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更新日:2023年12月1日
皆さんも既にご存じの通り、第156回直木賞に、作家・恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷(えんらい)」が選ばれました。この小説が、浜松国際ピアノコンクールを題材に書かれた作品ということで、浜松が一躍脚光を浴びています。
小説自体は、架空の市で行われるコンクールの予選から最終選考まで、個性豊かな出場者の挑戦を、見事なまでの表現力で描き切ったものですが、一読すれば浜松のコンクールであることは明らかです。それもそのはずで、恩田さんはこの作品を書くために、第4回コンクールから、実に足かけ12年間、浜松へ通い詰め、通算4回に及ぶコンクールの全ての演奏を聴いていらっしゃいます。構想、取材12年、執筆7年という大作です。
登場人物も全て架空の設定ですが、故中村紘子先生を彷彿(ほうふつ)とさせる審査委員長が登場したり、ひょっとしてこの登場人物は、コンクールに出場したあの人ではないかしらと想像させるような人物が描かれたりしていて、浜松のコンクールをよく知っている人なら、何倍も楽しめる作品です。本来なら上下2冊になるような長編ですが、私も一気に読破してしまいました。
浜松国際ピアノコンクールは、世界的にも大変評価の高いコンクールに成長しましたが、こうして著名な作家に関心を持っていただき、素晴らしい小説に結実したことは感無量です。
恩田さんは本来浜松とは無縁ですが、浜松のコンクールが、若手ピアニストの登竜門であり、入賞者がその後、ショパンコンクールやチャイコフスキーコンクールなど、世界的なコンクールで優勝し、活躍していることを知って、浜松のコンクールに興味を持たれました。そして足繁く通う間に、すっかりファンになっていただきました。
1991年に、市制80周年を記念し、楽器の街であり、音楽の街である浜松の象徴的な事業としてスタートした浜松国際ピアノコンクールが、多くの関係者のご努力でここまで成長してきたことは、本当に誇らしいことだと思います。
故中村紘子先生をはじめ、素晴らしい先生方に育てていただいたということも成功の一因です。ヤマハ、カワイなど、世界的なピアノメーカー、楽器メーカーの街であり、そうした企業の厚いご支援があったことも確かです。しかし何よりも、浜松のコンクールの特徴となっている、数多くの市民ボランティアの活躍を忘れることはできません。このことは、恩田さんの小説の中にもしっかりと書かれています。
今後、浜松国際ピアノコンクールが益々飛躍していくためには、引き続き市民の皆さまのご理解とご支援が必要です。どうぞよろしくお願いいたします。
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