緊急情報
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更新日:2020年3月26日
全国各地で広がり続ける「放置竹林」。
景観の悪化や他の植物や野生動物への影響、土砂災害の危険性の増加など、さまざまな問題を引き起こす要因として懸念されています。
天竜区においても、放置竹林対策は地域の課題の一つであることから、今回、住民の皆さんたちの力を借りながら、解決の糸口を見つけようという実験を行いました。
題して「てんりゅう暮らしの小実験」。果たしてその結果は?(PDF:304KB)
私たちは、地域の課題となっている放置竹林の竹を「資源」と捉え、これを必要なものに変えられる方法を考えてみました。そのための「装置」を動かす仕組みは、天竜区内に住む人たちの暮らしの知恵と、これに協力してくれる人々の力。我々の仮説どおりにいけば、竹から野菜が生まれるはずです。
放置竹林の伐採(竹林ボランティア「タケのネ」)
天竜区龍山町白倉地内の放置竹林で伐採作業をスタート。白倉地区は、区内の他の地区同様、高齢化などにより、管理が行き届かなくなった竹林が広がり始めていました。今回は、竹林ボランティアとして同町内で活動をしている「タケのネ」の皆さんが、竹林整備する機会に合わせて、竹の提供を協力を依頼。この日は、市内外から10人が参加し、作業に汗を流しました。整備前には暗かった竹やぶも、みるみる日が差し込み全く別の景色に。堆肥の原料として、軽トラック1杯分の竹を譲り受けました。
竹チップづくり(浜松市フルーツパーク、天竜区役所職員)
「タケのネ」の皆さんから、竹のバトンを預かって、およそ1カ月が経過。竹がある程度乾燥した頃合いを見計らって、天竜区役所の職員の手で、竹の破砕(竹チップづくり)を行いました。木材などと比べて、繊維が強くチップにするのが難しい竹。今回は、竹専用の破砕機を所有している浜松市フルーツパークまで竹を持ち込み、作業を実施しました。破砕機を通った竹は「バキバキバキ」という音とともに、勢いよくチップ状に。余った竹の一部を使って、区役所窓口用のペン皿も試作品として作りました。
竹の堆肥化(エコピュア佐久間)
チップ状になった竹を持って、一路、天竜区佐久間町浦川へ。この地区で20年にわたって、家庭の生ごみ堆肥化活動に取り組んでいる市民団体「エコピュア佐久間」の皆さんに竹チップを託しました。粉末状であれば、分解が早い竹ですが、今回は、やや荒めの竹チップ。堆肥化を促すボカシと竹チップを直接、畑の土に混ぜ込み、同時に野菜の種も蒔きました。後は、ゆっくりと自然に返ることを願って冬の間、待つだけ。「きっと大丈夫。ちゃんと堆肥になって、春になったら、野菜ができますよ」との声に励まされました。
竹が野菜を育てる土に!
夏の終わりから始まった天竜区をフィールドにしたこの実験。龍山町の竹林から切り出した竹は、形を変えながら浜松市フルーツパーク、佐久間町を経て土(堆肥)となり、見事、野菜を育てる栄養分となりました。「放置竹林」と呼ばれ、悪者のように呼ばれる竹は、使い方次第で、資源として活用できます。もちろん、今回の実験でいえば区民の皆さんの知恵や協力があってこそ。この他にも、天竜区では竹を活用した生活の知恵がたくさんあります。これについては「続・てんりゅう暮らしの見本帖」(竹とともにある暮らしのインタビュー)にてご紹介します。
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