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更新日:2023年12月1日
私は市長就任以来、「こども第一主義」に基づき、教育の充実に務めてまいりました。行政の役割において、現在の課題にどう取り組むかということも大事ですが、未来に対して責任を負うことは
もっと大事です。中でも教育は子どもたちの人生を大きく左右するという点で最も重要です。
教育は制度整備も必要ですが、最終的には先生をはじめ、子どもたちに関わる人々の姿勢が重要です。特に感受性の強い時代に出会った先生や、そのユニークな取り組みによって、その後の人生に大きな影響を受けることがあります。
私が小学校5、6年だった時の担任は、まさにそんな先生でした。小学校ですから、音楽などを除き、全ての教科を担当されていましたが、特に国語が専門でした。その先生のユニークな教育に、1200字日記という取り組みがありました。
普通、原稿用紙は400字ですが、特別に1200字の原稿用紙を作って、毎日生徒に日記を書かせるのです。400字でも毎日となると苦痛なのに、1200字ですから大変です。ネタを探し出すのに四苦八苦。私の親友に作家の鈴木光司君がいますが、二人で毎日何を書こうかと頭を抱えていました。
そのうちに私は、テレビのニュースで報じられる政治問題や社会問題などの感想を書くことにしました。これですとネタが尽きません。政治や社会問題に関心を持つようになったのは、1200字日記が発端かもしれません。
光司君の場合は、自分で創作した物語を書くようになりました。これもいいアイデアです。続き物にすれば毎日書くことに困りません。その物語は、少年がいかだに乗って、太平洋を冒険するというストーリーでした。彼のデビュー作は、『楽園』という海洋冒険もので、その後も何作か海洋小説を書いています。私生活でも海が大好きで、暇さえあればヨットに乗っています。彼がデビューしたころ、「『楽園』の原型は、小学校時代の日記だろう?」と質問すると、「よくわかったな」と言って、にやにやしていました。
私の場合、今の仕事に小学校時代の体験が生きているかどうかは定かではありませんが、鈴木光司という小説家の誕生には、1200字日記が大きく影響していることは間違いありません。
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