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更新日:2023年12月1日

市長コラム(平成28年6月)

若者よ!海外へ飛び出そう

2020年は、いよいよ東京オリンピック・パラリンピック。開催に向けたムードが徐々に上がっています。事前合宿などの誘致を通じて、海外とのネットワークを広げようと、全国の自治体も動き始めました。浜松市もブラジルなど、以前より関係の深い国へのアプローチを始めています。世界が身近になる絶好の機会です。

前回の東京オリンピックの時、私は小学校1年生でした。学校から帰るとテレビの前にくぎ付けになって、各国選手の活躍を食い入るように見ていました。世界を初めて意識した瞬間でした。

オリンピックが終わってしばらくした頃、学校の先生が「君たちが大人になる頃は、気軽に飛行機で海外へ行く時代が来る。世界は今より、ずっと身近で日常的なものになるよ」というような内容の話をしてくれました。庶民にとって、当時は海外へ出かけることなど、想像もできませんでした。先生は身近になると言ったけれど、一生の間に、海外へ行くことなんてあるのだろうかとも思いましたし、一方では、見知らぬ外国へ行ってみたいという、漠然としたあこがれも湧いてきました。

あれから50年以上がたち、羽田空港だけだった国際空港も全国に整備され、飛行機も分単位で離発着する時代になりました。出張などで、時々海外へ出かけますが、シーズンオフでも、飛行機はほとんど満席状態。大型連休の時には、必ず空港が取材され、海外旅行へ飛び立つ家族連れなどがインタビューされますし、最近は、ジーンズにスニーカーなど、旅慣れたいでたちの、中高年海外旅行客も増えました。まさに50年前、学校の先生が予言した通りになりました。

しかし一方で、若者の海外志向が衰えていることが問題視されています。かつてはチャンスを見つけて、海外留学しようという若者が数多くいました。海外の大学や大学院、研究機関などで学んで、自身のキャリアアップをはかることは、ごく普通の感覚でした。ところが最近は、そういう若者が減少しているようです。

浜松国際ピアノコンクールの審査委員長を務めて頂いた海老彰子先生が「私たちの若い頃は、海外の一流の先生に師事して、世界で活躍できる演奏家を目指したものですが、最近の若い方は海外へ出たがりません。問題ですねえ」と、おっしゃっていました。音楽に限らず、どの分野でも留学生が減少するという状況が続いています。長期的に見れば、これは国力低下の大きな要因となります。留学生が増えている新興国などに負けないためにも、若い人たちには、どしどし海外へ雄飛してもらいたいものです。

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