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命の大切さ

No.5475
小学校5年生

 7月の初め、生後9ヵ月のいとこが入院した。原因は熱性けいれんらしい。熱性けいれんは通常2~3分でおさまるそうだが、いとこは20分以上のけいれんを何回もくり返し、2時間ほど意識がない状態が続いた。いとこは複雑型熱性けいれんと診断された。2時間以上も意識がなかったため、呼吸がうまくできず脳が酸素不足となり、結果、脳症となってしまった。いとこのお母さんが送ってきた写真を見ると、いとこは頭をネットでおおわれ、小さな体にはいろいろなチューブや点滴がつながれていてとてもつらそうだった。その姿を見た私は、涙が出そうになった。
 私の妹も、生後半年の頃にRSウイルスに感染して入院したことがある。その時もいとこと同じようにいろいろなチューブや点滴につながれていて、本当に悲しかったのを覚えている。
 いとこが入院した時は七夕が近かったこともあり、私はいとこが早く元気になりますようにと、短冊に願いを込めた。いとこは小さいため、じっとしていることが難しく、MRIに入るだけでも麻酔をしなければならなかった。その麻酔も合併症などを引き起こす恐れがあり、とても心配だった。
 入院して2日間は水を飲むことも、離乳食を食べることもできず、意識ももうろうとしていたらしい。こんなに暑く水分がかかせない時期に飲むことができず、かわいそうだと思った。
 3日目にやっと母乳を少し飲めたと聞いた時は、とても安心した。私の母は毎日いとこのお母さんと連絡を取り、いとこの容態を確認していた。そして、みんなの願いが伝わったのか、いとこはみるみるうちに回復していき、最低でも1ヵ月入院しなければならないところを2週間で退院できた。しかし脳症は、患者の半数以上が知的障害や運動障害などの後遺症が残ってしまうらしい。退院後も半年に1回は、病院での検査が必要だ。そのことを聞くと、私は心配で仕方がなかった。
 退院の翌日、私は母と一緒にいとこに会いに行った。元気になったいとこを見て、私はとても嬉しい気持ちになった。しかし、後遺症のせいなのか、右手で物をつかんでもすぐに落としてしまう。そんな姿を見て、手が自由に使えないってどれほど大変なんだろうと思ってしまった。
 身近ないとこが、ある日突然生死のさかいをさまようなんて想像もつかなかった。たった1日でいとこの運命が変わってしまった。私は改めて命の大切さを知った。これからも一日一日を大切に生きていきたい。

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