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更新日:2025年11月19日

第1章 地球温暖化の現状と国内外の動向

1 地球温暖化とは

地球温暖化は、人類の活動によって引き起こされている地球規模の気候変動です。二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの濃度が増加することで、地球の平均気温が長期的に上昇する現象を指します。

温室効果ガスが空気中に適度に存在することで、太陽から届いた熱の一部が地球に留まり、宇宙へ逃げることを防いでいます。もし温室効果ガスがなければ、地表の平均気温はマイナス19℃程度になっていましたが、温室効果ガスがあるおかげで適度な温度に保たれていました。

しかし、産業革命以降、石炭や石油などの化石燃料の燃焼やセメントの製造など、人類の活動が活発になったことで、大気中に大量の温室効果ガスが放出されるようになりました。

その結果、以前は大気圏外に放出されていた太陽光による熱を温室効果ガスが吸収するようになり、地球規模で急激な気温上昇が起きています。

1_1温室効果ガスと地球温暖化メカニズム

出典 全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト(https://www.jccca.org/)より

図表1.1 温室効果ガスと地球温暖化メカニズム

2 地球温暖化によって引き起こされる現象

世界平均地上気温が上昇するにつれて、ほとんどの陸域で極端な高温がより頻繁になる一方で、冬季の極端な低温の発生は継続し、気候の極端化が進みます。

これらの気候変動は、食料生産や水資源、人間の健康へ影響を及ぼすほか、台風の猛烈化・暴風雨・干ばつなど極端な気象の変化、内陸部・沿岸域の氾濫、海面水位の上昇など、人間の暮らしや経済活動、生態系にとってのリスクを増大させると予測されています。

1_2複数の分野地域におよぶ主要リスク

出典 全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト(https://www.jccca.org/)より

図表1.2 複数の分野地域におよぶ主要リスク

 

3 気候変動対策

気候変動対策は、「緩和策」と「適応策」に分けられます。

「緩和策」は、省エネルギーの推進や再生可能エネルギーの導入などにより、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出を抑制し、地球温暖化の進行を緩和する取組です。

「適応策」は、既に起こっている、又は起こり得る気候変動の影響による被害の回避・軽減などを図る取組です。

今後、緩和策により温室効果ガスの排出を最大限に削減したとしても、地球温暖化による影響は避けられないと言われており、「緩和策」と「適応策」を気候変動対策の両輪として進めていくことが必要です。

1_3緩和と適応

出典 全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト(https://www.jccca.org/)より

図表1.3 緩和と適応

適応策とフェーズフリー

例えば外部給電機能付き電気自動車は、日頃は二酸化炭素を排出しない移動手段として使用でき、かつ停電時には非常用電源として活用できます。このように「日常時」と「非常時」の2つの段階(フェーズ)の境界をなくす(フリーにする)考え方を、「フェーズフリー」といいます。

気候変動を一因とする災害が増加する中、フェーズフリーを取り入れたモノ・サービスは、普段の生活においても役立ちます。日常的に使うことで無理なく非常時の備えを継続でき、非常時には使い慣れたものを活用できるなど、様々なメリットを享受することができます。

1_4フェーズフリー概念図

図表1.4 フェーズフリー概念図


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