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更新日:2022年3月31日

香る里山の味覚

ゆずを見やる三郎さん

昔ながらのやりかたで、いままでも、これからも。(PDF:356KB)

香り、色づく山肌

「あっちの山に黄色いのが見えるでしょう。あれもそう。道路の上に見えるのも、下のほうに広がっておるのもそう。全部”ゆず”の木」
眼下に広がるゆずの木々を指差しながら教えてくれたのは、ゆず園を管理している西尾三郎(にしおさぶろう)さん。
水窪町竜戸(りゅうと)地区でゆずの加工食品を販売する「芝垣ゆず園」を夫婦で営んでおり、三郎さんは主にゆず園を管理し、妻のふくよさんが商品の加工を行っている。
「俺の仕事は(木を指差しながら)これの面倒を見ること。商品のほうは女房に聞いてくれよ。女房が一番わかっとる」そう言って三郎さんは、おもむろにゆず園に立ち入ると、高枝ばさみでゆずを収穫し始めた。
「うちのゆずは薬を使ってないでな、皮がでこぼこしてる。スーパーで売ってるような美人じゃあないが、それが良いって人がいるもんでな」収穫したゆずを手に笑う三郎さん。
ゆず園の管理を始めたのは平成16年のこと。ふくよさんの実家が営んでいた事業を受け継いだのだという。

引き継がれる想い

「女房の在所がゆず園をやってたころから50年くらいは経ってる。静岡県で一番ゆずを育ててた時もあったぞ」誇らしげに語る三郎さんは、元々会社の勤め人。
農業経験はほとんどなく、一から勉強を始めたとのこと。それまでの人生で、全くと言って良いほどに関わりのなかった農業の世界。
なぜゆず園を引き継いだのか気になり、三郎さんに聞いてみた。
「昔から大事に続けてるもんだから、受け継がなきゃならんよな。これが好きだっていうお客さんもいるし。ここのゆずが欲しいなんて言われりゃ、嬉しいよな」
「うちでゆずを買ってった人は皆、ゆずはうちのが一番なんて言う」「案外、昔ながらのやり方が、生き残る道かもしれん」そう言いながら、ゆずの木を見上げる三郎さん。
その横顔は、まるで我が子を見るように優しい表情だ。

夫婦、二人三脚

次に「芝垣ゆず園」の加工場へ足を運んだ。
入り口から加工場をのぞき込むと、ふくよさんが愛嬌のある笑顔で迎え入れてくれた。
「うちの商品は、全部手作業。とにかく、全部自分たちでやりたいんです」そう語るふくよさん。加工場に並べられた商品は、ゆず味噌、ゆず酢、ゆず南蛮…とにかく、種類が多い。
ほかにも、ゆずの中身をくりぬいて味噌を詰め、乾燥させる「ゆべし」など、様々な商品を手作業で加工している。
「材料も地の物にこだわって、一から作ってます。私も作るのが楽しくて、新しい商品をどんどん作っちゃうから、お父さんにラベルを作るのが追い付かないって、怒られちゃった」
聞くと、三郎さんが育てているゆずを始め、商品の材料は地元産にこだわっているとのこと。
「あんまり市販のものを入れないから、お客さんからは”横文字がないから安心”なんて言われます」商品を手に、笑顔で語るふくよさん。
癖のない、昔ながらの優しい風味は、お客さんにも好評のようだ。

三郎さんが丹精込めて作ったゆずを、ふくよさんが加工する。抜群のコンビネーションで生み出される商品の数々は、今日も人々を笑顔にしている。

 

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