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更新日:2023年12月1日
全国一律に国が決めている規制が、地方の自発的な取り組みを阻害しているという問題があります。市でさまざまな施策を推進していると、私たちもよくこうした規制に遭遇します。先日も実に不合理な規制に引っ掛かりました。
現在、国道257号線の石岡交差点(北区細江町三和)で慢性的に渋滞が発生しています。そこで改善策として、交差点を迂回するミニバイパスを整備しようという計画をつくりました。ただしこのバイパスは、天竜浜名湖鉄道を横断しなければなりませんので、新たな踏切の整備が必要となります。この踏切の新設が国の規制に引っ掛かりました。
その規制というのは、新たな踏切をつくる場合には、どこか一つ既存の踏切を廃止しないと許可しないというものです。しかもこれは法律ではなく、役所の内規です。つまり法律ではないが、役所の命令に従えというわけです。
理由として、踏切は基本的に危険なものだから、できる限り数を減らしたいので、新設する場合には、どこか廃止しないと許可しないというのです。しかし既存の踏切は、地域の皆さんが利用しているので、廃止しようとすれば反対が起こり、現実にはなかなか廃止できません。結果として踏切の新設は容易でなくなります。
確かに東京の小田急線や京王線のように、数分に1本電車が通るような都会の路線では、新たな踏切をつくることは、列車事故の危険が増すなど、影響が大きいことは理解できます。しかし、天竜浜名湖鉄道の場合、1時間に1本電車が通るかどうかというローカル線です。都会の路線と同一の基準で規制するというのは理解に苦しみます。
国は「踏切は危険」と紋切り型に規制するのですが、天竜浜名湖鉄道の場合、過去3年間に起こった事故は、軽微なものが1件で、けが人などはゼロです。一方、石岡交差点付近では、3年間に100件近い交通事故が発生しています。どちらが危険かは明白であり、バイパスを整備して渋滞事故対策を行うことの方が合理的なことは、誰にでも理解できます。
しかしこうした訴えをしても、規則だから駄目だの一点張りです。要は、浜松だけ例外的に許可して、事故でも起こったら責任問題になるので、規則通りに処理している方が無難だと考えているとしか思えません。
今回ご紹介した事例は氷山の一角です。こうした規制はあちらこちらにはびこっていて、地方の取り組みを阻害しています。私が、現在の中央集権的な国の統治の仕組みを壊し、真の地方分権を実現したい理由の一つがここにあります。
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