更新日：2023年12月1日

役職者辞令式

2022年4月1日

4月1日から新しい役職に就任された幹部職員の皆さま、本当におめでとうございます。心機一転、新たな気持ちで職務に精励してください。今年度の戦略計画の基本方針は、「持続可能な地域社会の創造」というものです。持続可能、いわゆる「サステナブル」というのは、私は今後、最も重要なキーワードになってくると、最近いろいろな場でお話をする際にはいつもそういうことを申し上げています。
パウル・クルッツェンは、現代は人新世の時代と提唱しました。どういう意味かというと、人類のさまざまな活動が地球の生態系や環境に大きな影響を及ぼす問題であるということです。典型的なのは地球温暖化による気候変動で、これを放置するとやがて人類が地球に住めなくなる、人類自体が自分で自分の首を絞めるということで、今、人類を挙げて気候変動対策が始まっています。2020年4月に菅総理がカーボンニュートラル宣言をしたように、日本としての気候変動対策というのが重要な課題になっています。浜松市においても、2020年3月に2050年のカーボンニュートラルを達成するためにRE100宣言を行い、今後、2050年に向けて再生可能エネルギー100%の都市を目指すという宣言を行いました。4月からはカーボンニュートラル推進事業本部を設置し、全庁を挙げてそうした取り組みをしていくことになります。皆さまもぜひ当事者意識を持って取り組んでいただきたいと思います。持続可能ということは、気候変動だけではなく、我々がこれからいろいろな取り組みをしていくためにも重要なキーワードです。人口が減少していく低成長の中にあって、いかに持続可能な自治体経営を行っていくかということで、浜松市では不断の行財政改革に取り組み、強固な財務体質を構築しました。その総仕上げが行政区の再編であります。10年の時間を要しましたが、ようやく3区案に内定し、来年2月の条例制定に向けてこれからさまざまな実務的な詰めを行っていかなければなりません。いろいろな部署に関わることですので、皆さまにもしっかりお取り組みをいただきたいと思っています。
持続可能・サステナブルな地域社会、これも重要な課題です。これから人口が減って高齢化が進む中で、いかに持続可能な地域としていくか、私はその鍵となっているのは「共助」、すなわち共助型の社会を作ることが大事だと思っています。そのためには、住民の皆さんのご理解を得てできるだけ多くの方に参加していただくことと、デジタルをはじめとした先端技術の活用、これが重要であると考えています。現在、浜松市では公共交通空白地域における共助型交通システムの構築を目指しています。まさに住民同士が支え合う交通の仕組みです。その運営にあたって、デジタル技術を活用していくということになります。
また、今、全国的にも取り組みが行われている地域包括ケアシステム、これは、介護や医療の従事者だけではなく、自治会やNPO、あるいは民生委員など、こうした多くの主体を巻き込んで地域全体で支えていこうというシステムです。今後はこうした共助型の仕組みをあらゆる分野で考えていかなければいけません。サステナブルと同時に共助というものも重要なキーワードだと考えています。ぜひ皆さんに意識していただきたいと思います。そして、来年は大河ドラマ「どうする家康」の放送が始まります。おんな城主直虎、いだてんに続いて、また大河ドラマで浜松にスポットが当たるわけです。今回も、直虎の時と同じように浜松が舞台ということで、大きな経済波及効果が望めると思っています。そのためには、しっかり準備をしていかなければなりません。コロナで傷んだ地域経済を再生させる起爆剤にするためには、この好機を活用していきたいと思っています。ぜひ皆さんにはしっかりと準備をお願いしたいと思います。今年はいよいよアフターコロナに向けた新しいスタートの年だと思っています。コロナも3回目のワクチン接種が行われました。新規感染者はなかなか減りませんが、重症化する方たちは減ってきました。また今後、治療薬も続々と出てくると思いますので、早晩、私たちはコロナを克服できると思っています。そうした意味で、今年はアフターコロナに向けたスタートの年度ということにもしていかなければなりません。そのためにも、我々が一丸となってコロナで傷んだ地域を回復させるために頑張っていきたいと思います。知恵を出し、汗もかいて、浜松を元気にしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
結びに当たりまして、職員の皆さんの一層のご健勝、ご健康を祈念しまして、あいさつとさせていただきます。よろしくお願いします。

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