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僕とおじいちゃん

No.7007
小学校5年生

【ご案内】このページでは、浜松市内の小学5年生の方から「いのちの大切さについて考える」をテーマに募集した作品のうち、公開に同意をいただいたすべての作品を掲載しています。ぜひ他の作品もご覧ください。また、無断転載は固くお断りします。

 おじいちゃんは、僕が一年生の時に膵ぞう癌が見つかり、ずっと抗がん剤治療を受けてきた。強い副作用があったけれど、おじいちゃんはいつも元気で、朝学校に行く時に見送ってくれた。荷物が重たくて帰りが遅くなると、心配して自転車で迎えに来てくれた。家に帰ると「お帰り。」と言ってくれた。習い事の送り迎えをしてくれた。お風呂に入れてくれた。休みの日はソフトボールのバッティングを教えてくれた。美味しい物を食べに旅行に連れていってくれた。畑にできた野菜を食べさせてくれた。
 あの日はいつものように「おやすみ。」って言って眠ったけれど、おじいちゃんはそのまま亡くなってしまった。いつものように「おはよう。」って声をかけても返事をしてくれない。小さな弟は「じいちゃん、まだねんねだね。」と、言っていた。まるで眠っているような顔だった。
 おじいちゃんといるのが当たり前だったから、おじいちゃんが亡くなったことが信じられない。でも帰ったら「お帰り。」って言ってくれるような気がする。悪いことをしたら「こら。」と大きな声で怒られる気がする。頑張ると「よし。」ってほめてもらえるような気がする。おじいちゃんはいないけれど、僕の心の中にちゃんといるんだ。
 抗がん剤治療や手術をしながら4年間も病気と闘ってきたおじいちゃん、一度も「痛い。」とか「苦しい。」とか辛い言葉を聞いたことがなかった。本当はもっと生きたかったと思う、もっと元気でいたかったと思う。
 当たり前に朝起きて、家族そろって食事をして、学校に行って、ねる生活を送ってきたけれど、これは当たり前のことではないと思った。
 健康に家族と過ごせる時間を大切にしたいと思う。命を大切にしたいと思う。

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