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更新日:2023年12月1日
先日、二週にわたり「ブラタモリ」(NHK)で浜松が取り上げられ、ウナギの養殖や楽器産業などが紹介されましたが、二週目の冒頭で、浜松元城町東照宮と二公像も放送していただきました。
二公像では、豊臣秀吉公と徳川家康公の二人の像の真ん中で写真撮影ができるようになっており、放送ではタモリさんがそこに立って写真を撮影する場面が流れました。この場所で写真を撮ると、天下人である二人のパワーが流れ込み、運気が上昇するという売り出し中の「パワースポット」です。
しかし、以前の浜松元城町東照宮は、浜松の人にもあまり知られていない存在でした。それが注目されるようになったのは、浜松市の文化顧問を務めていただいている歴史学者磯田道史先生のおかげです。磯田先生は数年前まで静岡文化芸術大学に在籍されていましたが、その折、私どもが進めている「出世の街 浜松」の取り組みに共鳴し、さまざまな応援をしていただきました。
その磯田先生がある日、興奮して市長室に飛び込んで来られ、次のようなお話をされました。「大変な発見をしました。浜松は、徳川家康公だけでなく、豊臣秀吉公にとってもゆかりの地です。浜松元城町東照宮のある場所は、浜松城ができる前のこの地域の拠点であった引間城の跡ですが、今川方の飯尾豊前守(いいおぶぜんのかみ)が城主だった頃、若かりし豊臣秀吉公が奉公していたという記録を発見しました。つまり秀吉公の武士としてのスタートは浜松ということになります。後に飯尾家が滅び、岡崎から浜松に移ってきた家康公が最初の居城としたのが引間城ですから、浜松元城町東照宮のある場所は、秀吉公、家康公という二人の天下人を生んだ“史上最強のパワースポット”なのです。」
その後、磯田先生は、この話を読売新聞で連載中のエッセーや、ベストセラーとなった『日本史の内幕』という著書の中などで紹介してくれました。私は直感的に、「ここは新たな観光スポットにできる」と考え、真ん中で写真を撮影することができる二公像として売り出しました。かつてはほとんど人の訪れることのなかった浜松元城町東照宮ですが、現在は観光客が足を運んでくれるようになりました。
新しい観光施設を次々と作ることはできません。しかし、今ある資源に、ストーリーや新たな価値を持たせ、観光スポットに仕立てることはいくらでもできます。かつて龍潭寺、大本山方広寺、初山宝林寺、大福寺、摩訶耶寺という五つのお寺を、浜名湖北岸に位置していることから、「湖北五山」という名称をつけてPRしたところ、「五山を巡る旅」といった商品もでき、以前にも増して観光地としての磨きをかけることができました。
今後も埋もれた歴史資源や観光資源を磨き上げ、魅力ある観光スポットに仕立て上げていきたいと思います。
浜松を訪れた総合格闘家の朝倉未来(みくる)さんも、二公像の真ん中でポーズ!
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