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更新日:2014年9月30日
浜松を題材とした作品を残している文芸家は少なくありません。なかでも、井上靖氏は大正9年、現在の元城小学校へ伊豆湯ヶ島から転校し、翌年浜松中学校(現在の浜松北高)に入学、大正11年に沼津中学校へ移るまでの2年間を浜松で過ごしています。
この浜松中学校時代の体育教師の思い出を、エッセイ風に綴ったのが短編の「弧猿」(昭和31年発表)です。また、詩集「北国」では、カマイタチと題して当時の犀が崖の印象が語られているほか、「黒い湖」・「あした来る人」などの作品に浜松が登場しています。
<カマイタチ>
学校へゆく途中に犀が崖という小さい古戦場があった。昼でも樹木鬱蒼とした深い谷で、橋の上からのぞくと、谷底にはいつも僅かな溜まり水が落ち葉をひたしていた。ここは、日暮れ時にカマイタチがでるというのでみなから怖れられていた。カマイタチの姿を見たものもない。足音を聞いたものもない。
井上靖 詩集「北国」より
大正10年ころ、井上少年はここ(犀ヶ崖)を通って登校していました。
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