更新日：2023年12月1日

新規採用職員辞令式

平成31年度4月1日

本日付で浜松市の職員になられた皆さん、本当におめでとうございます。心から歓迎を申し上げます。

皆さんには、これから、いろいろな研修を受けていただくことになると思います。しかし、まずは、「市民への約束」の冒頭に書いてある通り、「市役所は市民の皆さまのお役に立つ所である」という点を強く意識してください。市民の皆さまが直接、国や県と関わりあうということは、ほとんどありません。市民の皆さまにとって、行政との唯一の接点となるのが市であり、すなわち、市民向けの行政サービスのほとんどを我々が提供しているということになります。従って、やりがいがある一方で、大変な面もあります。いろいろな要望、意見が市民の皆さまから寄せられ、時には心が折れるようなこともあるでしょう。しかし、そのような時も原点に立ち戻り、市民への奉仕者として「市民の皆さまのお役に立つ」ということを肝に銘じ、市民の皆さまに寄り添って頑張っていただきたいと思います。

浜松市は政令指定都市となってから10年以上が経ちます。政令指定都市は全国でも20都市しかなく、基礎自治体の中でも際立った存在です。さらに、浜松市はその中でも他に類を見ない特徴を持っています。それは、県庁所在地というわけでもなく、また、大都市の近郊で発展したということでもない、先人の皆さまたちの努力によって自立的に都市が形成され、政令指定都市にまで成長を遂げたという点です。まずは、そうした政令指定都市、ひいては浜松市の職員であるということに、自信と誇りを持ってください。

一方、浜松市は大きな合併によって政令指定都市となりましたので、伊豆半島よりも大きい広大な面積と、「国土縮図型都市」と表現されるようなさまざまな地形を持つ反面、その中には過疎とみなされる地域も半分ほどあり、それ以外にも課題がたくさんあります。しかし、それらにしっかりと対応し、時代を先駆けた施策を推進すれば、全国の自治体のモデルとなれると考えております。皆さんには、ぜひ、そういった気概を持って頑張っていただきたいと思います。

また、昨年、浜松は二つの都市ランキングで大変素晴らしい成果を残すことができました。一つ目は、日本総合研究所が毎年発表している都市の幸福度ランキングです。これにおいて、政令指定都市20市の中で、ついに、さいたま市を抜いて総合第1位となりました。これは、財政の健全度、都市の基礎力に加えまして、産業や生活、健康、文化、教育といった分野が47の指標によって評価され、その総合点で順位が決まるものとなっています。総合第1位という結果から、浜松はトータルで素晴らしい地域であるという評価が得られたわけです。これも先人の皆さまのご努力の賜物であると思います。もう一つは健康寿命です。これは、介護などの世話にならず、自立した生活を送ることが可能な年齢を表すもので、高齢化の時代を迎えている現代においては、平均寿命よりも重要な指標と言われています。この健康寿命のランキングにおいて、浜松は3期連続で男女ともに第1位となりました。この二つから言えるのは、浜松市はとても住みやすい、暮らしやすい街である、すなわち、市民の皆さまが健康で豊かに暮らす最高のプラットフォームができているということです。このプラットフォームをしっかりと磨き上げていくこと、それが、皆さんに与えられた使命であると思います。

また、この後、いよいよ新しい元号が発表されます。平成が終わりを告げ、これから新しい時代に入っていくわけですが、私は、これまで以上に大変な時代になると考えています。まずは、皆さんご存じのとおり、人口減少問題です。これは、我々がこれまでに体験したことのない事態です。行政としては、人口が減っていっても活力ある地域社会を作っていかなければなりません。一方、AIなどの進化によって、数百年に一度の大変革の時代が来ると言われております。そう遠くない未来に、今ある職業の半分が無くなると分析する専門家もおり、それこそ、我々の生活、働き方、あるいは組織も激変していくことでしょう。皆さんはこれから約40年間、市職員として勤められることになりますが、この期間というのは、本当に大きな変化の時代になると思います。そうした変化に対応しながら、先ほど述べたとおり、市民の皆さまのお役に立っていかなければなりません。かつての、毎年人口・税収ともに増え、成長していくという時代であれば、前例を踏襲し、確実に公務を行っていけば問題なかったわけですが、これからの時代、それは通用しません。前例にこだわった結果、それが間違いになることもある、そんな時代となります。そういった意味で、これからは時代を先取りし、時代を読んで、新しいことを取り入れ、新しい施策を遂行していく、こうした職員が優秀な公務員であると言われるようになるでしょう。皆さんには、少々の失敗を恐れず、浜松特有の「やらまいか精神」を大いに持って頑張っていただきたいと思います。

いずれにせよ、今後、皆さんがこれからの浜松を背負って立つという点については間違いありません。そのような気概と、浜松市職員としての誇り・自覚を大いに持って仕事に励んでいただきたいと思います。

これからの皆さんの活躍を心から期待をいたしまして、訓示とさせていただきます。