更新日：2023年12月1日

市長コラム（2019年6月）

「令和」新時代スタート！

令和の時代がスタートしました。昭和、平成、それぞれに時代の空気や特徴がありましたが、令和はどんな時代になるのでしょうか?私は2つのことに注目しています。一つは人口減少であり、もう一つは、第4次産業革命といわれる大技術革新です。

人口減少は、これまで人口が増え続ける時代を生きてきた私たちが、初めて経験する現象です。出生率が2.07を超えないと人口は減りますが、1970年代に2を切った出生率は、その後ずっと低い水準のままです。しばらくの間は、寿命の急速な伸びなどで、人口減少を回避できましたが、いよいよ減少局面に入りました。

人口減少を食い止めるため、国は国全体の人口ビジョンを策定するとともに、全ての自治体に、同様の人口ビジョンとその達成のための総合戦略の策定を命じました。国の人口ビジョンでは、2060年に1億人を維持するという目標が設定されていますが、浜松市は、2060年に66万人の人口を維持することを目標としています。国は2040年、浜松市は2035年までに出生率を2.07に回復をするという前提条件付きです。しかし既に40年以上、2を切っているわけですから、15年先に2.07に回復させるというのはかなり高い目標です。

いずれにせよ一定程度人口が減ることは明確ですので、私たちはそれを前提に今から対策を講じていかなければなりません。人口が少々減っても、活力ある地域をつくるための地域活性化も必要ですし、持続可能な都市経営に向けたさまざまな改革も実施しなければなりません。

一方、人口減少問題を吹き飛ばしてくれるかもしれないのが、第4次産業革命と呼ばれる大技術革新です。AIやIoT、ロボット技術などの急激な進歩が、世の中を劇的に変えると言われています。人口減少による深刻な人手不足も、AIやロボットの活用で人間の労働の代替や補助が可能となれば、生産効率の飛躍的向上が期待できます。

生活も便利になります。シェアリングサービスやデマンドサービスなどの普及により、個人のニーズに合わせた物やサービスを、必要な時に必要なだけ手に入れることが可能になります。

高齢者にとっても技術革新が大きな福音となりそうです。ウェアラブルと呼ばれる着用できるコンピューターや検査機器が実用化されれば、絶えず健康管理が行われ病気を防いでくれます。自動運転によって公共交通が維持されれば、免許がなくても移動手段が確保されます。

これらの予測はほんの一部です。第4次産業革命によって、解決困難と思われていた多くの課題を克服することができます。人口減少は脅威ではありますが、技術の活用や知恵の結集によって、より住みやすく、生きやすい社会をつくることが、令和の時代には求められるのではないでしょうか。