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更新日:2023年12月1日

市長コラム(平成26年11月)

東海道新幹線開業50年

先月、東海道新幹線(以下、新幹線)が営業開始してから50年が経過し、各地でお祝いが催されました。

新幹線は開業以来、浜松市の発展に大きく貢献してくれましたし、多くの浜松市民の皆さまに、さまざまな思い出を残してくれたのではないでしょうか。

私自身、新幹線とともに成長してきた世代ですので、人生の節目節目でいろいろな思い出があります。新幹線が営業開始した昭和39年当時、私は小学校1年生でした。飛行機のように速い電車が走るというので、子ども心にも妙に興奮しました。

そんな新幹線に、最初に乗車したのは、翌年の夏休みのこと。父に連れられて東京へ行く時に乗ったのですが、最新の乗り物に乗った満足感とアイスクリームがとてもおいしかったことを覚えています。最近知ったのですが、新幹線名物のアイスクリームは父の好物だったようです。

その後も、大学に入学し、初めて親元を離れて上京する時に乗った新幹線、選挙で初当選し、国会へ初登庁する時に乗った新幹線など、人生の節目における東京までの乗車時間は、さまざまな感慨に浸る時間でもありました。

今や、浜松と切っても切れない新幹線ですが、浜松駅開設は順風満帆ではなかったようです。というのも、当初の計画には、浜松に駅をつくる予定はなかったそうで、それを知った市民の熱心な陳情の結果、駅の設置が決まりました。ところが次に、設置場所が問題になりました。計画では、現JR浜松工場付近につくられる予定だったのを、これも市民の願いにより、在来線と乗り入れている現在の駅になったそうです。まさに浜松市民の「やらまいか精神」のなせる業です。

現在、リニア中央新幹線の計画が進行中です。50年前の東海道新幹線沿線自治体のように、長野、山梨両県では、日に日に期待が膨らんでいます。もちろん直接的には、リニアの沿線自治体にメリットがありますが、私は東海道新幹線沿線こそ、大きなメリットを享受できるのではないかと考えています。

なぜなら、現在一番多く走っている「のぞみ号」は、浜松にとっては通過交通であり、何のメリットもありません。しかしリニアが完成すれば、のぞみの役割をリニアが担いますので、東海道新幹線のダイヤが大幅に自由になり、浜松駅への停車本数の増加が期待できます。静岡県は関係ないからと、リニアに無関心ではいられません。そこで、飯田市などと連携して、三遠南信地域広域連携の取り組みの中で、リニアの早期開通を目指したいと思います。東海道新幹線は、まだまだ進化発展が期待できます。

昭和39(1964)年、市内を走る開業当時の東海道新幹線
昭和39(1964)年、市内を走る開業当時の東海道新幹線

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