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更新日:2021年8月5日

市長コラム(2021年8月号)

「どうする家康」と「出世の街」

2023年の大河ドラマは、徳川家康公を主人公にした「どうする家康」です。2017年の「おんな城主直虎」、2019年の「いだてん」に続いて、再び浜松が脚光を浴びそうです。

タイトルが一風変わっていますが、これまでとはひと味違った家康公を描くのが狙いとのこと。従来の家康公像といえば、織田信長公、豊臣秀吉公が築き上げた天下を横取りした古狸といったイメージが強かったのですが、このドラマでは、1人の弱く繊細な若者が、大名の子として生まれた宿命を背負い、必死に悩み、もがき、苦しみながら乱世を生き抜き、やがて戦国の世を終わらせ、太平の世を築く「奇跡と希望」の物語になるそうです。今、最も期待されている脚本家の1人である古沢良太氏が、原作がない中で脚本を書き上げる異色の作品です。また家康公役も、人気アイドルグループ「嵐」の松本潤さんですので、従来の家康公像とは全く異なった作風になると思います。

作品のイメージからすると、浜松が取り組んでいる「出世の街」と非常に親和性がありそうです。「出世の街」の取り組みは、浜松城が「出世城」と呼ばれていることに、私が着目したのが始まりです。調べてみると、家康公が29歳から45歳という人生で一番重要な時期を浜松で過ごし、この間に五万石の小大名から百万石の大大名に飛躍し、天下平定の礎を築いたことが分かりました。また明治以降も、山葉寅楠(とらくす)氏、鈴木道雄氏、本田宗一郎氏など、世界的な経営者を次々と輩出したことから、浜松はまさにドラマのコンセプトである「奇跡と希望」に満ち溢れた「出世運」の根付く街であると感じたからです。ここから浜松のシンボルである市のキャラクター、「出世大名家康くん」も生まれたわけです。

私のイメージする「出世」は、高い地位に上りつめるという成功のことだけを指すのではなく、「大きな志や思い」を実現するという意味も含みます。徳川家康公にも、「厭離(えんり)穢土(えど)欣求(ごんぐ)浄土(じょうど)」の旗に象徴されるように、戦国の世を終わらせ、太平の世を築きたいという大きな志がありました。決して権力としての天下を手中にすることだけが、目的だったわけではありません。時代に翻弄(ほんろう)されながらもその大志を実現し、徳川280年の平和な時代を開いたという点が、家康公の真骨頂であり、「どうする家康」のテーマでもあると思います。

従って、ドラマと最も親和性の高い街はどこかと問われれば、生誕の地「岡崎」でもなく、隠居の地として選んだ「静岡」でもなく、必死に悩み、もがき、苦しみながら大きく成長を遂げた地「浜松」になるのではないでしょうか。この好機を生かして「浜松」をしっかりとPRし、地域活性化を進めていきたいと思います。

浜松城

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