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更新日:2023年12月1日

市長コラム(平成30年5月)

ごみ削減で税金の有効活用を!

今月号の特集は、ごみの資源化やごみの削減です。ごみの回収や処理は、衛生環境を保持し快適な市民生活を守る、自治体にとっては重要な仕事です。しかしできれば、その仕事は最小限に止めたいというのが私たちの願いです。

なぜならごみ処理は、焼却によって排出される二酸化炭素と埋め立て処分となる灰しか生み出しませんが、その割には多額のコストがかかるからです。もしごみを減らし処理費用を削減できれば、教育や福祉など、もっと前向きな施策に税金を活用できます。

市長に就任したばかりの十年ほど前、最新鋭の西部清掃工場が稼働し始めました。ところがほぼ同じ時期に、「南部清掃工場の大規模改修で百億円近い費用がかかる。しかし南部清掃工場は古いので、十数年で廃炉にしなければならない。その間に新しい清掃工場を整備する必要がある」との報告を受けました。さらに新清掃工場が稼働する頃には、西部清掃工場が大規模改修時期を迎えます。これら整備費に加え、清掃工場の維持費やごみの収集費などを考えると、「ごみ処理というのは、恐ろしくお金がかかるものだなあ」というのが、最初の痛烈な印象でした。

現在計画中の新清掃工場が完成し、稼働し始めた後の浜松市のごみ処理費用を試算したところ、一年間で79億7千万円かかることがわかりました。市民一人当たり年間およそ1万円です。四人家族のご家庭なら、年間4万円もごみ処理にご負担いただくことになります。ちなみに79億円というのは、商工費の年間予算とほぼ同額です。浜松市の大事な産業政策にかける費用とごみ処理費用が同額というのは、実に複雑な気持ちになります。

市民の皆さまも、ごみ処理にこんなに多くの税金が費やされていることが分かれば、ごみ減量の必要性をご理解いただけるのではないでしょうか。

ごみの減量化は、市民一人一人のちょっとした努力で可能となります。詳しくは特集をご覧いただきたいのですが、燃えるごみの多くを占める雑がみを分別し資源化することと、生ごみの水切りを行っていただくだけで、大幅に減量が可能となります。

ごみの総量が減れば、ごみ焼却施設の規模を縮小できるので、建設費などが削減できます。そうなれば節約できた税金は、子供たちの教育や高齢者福祉など、もっと前向きな施策に振り分けることができます。

ぜひ市民の皆さまには、こうした事情をご理解いただき、ごみの減量化にご協力いただければ幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。

西部清掃工場

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