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更新日:2023年12月1日

市長コラム(平成26年6月)

輝きを増す徳川家康公

来年は、徳川家康公が逝去されてから400年の節目の年です。現在、静岡県、浜松市、静岡市、岡崎市の1県3市で家康公顕彰四百年記念事業を企画、推進しています。この機に家康公の功績を、再度世に問うていくのを目的として、行政と商工会議所などが中心となった実行委員会が、事業を進めてまいります。

家康公の評価は、ひと昔前は「たぬき親父」などと呼ばれ、あまり芳しいものではありませんでした。織田信長公が戦国の世を終焉(しゅうえん)に導き、豊臣秀吉公が平定した天下を、後から奪い取ったずるがしこい人間といったイメージが付きまとっていたからですが、最近はがらりと評価が変わりました。

若い頃から苦労を重ね、幾度も危地を脱しながら実力を身につけ、最終的に徳川幕藩体制という、260年続く太平の世の礎を築いたのですからとてつもない偉業です。特に260年間、戦争のない平和な時代が続いたことは、世界の歴史から見れば奇跡であり、国際的な評価が高いのもそのためです。

また江戸時代が、食料、環境などの面で見事な循環型社会であったこと、江戸文化という独特の文化をつくりあげたことも高く評価されています。家康公の評価はむしろ海外で高く、逆にそれが日本国内での再評価につながったのではないかと思います。

市では、家康公が天下人へ登っていく過程の中で、29歳から45歳という一番重要な時期を浜松で過ごされていることに着目し、出世城の異名を持つ浜松城とともに、さまざまな発信をしていく予定です。これまで出生地である岡崎や晩年を過ごした静岡などが家康公ゆかりの地とされてきましたが、死をも覚悟した三方ヶ原の負け戦を含め、人生で最も苦しく、また最も飛躍した時期を過ごした浜松時代こそ評価されるべきです。静岡文化芸術大学の磯田道史教授という強力な助っ人も現れました。来年の400年を機に、今後は官民挙げて家康公の顕彰活動を推進してまいります。もちろん出世大名家康くんも頑張ります。

私も現在、家康ブームの火付け役となった山岡宗八氏の「徳川家康」を再度読み返すとともに、併せて日本経済新聞に連載中の火坂雅志氏の「天下(てんが)・家康伝」を読んで、改めて家康公に触れています。皆さんにもぜひお薦めします。

写真:徳川家康公

 

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