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更新日:2022年3月31日

はるの山の給食

ジビエ加工に取り組む様子

山の恵みができるまで、そのストーリーを伝えたい。(PDF:361KB)

やっかいな生き物

市街地にイノシシが出没などと最近耳にするようになった。農作物の鳥獣被害。山や畑を荒らす厄介者。シカやイノシシは今や迷惑な生き物の代表のようだ。
地域住民は口を揃えて「子供のころはシカもイノシシも見たことが無く、畑を守る電気柵などなかった」と言う。
しかし今では、夜道を車で走れば簡単に出会ってしまうほど、動物との距離が近くなっている。

聞きなれていた音

子供のころ、聞きなれた音がある。「ウィーン」はチェーンソーで木を切る音。「コンコン」は木の枝を掃う音。「おーい」は近所のおじさんの声。あちらこちらで聞こえた音が、今はとても少なくなった。
走り回った林は真っ暗で、わらびやふきのとうを採った場所は高い草で覆われている。そこに現れたのがシカやイノシシだ。彼らにとっては、エサが豊富で、寝床としても最適。
かつて人が山に木を植え、畑を耕しすみかを広げたように、動物たちが里にまですみかを広げているのだ。

ジビエを特産品に

春野町杉地区でジビエを特産品にする取り組みが始まった。
狩猟が盛んで、動物と共に暮らしてきた仲間が、これからも動物と共に生きていくために、捕獲したシカやイノシシの肉を加工販売し特産品にしようと立ち上がったのだ。
加工施設「ジミート」を運営する天野進さんは、現役の猟師。「山の恵みを余す事なく利用したい」と意気込む。
「ここのジビエはね、どんぐりなどの豊富なエサを食べてるからすごく美味いんだよ。これを買ってくれた人にね、このジビエが育つまでのストーリーを伝えたい。春野を思い浮かべながら料理をして、食べてくれたら最高だね」
山に生きる人の息づかいを感じてほしい…。そんな気持ちが伝わってくる。

地元の子供たちに届けたい

開業して2年。開業当時からジミートが研究してきたのは、給食への食材提供。地元の子供たちに、地元食材を届けたい。その想いが平成31年1月に実現した。学校給食にジビエが使われたのだ。
「土地柄、ジビエを食べたことがある子供が多い地域ですが、子供たちはとても楽しみにしてくれています」と、春野学校給食センターの調理員さんも張り切る。
当日のメニューは”ジビエカレー”。スパイシーな香りがあたり一面に漂う。出来立てのカレーは、すぐに、給食車で学校へ届けられた。

給食の時間

正午の合図とともに、気田小学校では、給食の準備が始まった。
配膳係の事前チェック。「手を洗いましたか?」「洗いました」「おなかの痛い人はいますか?」「いません」カレーの匂い漂う中、元気いっぱい答える児童。みんな大好きなカレー。はやる気持ちが抑えられない。
配膳が終わり「いただきます」の合図とともに口いっぱいにカレーを頬張ると満面の笑み。
「お肉おいしいね」と、会話が弾む。
空っぽの容器を前に「カレーおいしかったですか?」と聞いてみたところ、全員が「はーい」と、当然のように元気いっぱいに手を挙げてくれた。
故郷には美味しいものがたくさんあって、いつでも楽しめること。それは、ただ食べるだけでなく、見たり、触ったり、時には怖さも教えてくれる。
「ここで育ち、生きることのストーリーをこれから出会うたくさんの人に伝えて欲しい」
ジミートの皆さんが伝えたい想いは、子供たちへしっかりと受け継がれていく。

 

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