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更新日:2022年3月31日

小ぐまのパン屋さん

パンを焼く杉本さん

町中が遊び場。それが大きな心を育てるんだ(PDF:322KB)

田舎のパン屋さん

春野町地区。12月初旬の朝5時はまだ暗い。杉本祐美(すぎもとひろみ)さんが営むパン工房”オルセット”では、パン作りが始まる時間だ。
愛犬クルもお目覚め。「おはよう」と声を掛ける。「後でお出掛けね」クルは遊びたいけれど少しがまん。お仕事早く終わらないかな。そんな顔で見つめているクルは、ケージの中で少し寂しそう。
結婚をきっかけに春野で暮らすことになった杉本さん。3人の子供を育てながらできる仕事は無いか。とても悩んだそうだ。
「子育てが第一。それは譲れませんでした。子供が大人になるまでの時間はとても短いものなので、少しでも一緒にいることができればと思っていました」
そんな中、杉本さんは以前スクールヘルパーをしていた時の経験からアイデアを得たそうだ。
「小学生の子供たちに朝ご飯はパン?ご飯?と聞いてみたんです。そしたら半数ぐらいがパンを食べてて。ご飯が多いと思っていた私は驚いたんです。そこで思いついたのがパン作り。以前習っていたこともあり、これなら子育てしながら仕事ができると思ったんです」

パンと笑顔の届け先

「パン作りを始めたことで、市民講座の講師をさせてもらったり、イベントに参加させてもらったり交流も広がりました」
今では、春野町内のカフェや会社などの販売先が増え、時には町外からの注文も受け入れているそう。
そんな杉本さんが欠かさない訪問先がある。天竜高校春野校舎。以前、春野校舎に勤務していた先生から「昼休みにパンを販売してみてはどうか」と紹介してもらったことがきっかけ。
「昼休みになると、生徒さんがパンを買いに来てくれます。毎回お話しに来てくれる生徒さんもいて、パンを届けながら私が元気をもらってる感じです」
春野校舎の猿田先生は「生徒が楽しそうに話しをしながらパンを選ぶ姿がとても印象的。杉本さんの人柄につい笑顔になります。ありがたいですね」と、にこやかに語る。
周辺の商店が減少する中、生徒からの人気が高いパンの販売に、春野校舎の皆さんも喜んでいる。

春野で子どもを育てるということ

「子供たちは、社会に出れば大勢の人と関わっていくもの。田舎の学校は人数が少ないから社会に順応できないんじゃないかと心配する方もいると思いますが、そんなことは無いんです」と、杉本さんは言い切る。
そして、春野で子育てをする醍醐味(だいごみ)を続けて教えてくれた。
「春野の子供たちには、学校生活で一人一人に役割があります。その経験があるから、大勢の中に飛び込んで行ったとき、自分の意見をしっかりと言える子になるんです。地域のみんなが見守ってくれている実感。町中が遊び場。それが大きな心を育てるんだと思うんです。私の子供たちが町外へ進学した時、そう思いました」
町中の人が応援してくれているような感覚。田舎に住むことの素晴らしさを実感する瞬間だ。

これからもずっと

お店の名前「オルセット」は小ぐまという意味があるそう。3人の我が子をかわいい小ぐまに見立てて名付けた。
これからも杉本さんは気負わずマイペースにパンを焼く。

窓から見てる子ぐまが3匹。

気付いてるけど気付かないふり。

パン生地にたっぷり愛を練り込んで、今日のパンの出来はいかが?

パンに包むは具材と優しさ。

これが杉本さん家の天竜の暮らしかた。

 

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