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更新日:2020年3月26日

門松を建てる人たち

曲がったような竹じゃ、話にならない。(PDF:270KB)

仕事のスタイル

太い竹を肩に担いで運ぶ人12月10日、朝8時。
20人ほどの仕事人が集まった。
ヤッケに帽子、兼帯に地下足袋は、このまちで働く男たちのスタンダードスタイルといっていい。各人の好みでヤッケの色使いが変わるくらいだ。彼らの今日のミッションは、直径15センチはあろう孟宗竹を竹やぶから切り出すこと。竹は、門松を作るために使われる。

竹林に入った男たち。ある者は、けたたましいチェンソーの音を立て、またある者は鉈や鋸を振い、野太い獲物を仕留めにかかる。前日のうちにまっすぐな竹には目印をつけた。「曲がったようなヤツじゃ、いい門松にはならない」と仕事人の一人はいった。作るからには出来にこだわる。次第に先ほどまで暗かったやぶに、光が差し込んできた。

門松づくりは、容易ではない。
松、竹、梅。今ではなかなか手に入らず、揃えるのにひと苦労だ。竹だけはそこらじゅうで余っているが、やぶから持ち出すまでが大変な作業だ。仕事人たちは70代が中心。「そろそろ若い衆らに手渡さなきゃいかん」と口にする人もいる。しかし、作業する姿は現役そのもの。肩に重い竹を担いで歩く背中には、何ともいえない説得力がある。

品のある仕事

区役所の玄関前で門松を建てる人たち12月19日、この日も朝8時。
天竜区役所の玄関前で、門松を建てる作業が始まった。高さ2メートルを超える門松づくりは、毎年恒例のもの。これは全て仕事人たちの善意によるものだ。この日は、区役所のほかにも、小学校や中学校、警察署などの玄関が、仕事人の手によって、一足早く正月の装いに一変した。
作業は、実に手際が良い。そして、ここでも出来栄えにこだわる。きっちりとした仕事が彼らの信条だ。「今年は、センリョウが見事だな」と一人がいうと「こりゃあいい。あるのとないのじゃ全然違う」とみんなが口を揃える。わずかな差し色だが、その分量も品良くと、何度も刺しては抜きと調整された。竹を縛った縁起物の海老結びが正面を向き、一対の門松が見事完成した。
「これで無事、正月が来るよ」とは、作業を終えて出たひと言だ。

仕事人たちは「阿多古川環境保全協議会」の面々。
誰かのために汗を流すことをいとわない、お手本のような人たち。

朝陽に照らされた門松

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浜松市役所天竜区区振興課

〒431-3392 浜松市天竜区二俣町二俣481

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