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更新日:2023年12月1日

仕事始め式

平成26年1月6日

皆さま、あけましておめでとうございます。

 

今年は正月三日間も比較的穏やかな天候でございましたし、それぞれに皆さま、良いお正月を迎えられたことと思います。今年もひとつ、よろしくお願い申し上げます。

昨年は、アベノミクスという財政金融政策で、日本経済には久々に明るい兆しが見え始めました。しかしまだ市の税収には効果が反映されていないため、限られた税収のなかで、皆さまには色々と知恵を搾っていただきながら、選択と集中で、施策を推進していただきました。それぞれの分野でしっかりと成果を挙げていただいたのではないかと思います。

特に今、市ではシティプロモーションに取り組んでいますが、出世大名家康くんのゆるキャラグランプリの取組につきましては、本当に職員の皆さまにはご尽力いただき、また、ご苦労もおかけしました。官民挙げた取組で頑張りましたけれども、結果は準グランプリということで残念ではありましたけれども、ある意味で良い成果も挙げられたと思います。

出世大名家康くんの原点であります徳川家康公も、三方原の合戦で敗れ、信長公や秀吉公の後塵を拝しながらも、しっかりと努力をして最後に天下を取った苦労人です。転んでもただでは起きないのが家康魂でございまして、家康くんも公約どおり断髪式をやりましたけれども、多くのマスコミの皆さまにお集まりいただきまして、全国放送でも流れました。

最近私も色々なところにお伺いすると、必ず色々な方から家康くんの話をされます。つまり、全国レベルになったなぁ、ということで、一位のゆるキャラより話題性はあるんじゃないかなぁ、と。今、出家中で、色々努力をしている最中ですが、早く還俗して頑張っていただきたいと思います。関連商品も500種類を超えたということでありますし、今年も大いに市のPRに貢献していただきたいと思います。

さて、今年は、浜松市にとって、ひとつ大きな節目の年となります。現総合計画が最終年度を迎え、今、新たな総合計画の策定に着手しておりますけれども、今回、30年という長期スパンの総合計画となります。市としてもこれからの将来の社会の構造がどうなるかということを、しっかりと把握した上で、長期ビジョンのもとに、必要な施策を打っていく、と。その指針となるのが、今回の総合計画ではないかと思います。将来ビジョンのもとに、長期的視野に立って、必要な施策を推進していくという考え方は、私は、松下幸之助翁から学んだところでございます。

今から35年前に、私は第一期生として、松下政経塾に入塾しましたけれども、当時1980年、松下翁は盛んに、このままいったら21世紀の日本は危ないと、21世紀の日本に対する大変な危機感を抱いておられました。それはどういうことかというと、このままの政治を続けていったら、21世紀になる頃に、大変な借金を抱えて、国が破綻の危機に瀕するし、このまま行ったら、国力も低下する、活力もなくなると、盛んに訴えておられました。

当時は前年の79年にエズラ・ボーゲン博士が、ジャパン・アズ・ナンバーワンという本を出しまして、名実ともに日本が世界一の経済大国ということで、その成果を謳歌していた時期でございますので、本当に21世紀に日本がそんな国になるのかと、私どもも半信半疑でありましたけれども、今振り返ってみますと、まさに、松下翁が指摘したとおりの状況でございます。

そうした中で、どうしたらそうした時代にならないようにすることができるのですか、と問いましたら、松下翁は即座に、君、地方分権や、と。道州制にして、適当なサイズの地域に日本を分割して、それぞれの地域が頑張るような仕組みにしなきゃいけない、と、こういうことをおっしゃられていました。

こんな巨大な国を、一箇所でコントロールする、一箇所にお金を集めてばら撒くような仕組みを続けていたら、必ず無駄が生じ、そして、それが大きな借金になるし、やがて国の活力も失われていく。よく引き合いに出されたのは松下電器の話でございました。松下電器でさえ、これだけ大きくなればもう一箇所でコントロールするのは、非常に大きな無駄が生じる。だから分社をしたり、事業部制を導入するんや、と。ましてや、このようなでかい国を永田町や霞ヶ関一箇所でコントロールするのは、決して良いことではないと、おっしゃられておられました。

そうした想いを実現するために、PHPを創ったり、松下政経塾を創られたわけでございます。

ですから、現在、PHP研究所は、社を挙げて地域主権型道州制の実現に向けて啓蒙活動を続けておりますし、塾出身の政治家は、特にこうした地方分権、私も含めまして、道州制の実現に、大変意欲を持っているわけでございます。

ひるがえって30年前を考えてみますと、当時の政治家の皆さまが、松下翁と同じ危機意識を共有し、先手先手でですね、手を打っていたら、今のような状況にはなっていなかったのではないか。刹那的な政治を積み重ねた結果、今のこの日本の有様になったのではないかと思います。

松下翁の教訓に従えば、私達も、将来の浜松あるいは社会の構造をしっかりと把握した上で、今から先手先手で、必要な施策を打っていく。それが必要だと思っております。

これからもう間違いなく到来するのは、人口減少社会でありますし、超高齢社会であります。

そうした社会に対応する施策を打っていく。例えばまちづくりは、当然コンパクトなまちづくりにしていかなければならない。中核となる地域に色々なものを集めていく。これは、ここ1年2年でできることではありませんけれども、長期的ビジョンのもとに、少しずつそういうまちにしていく。あるいは、膨大なインフラの整理というものも進めていかなければなりませんし、また、年々急増する社会保障費を抑える、ということもやっていかなければならない。

これは当然、一次的には国の仕事ですけれども、例えば、浜松市ができることもたくさんあります。市民の皆さまの健康増進をして、医療費を抑える、ということをやっていけば、社会保障費の増を抑えることができる。こうして考えていきますと、色々なことを考えられると思います。総合計画はその指針となるものでありますので、しっかりとした総合計画を策定し、長期的ビジョンのもとに、今から必要な施策をしっかりと推進していくということを、やっていかなければならない。そのような元年としたいと思っております。

来年度の浜松市の市政のキーワードは、「つなぐ」でございます。将来世代、次世代に対して責任をもってつなぐということを意識して、今年もしっかりと市政運営に取り組んでいただきたいと思います。ぜひ、今年もどうぞ、頑張って、その推進に御尽力をいただければと思います。

ともに頑張りましょう。

以上で私の年頭の挨拶とさせていただきます。

今年一年、よろしくお願いします。

仕事始め式

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