を受け、夏は多雨、冬は乾燥する典型的な太平洋側気候です。最低気温も-2℃前後で、降雪がほとんどありません。年間の日照時間は、おおむね2,200時間を記録しており、これは全国的にみてもトップクラスの水準です。
  • 冬季は「遠州の空っ風」と呼ばれる北西の強い季節風が吹き、気温以上に寒く感じられます。

(2)地形・地質

  • 本市は、急峻な南アルプス西南部の山地部から中山間地域を経て天竜川下流域の平地に続き、遠州灘に至る地域です。平地部には中心的都市部が形成され、その西には浜名湖が広がる、海・山・川・湖の多彩な自然に恵まれています。
  • 北部は、2000m級の急峻な山岳地形と、天竜川が形成した侵食谷からなります。南下するに従って緩斜面地や河岸段丘が次第に多くなり、丘陵地へと続いています。その南には、天竜川の扇状地が隆起して形成された三方原台地が広がり、台地から南は海食崖、東は河岸段丘を経て天竜川の沖積低地へつながり、遠州灘に面する海岸部には砂丘や砂州が広がっています。
  • 山地部は、フォッサマグナ西端の第三紀の堆積や中央構造線の西側の中生代の領家変成岩類、中央構造線東側の三波川帯の変成岩類が分布しています。山地の下部から丘陵地にかけては、斑れい岩・輝緑岩が分布し、秩父古生層の石灰岩も分布しています。南の平地部は全体が砂礫や粘土の堆積物となっています。三方原台地の中位段丘は、表面を酸性の強い地味のやせた赤土で覆われ、沖積平野は礫、砂、シルト、粘土などの軟弱なものとなっています。

地形区分

図2-2 地形区分
資料:緑の基本計画基礎調査

 

地質区分

図2-3 地質区分
資料:浜松市緑の基本計画基礎調査

(3)水環境

1)河川・水系

  • 水系は、一級河川天竜川水系、二級河川都田川水系と馬込川水系に分けられます。河川は、一級河川41本、二級河川29本、準用河川197本が流れています。
  • 天竜川は日本屈指の急流河川です。市内を流れる延長は95km、支流は42河川であり、市内天竜川水系には4つのダムが建設されています。
  • 馬込川は浜名用水の終点を起点とする河川で、流路延長23,230m、流域面積65.15平方キロメートル、平坦地を流れるため流路勾配は緩やかです。
  • 都田川は引佐町の鳶巣山を源とする、流路延長49,940m、流域面積約118平方キロメートルの河川です。上流部に都田川ダムが建設されています。

2)湖・ため池・湧水

  • 湖は、汽水湖の浜名湖とこれに付属する庄内湖、引佐細江、猪鼻湖、そして佐鳴湖があります。ダム湖は、佐久間ダム、秋葉ダム、船明ダム、水窪ダム、都田川ダムがあります。
  • ため池は、浜北区から北区の丘陵地に点在しています。
  • 湧水は、北部山地、丘陵地や三方原台地の裾などに見られます。

3)水質

  • 天竜川、馬込川の水質は、環境基準を達成しており、良好だといえます。
  • 都田川水系の都田川、伊佐地川の各測点で環境基準を達成していますが、新川志都呂橋では達成されていません。
  • 浜名湖の水質は、閉鎖性の強い水域である猪鼻湖、引佐細江、庄内湖の全窒素が高濃度となっています。
  • 佐鳴湖の水質は、平成13年度から6年間、全国湖沼水質ランキングでワースト1位となっていましたが、水質浄化の取組により、平成19年度以降は改善傾向がみられます。

水系図

図2-4 水系図

(4)植物

1)植生分布

  • 本市は暖帯の常緑広葉樹林帯に位置していますが、山地から海岸までの微気候や地形等により多様な植生が見られます。
  • 天竜川本流・支流の山林のほとんどは、天竜美林と呼ばれるスギやヒノキの植林で、一部に自然林が分布しています。
  • 大栗安や久留女木などの丘陵地には、棚田が保全されています。棚田は、階段状の湿地、水路、周囲の樹林等により構成され、それぞれの環境に適した植物が生育しています。
  • 三方原台地の緑辺部は段丘斜面となり、コナラ等の二次林が見られます。
  • 遠州灘沿いの砂丘地はクロマツ植林が広がり、ハマエンドウ、ハマヒルガオなどの海浜植物が見られます。
  • 天竜川沿いにヤナギ林などの河辺林や河辺草地があります。

2)貴重な植物群落

  • 天然記念物に指定されている貴重な植物群落は、京丸のアカヤシオ及びシロヤシオ群生地、テンダイウヤク群落地、龍山のホソバシャクナゲ群落、渋川のシブカワツツジ群落、浦川のホソバシャクナゲ群落、三ヶ日鵺代(乎那の峯)のマンサク群落があります。
  • 静岡県版レッドデータブックが選定する10箇所の「今守りたい大切な自然」のうち、本市では、雨生山の蛇紋岩地(湿地の植物相)、天竜川河口と周辺の湿地(海浜植物、水湿生植物)、都田川河口とその付近(ヨシ原と希少植物)の3箇所が選定されています。
  • 御陣屋川、安間川などの天竜川下流の静水域や湿地では、ヤマトミクリの生育が確認されています。ミクリは水田の周辺の水路などに普通に存在する植物でしたが、基盤整備や水路の改修、あるいは除草剤などによって少なくなった植物です。
  • 浜北区の県立森林公園は、広大な丘陵地にアカマツ林が広がり、暖地性植物の下木が見られ、中でも、ヤマビワ、カナメモチ、タマミズキ、ガンピは静岡県西部を東限とする植物です。
  • 三方原台地が形成する谷には豊富な湧水があり、ため池、谷津田、湿地、斜面緑地が一体となった農村環境が形成されていましたが、開発による生育地消失、里山の手入れ不足や竹林の拡大、耕作放棄地の増加などの問題が見られます。富塚地区に残された湿地帯では、ミカワバイケイソウ、ナガボナツハゼ、カザグルマ、サクラバハンノキ、キンランなどが保全されています。
  • 市域南部の低地では、池沼の開発や水路整備、水質汚濁、除草剤の使用等により、ヒメビシ、オニバス、ミズアオイ、ノウルシ、タコノアシなどの絶滅が危惧されています。

3)外来種

  • 一部の外来種は繁殖能力が高く、在来種の駆逐、交雑による遺伝子の撹乱といった生態系への影響や、用排水路、ため池、調整池及びその周辺での爆発的繁殖による通水障害、枯死した個体の堆積による水質汚濁などが懸念されます。
  • 外来生物法により、国内では12種類が特定外来生物に指定され、市内ではアレチウリ、オオキンケイギクなど7種が確認されています。要注意外来生物には、国内で84種が指定されており、市内ではホテイアオイ、オオカナダモなど49種が確認されています。

(5)動物

1)生息状況

  • 本市北部には、アマゴ、イワナなどの魚類や、ニホンカモシカ、ニホンザル、ニホンジカ、イノシシ、タヌキ類といった哺乳類、オオタカ、サシバなどの猛禽類などが生息しています。
  • 本市は天竜川の中流部と下流部に位置し、環境に適した水生生物が生息しています。
  • 市北部の大栗安や久留女木などの棚田には、ゲンジボタルやタイコウチなどが見られます。
  • 三方原台地が形成する谷津田や湿地には豊富な湧水があり、ホタル類、トンボ類、甲殻類、両生類、爬虫類、哺乳類の生息が確認されています。
  • 浜名湖は、ウナギなどの魚類を中心に700種以上の魚介類が確認されているほか、カモ類、カモメ類、サギ類などの野鳥の飛来地として有名です。引佐細江、猪鼻湖でも見られます。
  • 天竜川や馬込川の河口は、魚類、鳥類の多様性が高く、干潟特有の魚類も生息しています。年間約80種の鳥類の憩いの場となっています。
  • 耕作放棄地が増加し、里山環境の変化により、鳥獣被害が増加する状況にあります。

2)貴重な動物

  • ニホンカモシカは国の特別天然記念物に指定され、計画的な保護管理が行われています。
  • 天竜区や北区の山地は、オオタカ、サシバなどのワシタカ類の繁殖や渡りの場ですが、里山や谷戸の減少により生息適地が減少しています。
  • 北区と天竜区の境の枯山地区には、里山の春の妖精と呼ばれるギフチョウが生息しています。しかし、幼虫の食草となるカンアオイ類が生育する雑木林の衰退や乱採集による減少が懸念されています。
  • 天竜川やその支流では、カワバタモロコ、アカザ、スナヤツメ、スジシマドジョウ、メダカ、などが確認されています。これらの魚類は、かつては広く生息していましたが、生息環境の悪化や分断、水路のコンクリート化、外来種による捕食や交雑などにより減少しています。
  • 天竜川の河岸には、クロツバメシジミ、ミヤマシジミといった蝶が生息しています。食草・産卵場所となるツメレンゲ、コマツナギといった河川敷に生育する植物が、砂礫地の減少やオオキンケイギクなどの外来種の侵入等により減少したため、絶滅が危惧されています。
  • 静岡県版レッドデータブックが選定する10箇所の「今守りたい大切な自然」のうち、3箇所が本市に位置します。雨生山の蛇紋岩地にはヒメヒカゲなどの昆虫類、天竜川河口と周辺の湿地にはアジサシなどの鳥類やウツセミカジカなどの魚類、都田川河口とその付近ではハヤブサなどの鳥類、ヤリタナゴなどの魚類、ダルマガエルなどの両生類、ヒヌマイトトンボ、マツカサガイなどが見られます。
  • 遠州灘海岸には、アカウミガメやコアジサシが見られます。しかし、アカウミガメは産卵する砂浜の減少、車両の進入、付近の照明、コアジサシは営巣する中州の減少などが脅威となっています。

3)外来種

  • 一部の外来種は繁殖力が強く、在来種を捕食し、餌や生息環境を奪い、交雑による遺伝子汚染を進行させ、種の多様性を脅かす存在となっています。
  • 外来生物法により、国内では84種類が特定外来生物に指定され、要注意外来生物には64種類が指定されています。市内では、ウシガエル、アライグマ、タイワンリス、ブルーギル、オオクチバス、ソウシチョウの6種の特定外来生物が確認されています。

主な自然環境資源の位置図

図2-5 主な自然環境資源の位置図

 

 

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