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更新日:2023年12月1日

市長コラム(平成25年12月)

写真:高齢者達のイベント

現在浜松市では、新しい総合計画の策定に着手をしました。総合計画は、市の将来ビジョンであり、今後の市政運営の指針となるものです。

次期総合計画の期間は、30年と定めました。この変化の激しい時代に30年は長すぎるというご指摘もありますが、人口が減少する一方、高齢者が増加していくという、本格的な人口減少・高齢社会が到来する中、どういう社会をつくっていくかという中長期ビジョンを、今から用意しておくことは重要です。状況の変化に対しては、10年に1度大きな見直しを行いますし、毎年の実施計画の中で時点修正を加えていくので、大きな問題は生じないと考えます。

私は大学を卒業した1980年に、第1期生で松下政経塾へ入塾したのですが、設立者である故松下幸之助翁は、常に日本の将来のことを考えておられました。「このままの政治を続けていたら、21世紀には、日本は大きな借金を抱えて国が破綻の危機に陥るだろう。そうならない前に、道州制を基本に地方分権を推進し、中央集権のしくみを変えていかなければならない」「21世紀には必ずアジアに繁栄の中心がめぐってくる。その時までに、日本の政治を正し、内政、外交ともにしっかりさせないと、中国がアジアの中心になってしまう」

今振り返ってみると、どれも見事に今の日本の状況を言い当てています。松下翁は、政治や行政を専門的に勉強したわけではなく、卓越した経営者としての勘から、近未来の日本の問題を見抜き、警鐘を鳴らしていたのです。そしてPHP研究所や松下政経塾をつくって、世直し運動に取り組みました。
 
30数年前、もし日本の舵取りをする政治家たちが、松下翁と同じような危機感を共有し、長期的な視点で必要な施策や改革を実行していれば、日本はこんな膨大な借金を背負うこともなかったし、国際社会における地位ももっと高かったに違いありません。

長期的な視野に立って、物事を進める必要性は、国だけでなく私たち自治体も同様です。例えば本格的な高齢社会の到来が予測できているのですから、今から高齢者が活躍できる場や機会をたくさんつくって、元気な高齢者が、社会の活力源になるくらいの環境を整えれば、高齢社会は怖くありません。先手、先手で手を打つことが大事です。

浜松市は新総合計画の中で、しっかりとした未来予測の下、課題解決型の先進都市を目指してまいります。
 

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