更新日：2023年12月1日

平成25年仕事始め式

2013年1月4日

明けましておめでとうございます。それぞれ健やかに新年をお迎えのことと思います。

昨年はまだ大変厳しい社会・経済情勢でしたが、皆さんには市政の推進に大変な努力、尽力をいただきました。特に、税収が伸び悩む中でも健全財政を維持しながら必要な施策を推進するため、選択と集中には大いに努めていただきました。改めて厚く感謝御礼を申し上げます。

昨年末の総選挙では、政権交代という大きな出来事が起こりました。新政権は半年ぐらい経済再生に最大限の努力をしていくということで、大型補正や国土強靭（きょうじん）化を含めた、さまざまな積極的な施策をとっていくと思います。こうしたことが巷間（こうかん）で取りざたされまして、円安に動いたり、株が上がっていったりという状況ですが、決して安閑とはしていられません。まだ実体経済に結びついておりませんし、裏を返せば財政赤字が一層進む懸念があるとも言えます。アメリカも財政の崖からの転落を回避したと言われておりますが、減税を延ばすとか、歳出の削減をやめたということは、財政の健全化を先送りしたということでもあり、マーケットからは非常に警戒されています。アメリカも日本も似たような状況にありますので、私たちも経済情勢についてアンテナを高くし、観察していかなければいけないと思います。

そうした中、今年は浜松市にとって、さまざまな種から出てきた芽を育てていく年にしたいと思います。

まず、喫緊の課題である防災については、本年は県の第4次被害想定が出されますので、それに併せてしっかりと対策を強化していきます。昨年6月に基本協定を締結した、一条工務店の寄附を元に防潮堤を整備していく事業も今年本格化します。昨年、第一次分として既に100億円の寄附が県にされています。さまざまな課題が山積していますが、なんとしてもこれを活かし、一刻も早く防潮堤が整備されるよう、県と連携しながら取り組みたいと思います。

産業振興の面では、『新・ものづくり特区』です。国から認定していただいたさまざまな特区の中における施策を推進します。浜松からは、多くの中小企業の皆さんが海外に進出しています。企業が海外に生産拠点を移転すると、空洞化が懸念されますが、実際にいろいろな企業を見ていますと、むしろ海外に進出した企業の方が地域経済に対する波及効果が非常に大きいと感じます。雇用は守られていますし、逆に雇用を増やしている企業もあります。こうした中小企業の海外進出支援についても、民間と連携しながら取り組みたいと思います。また、新エネルギーにつきましても、太陽光発電を中心に普及が促進されていますが、固定買取価格制度のもとで価格が見直しになりますと鈍る可能性がありますので、引き続き国の動向を注視しながら、再生可能エネルギーの比率アップ等に努めていきたいと思います。

健康医療の分野では、昨年健康都市連合に加盟いたしました。この地域は非常に健康寿命が長い地域ですが、市民の皆さまのさらなる健康増進に向けて、医師会などと一緒になって取り組み、「日本一健康なまち・浜松」を目指していきたいと思います。

一方、昨年の大きな出来事として、三遠南信自動車道の一部供用開始、新東名の県内開通もありました。交流人口が増え、観光施設、舘山寺温泉等の訪問客が増えているということですので、インフラ整備の効果を引き続き活用して、地域の活性化に努めていきたいと思います。インバウンドについても、冷え込んでいる日中関係が改善されれば、浜松が提携をしている瀋陽や杭州など、中国からの誘客に努めていきたいと思います。

また、昨年本格的にスタートした出世の街プロモーションも、おかげさまで民間にも大きく波及してきました。牽引役である「出世大名家康くん」も、昨年のゆるキャラグランプリで7位でしたので、今年はぜひ全国一を目指して、また民間の皆さんと一緒に、出世の街をPRしていきたいと思います。

地方分権につきましては、皆さんご承知のとおり、浜松市は他の政令指定都市などと特別自治市の制度の確立に向けて国等へ働きかけをしていますが、今年も政令指定都市市長会、そして私の思いとしては、政令市だけではなく中核市や特例市とも連携しながら、自治体の自立に向けた制度の創設に向けて国に働きかけていきたいと思います。また、静岡におきましては、県・静岡市とともに進めている『しずおか型特別自治市』の推進を行っていきたいと思います。

このように、出てきたさまざまな芽を大きく育てていく、そんな年にしていきたいと思います。皆さんも、それぞれの分野で今取り組んでいる施策を、一層推進していただきますようお願い申し上げます。

年が変わりまして、いよいよ新政権がスタートいたします。（前述のほかにも）いろいろ積極的な施策を推進してくると思いますので、我々もアンテナを高くしてそれに対応していかなければいけないと思います。私も官房長官に就任をされました菅さんをはじめ、新政権の中にも仲のいい方がたくさんいますので、そうした個人的な人脈も駆使しながら、国との連携に努めたいと思います。

また、ことあるごとに皆さんにお願いしていますが、今は不透明で先の見通せない時代です。過去の経験は通用しませんので、前例主義をかなぐり捨てて、新しいことにどんどんチャレンジしていただきたいと思います。もちろん、過去のことにも思いを馳せなければいけませんが、今、そして将来を見通して必要となる事柄について、積極的に前へ進めていく浜松の『やらまいか精神』を大いに発揮して市政の推進に努めていただきたいと思います。

結びにあたりまして、今年一年の皆さんのご健勝とご活躍を心から祈念申し上げて、年頭のあいさつとさせていただきます。今年も一年、ともに頑張りましょう。

戻る