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更新日:2023年12月1日

2018年3月定例記者会見

2018年3月27日

(鈴木市長コメント)

「青春時代を浜松で過ごす高校生が浜松を応援する活動を認定する事業」について

地域振興に励む若者の取り組みを応援し、若者の力で浜松市を元気にすることを狙いとして「青春時代を浜松で過ごす高校生が浜松を応援する活動を認定する事業」(略称:アオハル)を平成30年4月よりスタートします。

この制度は、浜松市内の地域の魅力の掘りおこしや情報発信など、若者らしい情熱を注いで地域振興を実施している団体に対し、市が「青春はままつ応援隊」(略称:アオハル隊)に認定することで、活動の一層の発展を期待するものです。

近年、若者による地域活性化を目的とした活動が、高校生の部活動や課外活動などをきっかけとして広がりを見せています。取り組みの中には、行政では思いつかない発想や、若者らしい感覚で地域の魅力を捉え、それをSNSやYouTubeを活用して情報発信するなど訴求の仕方にも目を見張るものがあります。

本市としては、こうした若者の底知れぬ潜在力に着目し、その活動を積極的に応援することで、若者の自らの力で浜松市を盛り上げてもらうことを事業の狙いとしています。

また、地域の魅力を掘りおこす活動を通じて、浜松市の良さを改めて認識することで、郷土愛を深めてもらえば、やがて浜松市の将来を支えていく人材へと成長していくことも期待できます。

認定対象は、3人以上の高校生で構成された団体で、歴史や文化、自然環境などのさまざまな地域の魅力を取り上げ、それらを発信する活動を実施する団体です。

若者の多種多様な活動を市は応援していきますので、ぜひ積極的に申請してほしいと思います。

浜松市舞阪サテライトオフィスの利用者募集開始について

この度、浜松市では、ベンチャー企業誘致のため、「浜松市舞阪サテライトオフィス」を整備しました。首都圏で活躍しているベンチャー企業を中心にご利用いただくことを期待しています。6月1日のオープンに向けて、利用者の公募を開始いたしましたので、施設の概要および公募についてご説明いたします。

このオフィスは、西区舞阪協働センターの4階を活用して整備しました。27平方メートルから53平方メートルまでの6部屋があり、企業の希望に合わせたスペースの提供が可能となっています。フロアには、共有スペースも設置しましたので、入居企業だけでなく市民の皆さまにもミーティングやイベント等でご利用いただくことができます。

このオフィスの魅力は、全室から浜名湖が一望できる抜群のロケーションです。浜名湖でマリンスポーツを楽しみながら仕事をすることも可能で、ワークライフバランスを重視するベンチャー企業の多様な働き方に対応しています。また最寄りの弁天島駅から徒歩圏内であり、通勤や出張の便も良い場所です。

利用者の公募は、本日より開始し、審査を経た後、6月1日より利用可能となります。多くのベンチャー企業が浜松市に興味を持ち、進出を検討いただくことを期待しております。

なお、オープンに先駆けて、4月9日(月曜日)に内覧会を実施いたします。当日は私も出席しますので、ぜひ、多くの方にご来場いただき、直接ご覧いただきたいと思います。

大河ドラマ「おんな城主 直虎」放送に伴う当地域への経済波及効果について

浜松市は、大河ドラマ放送決定以降、1年半以上にわたり官民一体となって直虎プロジェクトを推進し、観光誘客に取り組んでまいりました。その結果、大河ドラマ館の来館者数は目標の50万人を大きく上回る78万人に上り、近年の大河ドラマ館では歴代2位の記録を達成することができました。

大河ドラマ館や直虎ゆかりの地をはじめ、この地域を訪れた観光客は、浜松市内および静岡県内において飲食・宿泊・買い物・移動などの観光消費を行いました。今回、こうした観光消費の実態を把握するため、浜松市および静岡県への経済波及効果を、静岡県西部地域しんきん経済研究所に委託し、算出しましたのでご報告いたします。

「おんな城主 直虎」の放送年である平成29年1月から12月の観光客増加に伴う経済波及効果は、浜松市内で207億円、静岡県内で248億円となりました。

これは、大河ドラマ放送前の平成28年4月14日に日本銀行静岡支店が発表した、静岡県内の経済波及効果の推計179億円を大きく上回るもので、オール浜松で組織した「おんな城主 直虎 推進協議会」の構成員が全力で取り組んだ結果です。

今後も、この経験を生かし引き続き“出世の街”を活用したシティプロモーションや湖北五山をはじめとする歴史遺産を活用した観光誘客により、交流人口のさらなる拡大を図っていきます。

私からの発表は以上です。

質疑

大河ドラマ「おんな城主 直虎」放送に伴う当地域への経済波及効果について

記者:データを見ると観光客の増加そのものは若干目標に達していないように思えるのですが、いかがでしょうか?
観光・ブランド振興担当部長:観光交流客数については、年度で算出しているので、まだ平成29年度分は出ていない状況です。今ここで言う経済波及効果は直虎放送年の1月~12月で出していますので、その数字を基に算出しているものです。

記者:この資料にある観光客増加数よりも、年度で算出した数字の方が増えるということですか?
観光・ブランド振興担当部長:まだ数字としては平成29年度が終わっていないので、確定数字は言えませんし、今の現状でこの数字を上回るか下回るかは分かりません。

記者:上田市が「真田丸」で経済波及効果を出した時には、長野県に200億円の効果があったということです。今回はその数字を上回っていますが、市長の受け止めをお聞かせください。
市長:算出方法が同じなのかどうかは分かりませんが、上田市を上回る経済波及効果を得られたことは大変喜ばしいことですし、やはり浜松市を挙げていろいろな方に取り組んでいただいた成果の表れではないかと思っています。ぜひこうした取り組みを今後も継続していきたいと思います。

浜松市舞阪サテライトオフィスの利用者募集開始について

記者:サテライトオフィスとは別に、昨年トライアルオフィスがザザに開設されましたが、その成果はどうだったのでしょうか?
産業部長:トライアルオフィスについては、現在40社ほどの登録いただき、いつでも自由に使えるような位置づけになっています。今回の舞阪のサテライトオフィスについては、いわゆる貸しオフィスという位置づけで、トライアルのお試しのものとは性格が異なり、実際にそこで執務をしていただくというものです。もちろんそこのリンクは期待していますが、昨年の3月と11月にツアーを行って、実際に現場を見ていただいて、そういった方々の中から新たに募集していくというものです。

記者:トライアルオフィスで試して良いと思ってもらったら、浜松に本格的なオフィスを構えるというのがトライアルの意義だと思っていたのですが、トライアルオフィスから舞阪のサテライトオフィスに移っていただけるような感触はありますか?
産業部長:トライアルオフィスについては、まずは浜松にビジネスチャンスがあるかなどの情報収集をしていただく段階のものでして、サテライトオフィスはビジネスの需要がある方向けのものとなります。我々としてはそこがリンクされれば一番好ましいことではあるのですが、トライアルについては舞阪のサテライトばかりがターゲットというわけではなく、市内の空きビル等に入居する方もいるので、こういったロケーションを好まれるような方に来ていただきたいと思っています。

記者:浜名湖畔にある民間のテナントを借りるより、サテライトオフィスに入ったほうが良いというメリットはあるでしょうか?
産業部長:市外からの入居費用については、減免措置を講じることとしています。賃料については、平米あたり1,560円と正規では試算していますが、これを1/2まで、市外からの入居についてはスタートアップのサポートを考えています。

記者:こうしたベンチャーオフィスは民間でもやっているので、民業圧迫になるのではないかという心配もありますが、どのようなすみ分けをしていきますか?
市長:これは市の姿勢を表す意味で大事だと思っています。必ずしも民間と競合するような場所ではなく、浜名湖畔には私が知る限りサテライトオフィスがあるという情報は得ていません。この水辺環境を気に入って浜松に移り住んで来られるような社長もいらっしゃるので、ワークライフバランスの取れる非常に良い環境で、そういったことを訴求していくと同時に、浜松がそこまで力を入れてベンチャー支援に取り組んでいるということをPRする意味でも、シンボリックな取り組みの一つだと思っています。

記者:関連して、残念ながら製造品出荷額が静岡市に抜かれてしまいましたが、改めて産業振興策にどういう形で取り組んでいきますか?
市長:製造品出荷額が落ちたというのは残念ではありますが、大きな原因は海外生産比率が上がっているということです。特に浜松をベースにした大手のものづくり企業がトヨタ・マツダ・スバルに比べると非常に海外生産比率が高くて、そうした点で影響があることと、それに追随して中小企業の皆さんも現地法人を設立するということで、どうしてもそういう影響で市内での製造は減る傾向にあります。ただ業績だけ見ると、どの企業も大変良い業績を上げていますので、税収や雇用などは決して大きなマイナスにはなっているということはありません。短期的に見れば、そこは冷静に見ていくべきだと思いますし、長期的に見れば静岡市との違いは、浜松は輸送機器産業の比率が高いということがあるので、やはり産業の多角化ということにも取り組んでいかなければならないと思います。ものづくりの分野でもいろいろな産業を掘り起こしていくために産業イノベーションに取り組んだり、新たな成長分野を定めて事業の推進をしたり、一方で、ものづくりだけではなくて林業・農業といった第1次産業あるいは観光といったサービス産業、第3次産業を振興して、トータルとして産業力の強化を図っていくということを将来に向けて備えていきたいと思います。また、輸送機器産業については、今度「次世代自動車センター」ができますが、EV化や自動運転の流れ等ありますが、それに対応して将来の方向をしっかりと官民一体となって対策をしていくということです。産業政策は1つではないので、総合力で対応していきたいと思います。数字自体については、冷静に見ていく必要があると思います。決して雇用・税収に大きな影響が出ているという状況ではありませんので、そこは冷静に見ていきたいと思います。

記者:数字を冷静に見るとしても、残念なのは残念ですか?
市長:数字が減るというのは残念ですが、海外での生産を含めて考えればスズキは最高益を出されるとか、どの企業も伸びているので、グローバルでとらえれば決して悲観することではないと思います。
産業部長:静岡市が伸びている要因としては、浜松とは産業構造が違っていて、特に静岡市が強い白物家電は、円安傾向で海外生産が国内に還流しているという全国的な傾向がありますが、輸送機器についてはロットが大きいので、一度出てしまったものはなかなか戻すわけにはいかないということで事情が違う部分があります。トータルで申し上げれば企業としての収益ベースが劣っているということではないということをご理解ください。

行政区の再編について

記者:もし住民投票を行うとすれば、どのような状況の時でしょうか?
市長:現在、特別委員会でもご審議をいただいていますので、今そういう仮定の話は申し上げられないというのが現状です。また状況が進んだ段階で、内部でもしっかり検討した上で、ご報告を申し上げたいと思います。

記者:今日、特別委員会で審議があって、仮に案がまとまれば一歩前進ということになりますが、いかがでしょうか?
市長:スケジュールが遅れ気味ですので、案がまとまって早急にさまざまな皆さんからご意見をいただける取り組みに移ることができれば、一歩進んだと言えると思います。

記者:市の方向性が決まって条例を改正するとなると、議会に提出するのは来年の6月ごろになると思います。市長の任期が終わった後になりますので、立ち会うことができなくなりますが、4期目への考えはありますか?
市長:特にまだ考えていません。これからしっかり区の再編の推移を見ながら決断をしていきたいと思います。

浜松医療センターの新病院建設について

記者:工事の施工予定者との契約が中止される見通しですが、それについての市長のお考えを教えてください。
市長:スケジュールが遅れる可能性が出てきたというのは非常に残念ですが、この刑事告発は重いことでして、私どももしっかりと措置・対応をしていかなければならないので、一定の遅れは覚悟せざるを得ないと思います。この問題が決着して、後顧の憂いなく発注の活動ができればと思います。

人事異動について

記者:特に印象に残ったのが山名さんの政策補佐官、佐藤さんの浜松地域イノベーション推進機構ですが、その狙いを教えてください。
市長:山名さんはこれまで企画調整部長として頑張っていただきましたし、今後政策調整の役割は非常に大きくなりますので、ベテランとして庁内をまとめる役割を担っていただきたいと思います。佐藤さんについては、いよいよ次世代自動車センターができますので、これは浜松にとって非常に大事なことですし、その核が浜松地域イノベーション推進機構になります。もう一つ、光電子産業の技術を今後どう次世代自動車に応用していくのかというのが課題になってくるので、このセンターの運営というのは重要になってきます。ということで、産業政策で経験豊富な佐藤さんにそちらに行っていただくということです。

障がい者へのバス・タクシー券助成について

記者:2月議会で制度変更の見直しに関する付帯決議がされましたが、それについて市長の所感を教えてください。
市長:付帯決議がされたというのは重く受け止めていますので、対応していくつもりでいます。私も国会議員の経験がありますが、国会ではよく付帯決議をすることが多くて、私も毎回のように付帯決議をしていましたが、これは法律や施策をこういう点に留意して運用してほしいということでされるものなので、今回の議会の意思を重く受け止めて対応していきたいと思います。

野球場の建設について

記者:野球場関連予算の議決がされましたが、市として改めて県に要望する考えはありますか?
市長:市として行く必要があれば行きますが、すでに我々としての要望は何度もしていますし、知事もそのことを十分認識していただいています。私の認識としては、議会としてのしっかりとした意思表明をいただきたいということだろうと思いますので、ぜひ早く一定の結論を出していただきたいと思います。

記者:市長としては、議会の今後の動きを静観するということですか?
市長:私から議会に何か働きかけるのは難しいので、そうしたお願いはするかもしれませんが、議会の動きを待つということになります。それが二元代表制ということだろうと思います。

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