更新日:2024年5月13日
大規模事故対策編 第2章 道路事故対策計画 第3節 災害応急対策計画
【災害対策本部事務局、消防局、健康福祉部(医療担当・保健所)、土木部】
- 大規模な道路事故が発生した場合の災害応急対策について定める。
1 情報の収集・伝達
- 道路災害発生の通報を受けた場合は、関係機関に内容を連絡する。また、災害報告取扱要領(※1)に基づき、消防庁へ報告を行う。
- 災害の発生状況及び被害の状況を収集し、把握できた内容を関係部局、その他関係機関と共有する。迂回路などの情報と併せて随時道路管理者のホームページに掲載するとともに、市は広報活動を行う。
- 市、県及びその他防災関係機関は、被災者の家族等のニーズを十分把握し、道路災害の状況、安否情報、医療機関などの情報、それぞれの機関が講じている施策に関する情報、交通規制等被災者等に役立つ正確かつきめ細やかな情報を適切に提供する。
【情報連絡系統図】

2 応急体制
(1) 市の体制
≪事前配備体制≫
- 事故の連絡を受けた市は、関係機関等から情報を収集し、事故の状況に応じて、事前配備職員の配置、関係課職員の参集等の初動体制の確立のために必要な措置をとる。
処理事項 |
- 初期情報の収集・整理(危機管理課、各区区振興課、各行政センター、各支所)
- 消火活動に関する応援体制の確立(消防局)
- 救助活動に関する応援体制の確立(消防局)
- 現場救護地区の設置及び負傷者搬送に係る調整の検討(健康医療課)
- 災害対策本部設置の検討(危機管理課)
- その他必要な活動の検討
- 消防庁への報告(消防局)
- 広報に関する事項(広聴広報課)
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≪災害対策本部≫
- 連絡を受けた事故が、多数の死傷者等を伴う大規模事故又は大規模事故に移行するおそれがある場合は、市は災害対策本部の設置を協議する。
- 市長(本部長)が災害対策本部の設置を決定した場合において、人命の救助その他の災害応急対策を迅速に実施するため、必要と認めた場合には、現地災害対策本部を設置する。
処理事項 |
- 防災対策の総合調整(災害対策本部事務局)
- 死傷者の捜索、救出、搬出及び災害現場の警戒並びに搬送等の調整(警備部)
- 医療に関する連絡調整(保健医療調整本部)
- 遺体の措置(遺族・遺体部)
- 道路の応急復旧(土木復旧部)(※5)
- 消火活動(警備部)
- 被災者の救出、救護(警備部)
- 負傷者の医療機関への搬送(警備部)
- 行方不明者の捜索(警備部)
- 情報収集、発信、広報(災害対策本部事務局)
- 関係機関への支援要請(災害対策本部事務局)(※6)
- 二次災害等発生防止措置(警備部)
- 消防庁への報告(警備部)
- 広報に関する事項(災害対策本部事務局)
- その他必要な活動
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≪現地災害対策本部≫
処理事項 |
- 消火活動に関する調整(警備部)
- トリアージ及び救急医療活動に係る調整(保健医療調整本部)
- 負傷者搬送に係る調整(警備部)
- 負傷者数の把握及び搬送先医療機関等に係る調整(保健医療調整本部)
- 被災者情報に関すること(区本部)
- 広報に関すること(災害対策本部事務局)(※7)
- 遺体措置に関する調整(遺族・遺体部)
- その他必要な活動
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(2) 防災関係機関の体制
≪処理事項≫
道路管理者 |
- 負傷者の救助及び消火活動の実施のために必要な協力
- 主要交通路(迂回路)の確保
- 災害時における通行の禁止又は制限
- 道路施設の応急復旧活動に関すること
- 道路の応急復旧
- 類似災害の再発防止のための被災箇所以外の道路施設に関する緊急点検の実施
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県 |
- 防災対策の総合調整
- 情報収集、発信、広報
- 関係機関への支援要請
- 自衛隊への災害派遣要請
- 海上保安庁への支援要請
- 消防庁、他都県等への支援要請
- 医療機関等への協力要請
- 消防庁への緊急消防援助隊の出動要請
- その他関係機関への応援要請
- 二次災害等発生防止措置
- 消防庁への報告
- 広報に関する事項
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県警察 |
- 災害関係情報の収集及び伝達
- 被害実態の早期把握
- 負傷者等の救出救助
- 緊急交通路の確保等交通上の措置
- 避難誘導及び二次災害の防止措置
- 検視及び行方不明者の捜索
- 県民の安全確保と不安解消のための広報
- 関係機関の行う災害復旧への協力
- その他必要な警察業務
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建設事業者 |
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3 危険物等の流出・散乱に対する応急措置
- 危険物等の流出が確認された場合、又は流出が想定される場合は、化学物質漏洩事故対応マニュアル(※8)に基づき、以下の措置を行う。
(1) 拡散防災措置等
区分 |
内容 |
流出危険物の拡散の防止及び除去 |
- 警察及び消防は、危険物等の運搬車両に備えてあるイエロー カード又は運搬車両所属事業所から流出危険物の名称、性状、毒性等の状況を把握する。
- 輸送業者及び消防、警察、道路管理者は連携して、危険物の防除作業を実施し、拡散防止に努める。
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二次災害の防止 |
- 消防機関等は、流出危険物から発生する可燃性ガス及び有毒ガスの検知を行うとともに火災等の防ぎょに努める。
- 流出危険物による飲料水汚染の可能性がある場合には、県及び河川管理者等は、水道水取水機関に直ちに連絡し、取水制限等の措置をとる。
- 流出危険物による河川海域等の公共用水域、地中及び大気汚染の可能性がある場合には、河川管理者及び保健所等は必要に応じて環境調査を実施する。
- 必要に応じて付近住民等の避難誘導等を行う。
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(2) 住民の安全確保
- 市は、危険物が流出した場合に有毒物質等の拡散等により影響のある地域に対して、付近の住民などの避難、区域への立入禁止等の必要な措置を行う。また付近の住民などを避難させる際には、安全な地域に緊急避難場所を開設する。
- 災害の概要及び警戒区域の指定状況、規制の内容(※9)の情報を広報する。
- 危険物の処理が終了し、安全が確認された場合、速やかに警戒区域を解除するとともに、その旨広報する。
1 昭和45年4月10日付消防防第264号
※2 中部地方整備局浜松河川国道事務所
※3 日本赤十字社静岡県支部
※4 危機管理課、広聴広報課、健康医療課
※5 「共通対策編 第3章 災害応急対策計画 第24節 交通応急対策計画」に準じる。
※6 県を通じた要請が基本。
※7 緊急を要する事項
※8 静岡県危険物運搬車両事故防止等対策協議会編
※9 「中毒危険」、「退去命令」、「火気の使用禁止」等