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更新日:2023年12月1日
先日あるシンポジウムでご一緒したパネリストの人から「息子を通じて浜松市にはとても親近感を抱いている」と言われました。どういうことか尋ねてみると「息子はピアニストで、しばしば全国のホールのピアノの選定を頼まれることがあり、そのたびに浜松のピアノメーカーを訪問している。その息子から浜松の話を聞くので、自分も知らず知らずのうちに親近感が湧くようになった」とのことでした。初めてお会いした人から自分の街のことを褒められ、とてもうれしくなりました。
浜松が楽器の街であることは、二輪・四輪の街とともに、大きな特徴の一つです。以前、米国アナハイムで開催される世界最大の楽器見本市である「NAMM Show Show(ナムショー)」を(訪問したことがありますが、ヤマハ、カワイ、ローランドなど、浜松の楽器メーカーの存在感に驚嘆しました。楽器メーカーは小規模な会社が多く、広い会場に小さなブースが所狭しと並んで
いる中にあって、ひときわ大きなブースを出展しているのがこの3社でした。改めて浜松が世界的な楽器の街であることを再確認させられました。
浜松市は多年にわたり、音楽の街づくりにも取り組んでまいりました。代表的な事業に、浜松国際ピアノコンクールがあります。既に通算で10回開催されており、今では「若手ピアニストの登竜門」として、世界的な評価をいただくまでになりました。直木賞と本屋大賞のダブル受賞でベストセラーとなった、作家恩田陸さんの小説「蜜蜂と遠雷」は、ピアノコンクールをテーマとした作品ですが、その舞台が浜松国際ピアノコンクールだったことから、大きな話題にもなりました。残念ながらコロナの影響で、第11回のコンクールは中止を余儀なくされましたが、今後世界有数のピアノコンクールに成長していくことが期待されます。
「やらまいかミュージックフェスティバル」のような市民手作りの音楽祭をはじめ、さまざまな草の根音楽イベントが開催されていることも浜松の特徴です。3大楽器メーカーなどへ、全国から音楽好きの若者が就職し、浜松へ定着することから、自然に演奏者や音楽愛好者の層が厚くなることも、音楽文化を支える一因かもしれません。その証拠に、ヤマハ吹奏楽団は、全国吹奏楽コンテストの大賞受賞の常連ですし、中学校、高等学校も高いレベルにあります。
こうした音楽への取り組みが評価され、2014年には、ユネスコ創造都市ネットワークの音楽部門に、浜松市はアジアで初めて加盟できました。このように「楽器の街・音楽の街」は、自信をもって世界へ発信できる浜松の特質ですので、今後もしっかり継承していきたいものです。
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