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HMK Nexus株式会社
代表取締役社長 内田 貴啓 氏
物流と先端技術を融合し、新たなサービスの創出に取り組むHMK Nexus株式会社。物流の最終段階であるラストワンマイル配送の効率化や、物流DXを推進するとともに、買い物支援や防災など、物流を通じた地域課題の解決を目指しています。
天竜川水系に整備されたドローン航路を活用し、中山間地域の患者さんへオンライン診療の処方薬を即日配送するサービスを提供しています。これまでは処方薬が手元に届くまでに3日ほどかかっていたため、感謝の言葉を多くいただいています。また、本コンソーシアム会員企業のフジヤマさんから依頼を受けて、配送飛行の際にカメラで河川の様子を撮影し、災害対策にも役立てています。使用する固定翼ドローンは最大50kmの長距離飛行が可能ですが、乗せられる荷物は1kgまでです。大量の荷物が運べない代わりに、複数の目的を組み合わせた運用方法を常に検討しています。
離発着地点の電波調査を実施している様子
オンライン処方薬の配送に向けて、約50ヵ所の緊急着陸地点の確保が必須でした。緊急着陸地点には民間地の協力が不可欠で、まず浜松市が関係自治会に向けて説明会を開き、その後、私たちが地主さんを訪ね、説明を重ねました。実は、緊急着陸地点として登録されることにより、万が一災害で道路が寸断された場合でも、その地点までは確実に支援物資を届けられます。こうした利点に共感を得られたこともあり、高い協力率を得られました。ドローン物流というとスマートに聞こえるかもしれませんが、実際にはこうした地道さや熱意が必要です。民間の事業者だけでは得づらい地域の協力も、行政と連携することにより実現しています。
医薬品を診療所へ届ける様子
今後は事業の採算性を確保し、ドローンを飛行させるために必要な各種規制をクリアしていくという課題に挑みます。私たち物流事業者としては「荷物を集めること」が重要です。より重いものを運べる機体を導入し、処方薬だけでなく、地元スーパーと協業して食品を運ぶビジネスモデルを確立します。現在運行しているレベル3.5(補助者なしでの目視外飛行)での飛行に関する知見を積み重ね、いずれは有人地帯で補助者なしの自動飛行を行うレベル4による事業化の先駆けを目指しています。
私たち物流業界は運転手不足、自治体には中山間地域の物資供給の途絶の懸念など、お互いに大きな課題を抱えています。こうした課題解決のビジネス化こそがコンソーシアムの役割であり、行政や他企業との情報・課題の共有が重要です。持続可能な物流サービスを構築するためには、単独ではなく多目的で運用する「共創」の枠組みが不可欠。参画した企業が手を取り合い、それぞれの事業継続に役立てながら、共に地域課題を解決していくことに期待を寄せています。
2026年7月1日