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更新日:2023年12月1日

市長コラム(2020年6月)

急速に進むデジタル化

新型コロナウイルスとの闘いは、長期化しそうです。そして長期化すればするほど、その影響は大きくなります。コロナの猛威を戦争に例える人もいますが、大きな戦争が社会の構造や人々の価値観を変えるように、コロナが今後の世界や人間の生活を大きく変える可能性が出てきました。コロナと闘いながらも、私たちはコロナが変える未来を考えていかなければなりません。

大きな変化の一つが、情報通信技術やデータ技術を活用した「デジタル化」の伸展です。

今回のコロナウイルスが瞬く間に世界に拡散されたのは、大量の人間が驚くほどのスピードで、地球上を移動するようになったことが原因です。もし人の移動がなければ、コロナは中国の武漢市という一地方都市の感染問題で終わっていたかもしれません。それが世界的な問題になったのは、人間がウイルスを世界中に運んだからです。

従ってウイルス感染拡大を阻止するためには、人の移動を制限しなければなりません。そこで注目され始めたのが、人が集まらなくてもコミュニケーションがとれるシステムです。その一つであるZoom(ズーム)という、オンライン会議ソフトの利用が急拡大しています。世界的に株価が下落している中で、Zoomの株価は急騰しています。

私も頻繁に利用するようになりました。先日もある会議が取りやめになり、Zoomでの開催となりました。東京、浜松、名古屋、大阪など全国各地の参加者が、自宅に居ながらにして、会議を行うことができました。もちろん海外からの参加も簡単にできます。わざわざ集まらなくても、事が済むようになったのです。

最近は、「Zoom飲み会」というのもはやっています。「3密」を避けるため、飲食店の利用が制限される中、それぞれの自宅で飲みながら、Zoomでコミュニケーションをとる飲み会です。

コロナの感染拡大が終息しても、コロナウイルス自体はなくなりませんから、私たちは今後ウイルスと共存していかなければなりません。そうした中、Zoomのようなシステムは、ますます利用が広がると思います。

学校が長期休業を余儀なくされる中、自宅に居ながらにして学習ができる「オンライン授業」が、全国で導入されています。国が進めるGIGA(ギガ)スクール構想(※)と相まって、今後教育分野におけるデジタル化も急速に進みます。

ハードルの高かった「オンライン診療」、いわゆる遠隔でお医者さんに診ていただく仕組みも、あっという間に条件緩和されました。コロナウイルスは、日本の「岩盤規制」も次々と破壊しています。

くしくも浜松市は、昨年10月に「デジタルファースト宣言」を行い、今年度から本格的なデジタルの活用に取り組み始めました。皮肉なことにコロナウイルスが大きな追い風となっています。

※全国の学校に、1人1台の学習用パソコンや高速通信ネットワーク環境などを整備する構想

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