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更新日:2023年12月1日

市長コラム(平成25年8月)

将来世代への責任 2013年8月号

日本の将来を考えると、いくつか懸念されることや心配事があります。いずれ起こることが予想される大地震もその一つ。今月号の特集でも、静岡県の第4次地震被害想定への対応の記事を掲載させていただきましたが、正しく状況を分析して、冷静に対応をしていくことが重要です。

さてもう一つ、気になることがあります。それは日本の財政状況です。1000兆円を超えた政府の借金が、ダントツで世界一であることは皆さんもご存じの通りですが、それがどれくらい深刻なのかは、専門家によって諸説分かれます。しかしこのまま放置し続けることが不可能なことは、全員異論がないところです。

特に諸外国の日本に対する見方は年々厳しくなっています。そうした中、2010年に政府は「日本は2020年度までにプライマリーバランスを黒字化する」ことを、国際公約として宣言しました。プライマリーバランスとは、毎年の歳入と歳出のバランスのことを指しますので、黒字化というのは歳入の範囲内で支出を行うことを意味します。ちなみに赤字幅は毎年大きくなり、昨年度は30兆円以上となりました。従って約束を守るためには、2020年までに30兆円の赤字を解消しなければなりません。安倍総理も公約堅持を、改めて国際社会へ向けて公表しているので、世界は日本の達成を固く信じています。

赤字解消の方法は、収入を増やすか支出を切り詰めるしかありませんが、現状ではその両方をやらないと公約達成は不可能です。今後2段階で消費税が10%に引き上げられる予定ですが、増税で増える収入と期待される税の自然増を足しても15兆円程度。つまり30兆円のうちの残り15兆円をどう埋めるかということを、さらに考えなくてはなりません。しかしこれ以上の増税は、当面国民の理解を得られるとは思えません。

とすれば、残された道は一つ。支出の切り詰めしかありません。支出を切り詰めるためには、増えている支出を減らす必要があります。では増えているものは何か。それは社会保障関係費と自治体関係費の二つ。自治体関係費というのは、地方自治体に交付される交付税や交付金の総額のことです。つまり、私たちも他人事では済まされないということです。

市はこれまでも不断の行財政改革などにより、健全財政を進めてきましたが、国の状況や市の将来を考えれば、一層の努力が必要です。今後もしっかり財政運営を行ってまいりますので、市民の皆さまにも、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

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