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更新日:2024年5月30日
幼児期の乳歯のむし歯本数は、どの年齢においても年々減少してきています。平成23年度において、5歳児(年長児)の一人平均乳歯むし歯本数は1.70本で、むし歯有病者率は40.6%です。
全国や静岡県全体と比較してみると、浜松市の幼児のむし歯は少ない状況です。
口の機能の発達に重要な歯ならび・かみ合わせについて、平成24年度の3歳児歯科健康診査の結果をみると、不正咬合(ふせいこうごう)がみられる子どもは13.7%でした。13.7%の内訳は、反対咬合が4.7%、開咬が2.9%、その他の不正咬合が6.1%でした。なお、3歳児における不正咬合の出現率は年度による大きな変化はありません。
フッ化物洗口を実施する施設数は、少しずつ増加しています。平成24年度において、幼稚園・保育所の総数に対する実施施設数の割合は、約4割です。
小学生・中学生の永久歯のむし歯本数は年々減少傾向にあります。平成24年度において、中学1年生の一人平均むし歯本数は、学校保健統計調査の報告による全国値は1.10本、浜松市は0.80本であり、浜松市は全国に比べて少ない状態です。
年齢が上がるにつれて、歯周病が進行している人(浅いポケットと深いポケットが検出される人)(コラム参照)が多くみられ、20歳代で約1割、40歳代で約4割、60歳代で約6割の人に歯周ポケットがみられます。
20歳代の歯周病の推移(保護者歯科検診の結果):歯ぐきの健康な人が年々増加する傾向にあります。
40歳代の歯周病の推移(歯周病検診の結果):歯周ポケットを有する歯周炎(ししゅうえん:コラム参照)の人はやや減少傾向にあります。
60歳代の歯周病の推移(歯周病検診の結果):歯周ポケットを有する歯周炎の人はやや減少傾向にあります。
60歳代後半は高齢期ですが、比較しやすいように成人期にグラフにまとめて掲載しています。
20歳代、30歳代の成人においては、治療しないで放置しているむし歯の本数(一人平均未処置むし歯本数)は少ない状況です。しかし、年齢が上がると、むし歯を放置している人が増加する傾向にあります。この傾向は、年度による変化はあまりありません。特に60歳代、70歳代になると、歯の本数が減ってくるので、保持できている歯の中でみると、むし歯になっている歯の割合は若い世代に比べ高くなっています。
60歳代後半と70歳代は高齢期ですが、比較しやすいように成人期のグラフにまとめて掲載しています。
保護者歯科検診を受診した人において、定期的に歯科検診を受けている人の割合は、年々増加しています。
市民の歯の本数を、市民アンケートで自己申告により調査しました(自記式調査)。口腔機能(こうくうきのう)の維持向上に重要な歯の本数は調査年ごとに増える傾向にあり、平成23年度の調査からみると特に75歳以上において10年前に比べ、多くの歯が保持できてきています。80~84歳においては、平成23年度の歯の平均本数は15.7本で、20本以上の歯を保持している人の割合は47.6%であります。
参考:平成23年歯科疾患実態調査報告(厚生労働省による全国の歯科保健状況を把握する調査)では、80~84歳における歯の平均本数は12.2本で、20本以上の歯を保持している人の割合は28.9%であります。
サービス内容 |
件数 |
居宅療養管理指導総 サービス件数 |
総サービスに占める割合 |
---|---|---|---|
歯科医師居宅療養管理指導1. |
231件 |
18,709件 |
1.2% |
歯科衛生士等居宅療養管理指導1. |
118件 |
0.6% |
|
歯科医師居宅療養管理指導2. |
1,495件 |
8.0% |
|
歯科衛生士等居宅療養管理指導2. |
2,099件 |
11.2% |
歯科医師、歯科衛生士の居宅療養管理指導1.、2.には、要支援の人に対するサービスの件数も含みます。
サービス種類 |
サービス内容 |
件数 |
総サービス 件数 |
総サービスに 占める割合 |
---|---|---|---|---|
通所介護、通所リハビリテーション等 | 口腔機能向上加算 | 3,622件 | 171,590件 | 2.10% |
施設サービス | 口腔機能維持管理体制加算 | 32,537件 | 80,953件 | 40.20% |
口腔機能維持管理加算 | 10,244件 | 12.70% |
口腔機能向上加算は、要支援の人の介護予防サービスを含みます。
障がいのある人とは、身体障がい、知的障がい、精神障がい(発達障がいを含みます。)その他の心身の機能の障がいがあり、その障がいや社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にある人と定義されています。障害者手帳を所持している人は、年々増えており、平成24年4月1日現在で約36,000人の市民が所持しています。
障害者福祉施設における歯科健診の受診数は、年間約1,600人ですが、その中で、14歳以下の人(主に幼児)においては、治療しないで放置しているむし歯(一人平均未処置むし歯本数)は減少傾向にあります。15歳以上においては、毎年、一人平均約1本の治療を必要とするむし歯が検出されています。
市内の特別支援学校に通う小学生・中学生では、学年があがるにつれ一人平均むし歯本数が増加しており、特に中学生になると急に増えています。
障害者福祉施設における歯科健診を受診した人の中では、歯周ポケットを有する歯周炎(ししゅうえん:コラム参照)の人は減少傾向にあります。
平成23年度に、市民アンケート調査を実施しました。その中で「歯の健康を守るために気をつけている」こととして選択されたものを市民の歯科保健行動としました。
定期的に歯科検診を受ける(学校や園での歯科健康診断は除きます。)ことに気をつけている人の割合は、0-12歳までが高く、16-34歳の間は低くなっています。35歳以降はやや上昇しますが、25%前後です。
歯科医院で定期的に歯の掃除を受けることに気をつけている人の割合は、年齢とともに高くなる傾向にあり、60-64歳で4割近くになっています。
砂糖などが入った飲食物を避けることに気をつけている人の割合は、他の歯科保健行動に比べ全体的に低いですが、0-12歳までと30-34歳、60-64歳に高くなっています。
フッ化物歯面塗布(以下フッ化物塗布)を受けることに気をつけている人の割合は、0-6歳が最も高く、年齢が上がると低くなってきます。
フッ素入り歯磨剤を使用することに気をつけている人の割合は、0-12歳までが高くなっています。その後、25-29歳までは年齢とともに減少しますが、30歳代でまた増加し、その後減少します。
歯と歯の間をみがく器具としては、糸つきようじ(デンタルフロス)と歯間ブラシがあります。歯と歯の間をみがく器具を使用することに気をつけている人の割合は、0-24歳までは低く、それ以降は年齢とともに高くなる傾向にあります。
浜松市内の歯科医療機関数及びその従事者数を以下に示します。人口10万人当たりの歯科診療所数は県平均(平成25年4月1日現在、48.1か所)とほぼ同じです。
歯科医療機関 |
実数 |
人口10万人当たりの数 |
---|---|---|
歯科診療所数 |
384か所 |
48.4か所 |
病院の中にある歯科の数 |
10か所 |
1.3か所 |
浜松市保健所保健総務課調べ
歯科医療従事者 |
実数 |
人口10万人当たりの数 |
---|---|---|
歯科医師数 |
542人 |
68.0人 |
就業歯科衛生士数 |
756人 |
94.9人 |
就業歯科技工士数 |
257人 |
32.3人 |
浜松市保健所保健総務課調べ
市民の約4分の1が加入する国民健康保険の医療費の実態は、市民全体の健康状態を映し出す一つの資料です。浜松市国民健康保険における平成24年5月の疾患別医療費では、「歯肉炎及び歯周疾患」が「腎不全」についで第2位で、歯周病と関連のある糖尿病は6位となっています。
順位 |
疾患名 |
平成24年5月 |
---|---|---|
1 |
腎不全 |
322百万円 |
2 |
歯肉炎及び歯周疾患 |
282百万円 |
3 |
統合失調症、統合失調型障害及び妄想性障害 |
268百万円 |
4 |
高血圧疾患 |
250百万円 |
5 |
その他の悪性新生物 |
195百万円 |
6 |
糖尿病 |
189百万円 |
静岡県国保連合会茶っとシステム疾病統計(平成24年5月診療分)資料
高齢化が進むと何らかの基礎疾患を有する人(有病者)が増えてきます。超高齢社会を迎えた中で、医科との連携は大切です。今までに浜松医療センターと浜松市歯科医師会との間で、経皮内視鏡的胃瘻造設術(けいひないしきょうてきいろうぞうせつじゅつ)を受ける患者等に対する連携が行われてきました。有病者等の歯と口に関する問題を少しでも少なくするために、今後もかかりつけ歯科医院と病院歯科及び医科と歯科とが連携を深めていくことが大切です。これらの連携は、連携機関を増やすことも視野に入れ、今後も継続していく必要があります。また、浜松医療センターや浜松市歯科医師会等が協力して、歯科医師、歯科衛生士等に対する研修(有病者への対応、院内感染対策等)を行っています。
連携内容 |
連携実績総数 |
---|---|
経皮内視鏡的胃瘻造設術を受ける患者への対応 |
81件 |
骨吸収抑制剤(こつきゅうしゅうよくせいざい)使用患者への対応 |
8件 |
周術期口腔機能管理(しゅうじゅつきこうくうきのうかんり)を受ける患者への対応 |
11件 |
HIV/AIDS(エイズ)患者への対応 |
3件 |
連携実績総数は、連携事業の開始当初から平成25年8月までの実績、浜松医療センター及び浜松市歯科医師会調べ
歯周病は糖尿病の合併症でもあり、両者は密接な相互関係にあることが分かってきています。浜松市国民健康保険の特定健康診査の結果では、血糖値の正常者は年々減少し、逆に正常値以上の人が年々増加しています。今後、糖尿病対策の一環として歯周病予防の啓発も必要です。
中山間地では歯科診療所が少ない地域があり、中山間地の住民が必要な歯科医療を受けることができるよう、浜松市が関与して歯科診療所を運営しています。今後も浜松市が直営する春野歯科診療所、浜松市が土地、建物等を貸与して運営されている2つの歯科診療所を維持していく必要があります。
医療相談窓口を開設し、医療に関する患者等の苦情・相談に対して、中立的な立場で対応しています。歯科医療に関しても同様に相談を受け付けています。
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