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更新日:2023年12月1日

新規採用職員辞令式

平成28年4月1日

新しく浜松市の職員になられた皆さんを心から歓迎をいたします。これから皆さんは市の職員として市政の推進に活躍をしていただくことになります。よろしくお願いします。

市役所には「市民への約束」が掲げられていますが、その冒頭に「市役所とは市民に役立つ所」と書かれています。市というのは最も住民に身近な行政組織です。いろいろな具体的な施策というのは、ほとんどが市町村が取り組むことになります。そこが国や県と大きな違いで、ほとんどの市民の皆さまは一生の間に国や県に直接関わるということは、ほとんどないはずです。多くの市民の皆さまにとって、行政というとまず市になります。したがって市役所には、さまざまな意見・要望・苦情等が寄せられます。これは大変なことではありますが、一方でいろいろとやったことが具体的な成果になって表れるという点ではやりがいがあります。市民の皆さまにとって最も頼りになり、唯一頼るところは市役所であるということです。ぜひ肝に銘じて、時には面倒くさいな、大変だなと思うことがあっても、市民の皆さまに寄り添った行政マンとして仕事をしてもらいたいと思います。

皆さんご承知のとおり、浜松市は政令指定都市になりました。これは全国で20しかない政令市になったわけです。その政令市の職員になったことをぜひ誇りに思って、また自信に変えて職務を遂行していただきたいと思います。浜松は特に際立った特徴を持った政令市です。だいたい政令市の多くは県庁所在地で、県庁があれば黙っていても、人・もの・お金が集まって都市が発展するわけですが、浜松市は県の一番外れです。あるいは大都市近郊で発展して政令市になった都市もあります。しかし浜松市はそうした大都市圏に位置しているわけでもありません。いち地方都市で大都市圏にもない浜松市がこれだけ発展をして政令市になったということは、浜松市の際立った特徴です。このことをぜひ誇りに思っていただきたい。浜松市は豊かな産業力によって自立的に発展をしてここまでになったという他にはない特徴を持っています。

一方で、浜松市は合併をして政令市になったことで、たいへん広い市域を有することになりました。伊豆半島よりも浜松市は大きいわけです。この大きくなった浜松市は国土縮図型都市といわれるように、さまざまな特徴がぎゅっと詰まった都市です。言い換えれば日本が抱えるあらゆる課題を背負っているともいえます。この広大な市域にはおよそ8,500kmというの日本一の道路管理延長があります。橋も6,000あります。土木に携わる皆さんには、これからこういうたくさんのインフラをどうやって維持管理するのかという大きな課題に取り組まなければなりません。福祉や教育などさまざまな分野に関わる皆さんにとっても、都市部だけではなく中山間地域を含めていろいろな地域に寄り添った施策をしていかなければいけない、これも浜松市の特徴です。したがって浜松でこうした行政がうまくいけば全国のモデルになれるという気概を持って職務に精励していただいたいと思います。

また、これから皆さんは大変な時代を生きていくことになります。ご存じのとおり日本はいよいよ人口が減っていくという時代に突入しました。一昨年、元岩手県知事の増田寛也さんが日本が人口減少になるということを、各自治体のシミュレーションを交えて警鐘を鳴らしました。通称「増田レポート」というものですが、およそ1,800ある自治体のおよそ半分が今後25年以内に若い女性が激減し、それによって人口が減っていくと、その多くは1万人以下の規模になってしまい自治体としてやっていけない「消滅可能性都市」と位置づけたわけです。これから25年ですからそんなに遠くないこの期間の中で、およそ半分の自治体が自治体として運営できなくなるそんな厳しい時代に突入したということで、国も昨年、地方創生を大きくを打ち出して、すべての地方自治体に人口ビジョンと総合戦略の策定を義務付けました。浜松市でも昨年の12月に策定を終えましたが、これは言ってみればそれぞれの地域が特性や資源を活用して自ら知恵を出し、汗もかき、自らがんばって地方を元気にしなさいと、そういうところは国は支援するけど、そうでないところはなかなか支援できませんよということです。厳しい選別の時代が始まったと思います。我々もしっかりと浜松市の特性・特徴・強みを活かして、浜松を元気にしていかなくてはいけない。それは総合戦略にしっかりとうたってありますので、それを実行していくために皆さんもがんばっていただきたいと思います。

ということになると当然、公務員の仕事の仕方というものも大きく変わってきます。今まで毎年成長していく良い時代が日本は続いたわけですが、こういう時代は黙っていても毎年税収は増えていく、豊かになっていくわけです。そうすると市の運営も楽で、そういう時にはあまり奇抜なことはしないで前例に基づいてしっかり言われたことをやるというのが良い公務員と言われた時代もありました。余計なことをせずに堅実にやる時代があったわけですが、もうそれは通用しない時代になりました。これからは前例にとらわれず、新しいことにどんどんチャレンジしていく、そういう取り組みをしていかないと浜松市は取り残されてしまう、衰退していってしまうということになりかねません。

皆さんに一つ読んでほしい本があります。それは「ローマ法王に米を食べさせた男」というタイトルの本です。石川県の羽咋市で大活躍をしてスーパー公務員と呼ばれた高野誠鮮さんが書かれた、自分がどうやって公務員として仕事をしてきたかという体験をつづった本です。この本はベストセラーになってドラマ化もされたのでご覧になった方もいるかと思いますが、まさに高野さんのような姿勢でこれから仕事をしていかないとダメだということです。高野さんも今までの公務員の体制にずいぶん悩んで、ほんろうされながら、自分のやり方を貫いて羽咋市をどんどん元気にしていった苦労・体験がこの本につづられています。公務員としてこれから生き抜いていく皆さんにとって、大きな指針として希望や勇気を与えてくれるものですので、ぜひお読みいただきたいと思います。その中で高野さんは「考えているだけではダメだ。行動しなければならない。それもスピード感をもって。」ということをおっしゃっています。これからは失敗を恐れず新しいことにどんどんチャレンジしていくという姿勢で仕事をしていただきたいと思います。

私の所属している「G1首長ネットワーク」という会がありまして、そこのモットーは「批判より提言を。そして思想より行動を。」というものです。批判をするのではなく前向きな提言をしていこうと、あれこれ考えているだけではなくてどんどん行動していこうということです。これは私たちが仕事をしていく上で大きな指針になり得る言葉だと思います。元来、浜松を中心した遠州地域は「やらまいか精神」に満ちていて、つべこべ考えている暇があったらどんどんチャレンジしようという精神が旺盛な地域で、そのことによって新しい企業が生まれ、今の浜松ができているわけです。もう一度私たちは「やらまいか精神」を呼び覚まして厳しい時代を生き抜いていかなければならないと思います。皆さんはこれから「やらまいか公務員」としてどんどん新しいことにチャレンジして、浜松をグイグイ引っ張っていく、そんな仕事をしていただきたいと思います。

これからは人口が減っていく、高齢化が進む、税収も増えない、交付税も減る、限られた財源の中でさまざまな課題にチャレンジしていかなければならない大変厳しい時代になりますが、ぜひそんな時代だからこそ知恵を出し、汗をかき、自分たちが将来の浜松を背負って立つんだという気概を持って浜松市の職員としての第一歩を踏み出していただきたいと思います。ぜひ共にがんばってまいりましょう。皆さんのこれからの健闘を心から期待して訓示といたします。

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浜松市役所企画調整部広聴広報課

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