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更新日:2024年2月5日
介護の仕事と聞いて皆さんはどのようなことをイメージしますか?
今月号では少子高齢化の影響などにより需要が高まっている介護の仕事の魅力や、介護人材確保のための取り組みなどについて紹介します。
介護の仕事は支援の必要がある高齢者や障がいのある人などが、その人らしい暮らしを実現するためのサポートをする仕事です。主な仕事内容は食事や入浴の介助などの身体に直接接触して行われる「身体介護」と、身体介護以外で日常生活を営むことを支援する「生活支援」で、その内容は多岐にわたり、施設の種類などによっても異なります。
代表的な4職種を紹介します。
高齢者施設などで食事、入浴などの介助やレクリエーション、外出支援など日常生活全般の介助を行います。
主に自宅で暮らしている支援の必要がある人を対象とし、自宅などに訪問して食事、入浴などの介助や掃除、洗濯、調理などを行います。
介護サービスに関する相談対応やケアプラン(支援の必要がある人やその家族の希望をふまえ、支援の方針や解決すべき課題、提供される介護サービスの目標と内容などをまとめた計画書)の作成などを行います。
支援の必要がある人が高齢者施設などで生活するための各種相談への対応や、関係機関との調整などを行います。
厚生労働省「介護職員数の推移」によると、介護職員数は2000(平成12)年度にはおよそ55万人でしたが、2021(令和3)年度にはおよそ215万人と増加しています。しかし、少子高齢化の影響などもあり、介護職員の必要数には追いついていません。厚生労働省「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」によると、2025(令和7)年度にはおよそ243万人、2040(令和22)年度にはおよそ280万人の介護職員が必要とされていることからも、今後ますます介護の仕事の需要は高まっていくと考えられます。
INTERVIEW1
特別養護老人ホーム 第二南風 介護職員 鈴木明日香(すずきあすか)さん
Q. 介護の仕事に就くきっかけは?
A. 私が中学生くらいのころに祖母の持病が悪化して、祖父が祖母の介護をするようになりました。祖母はだんだんと衰弱していくし、祖父は介護の疲れから強い口調になることも増えてきました。そんな状況を見て、何もできない自分がもどかしくなって、介護について学んで大好きな祖父母の支援をしたいと思ったのがきっかけです。結果として祖母の介護をすることはかないませんでしたが、祖母の「介護の仕事をするなら、相手のことを考えて優しくしてあげてね!その気持ちは必ず伝わるから」という言葉を胸に介護の仕事を極めたいと思っています。
Q. 介護の仕事の魅力は?
A. 何十年という人生を歩んできた人たちが最期の瞬間までその人らしく生きられるように、自分なりに考えて支援できることが魅力だと思います。真剣に考えて支援をしていると、その気持ちは相手にちゃんと伝わっていて、笑顔やありがとうといった言葉になって返ってきます。そんな言葉を聞くともっとがんばろうと思います。
INTERVIEW2
特別養護老人ホーム 第二南風 施設長 川島理恵(かわしまりえ)さん
Q. 介護の仕事に就くきっかけは?
A. 母と福祉系の大学に通っていたアルバイト先の先輩から勧められて介護の仕事に就きました。
Q. 介護の仕事の魅力は?
A. 人とのつながりの大切さや感謝の気持ちを直接感じられることはもちろんですが、高齢者やその家族などと関わる中でさまざまな価値観に触れ、成長し、自分の人生の厚みが増していくことも魅力だと思います。
そのほかにも、私のように介護のことを何も知らないで就職しても、やる気を持って知識をつけたり、資格をとったりすれば、キャリアアップすることができるのも魅力だと思います。
Q. これからの目標は?
A. 介護の仕事を極めるための努力を続けるとともに、1人でも多く介護のプロフェッショナルを育てることで、介護の仕事に対するネガティブなイメージを変えていきたいです。介護の仕事は高齢者などが必要とすることを探し出して支援することで、生活を豊かにできる魅力的な仕事です。
2013(平成25)年度から市内の介護保険サービス事業所に勤務する介護職員などに対し、資格取得または更新に要した費用の一部を奨励金として交付しています。
https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/kaigo/welfare/caresp/news/201201kyaria.html
介護の現場で働く若手職員や福祉に関する学識経験者、介護保険サービス事業者、介護の仕事を目指す学生などさまざまな視点から、より効果的な介護人材確保策を検討するため、2021(令和3)年度に浜松市介護人材確保推進検討会を立ち上げました。
検討会では、介護の仕事に興味を持ってもらうための魅力の発信や、10年先も働きたいと思える職場などをテーマに議論を続けています。この後に紹介する「かいごTERAKOYA事業」と「ケアワーカーロールモデル構築事業」は検討会での議論を経て事業化されました。
夏休み期間中、介護職員などの子供(小学生)を介護施設で預かることで、安心して働ける環境を整備するために2022(令和4)年度から実施しています。介護施設での子供の見守りを大学生や高校生に担ってもらうことや、子供たちが介護施設で勉強したり遊んだりしながら、高齢者とも交流することで、学生と子供に介護を身近に感じてもらい、将来の介護人材確保につなげる狙いもあります。
2022(令和4)年度のアンケートでは、事業に参加した89%の学生が介護施設や介護の仕事に対するイメージがよくなったと回答しています。
https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/kaigo/20220624terakoya.html
2023(令和5)年度新規事業で、学生が介護現場で働く職員を取材し、取材を通じて発見した介護の仕事の魅力などをレポートや動画にまとめ、広く情報発信します。
学生が作成したレポートや動画は浜松市のホームページやユーチューブチャンネル「はままつ動画チャンネル」で現在公開中です。ぜひレポートや動画を見て、学生たちが発見した介護の仕事の魅力を感じてください。
https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/kaigo/20240110rolemodel.html
魅力発見!動画コンテスト開催中
ケアワーカーロールモデル構築事業で学生たちが作成した動画のコンテストを2月末まで開催しています。魅力的な動画へ投票(ユーチューブ上で「高評価(イイね)」を押す)をお願いします。審査は、再生回数や高評価(イイね)の数などで行い、3月に表彰式を開催予定です。
INTERVIEW3
静岡文化芸術大学 中野紗也(なかのさや)さん(左)
静岡文化芸術大学 鷹森千佳(たかもりちか)さん(右)
介護の仕事については、テレビなどで見た印象しかなく、精神的にきつい仕事なのかなというイメージでしたが、取材して「人に寄り添うすてきな仕事」だと思いました。
取材した職員の人が、「相手の人と会話していくうちに、笑顔を見せてくれたり、これまでに経験してきたことを教えてくれたりするようになって、信頼してもらえていると感じる瞬間が好きなの。人に寄り添える介護の仕事って楽しいのよ!」と笑顔で教えてくれたのが印象的でした。
職場の雰囲気もあたたかい感じがしましたし、職員一人一人が相手のことをとても考えながら仕事をしていることが分かりました。
INTERVIEW4
天竜高等学校 松井春人(まついはると)さん(左)
天竜高等学校 大隅遥菜(おおすみはるな)さん(右)
介護の仕事は大変そうなどというネガティブなイメージを持つ人が多いかもしれませんが、取材した職員の人はさまざまな人とのつながりを大切にしながら、やりがいを持って楽しそうに仕事をしていました。特に高齢者などから「ありがとう」と声をかけられた時のとてもうれしそうな笑顔が印象に残っています。
私たちは介護の仕事に就くために天竜高等学校の福祉科で専門知識や技術を学んでいますが、今回取材をしたことで、将来、私たちが楽しく笑顔で介護の仕事をしている姿を明確にイメージすることができました。介護のプロフェッショナルを目指してがんばります。
https://www.kaigo-center.or.jp/report/2023r01_chousa_01.html(別ウィンドウが開きます)
これまで行われてきた処遇改善などの国や地方自治体の政策により離職率は2007(平成19)年の21・6%をピークに減少傾向にあります。
2022(令和4)年は14・4%となっており、同年の全産業の離職率15%(厚生労働省雇用動向調査)を下回っています。
介護職員が満足と感じている上位5項目は、グラフのとおりです。いずれも満足、やや満足と感じている人の割合は、不満足、やや不満足の割合を上回っています。
特に「仕事の内容・やりがい」については、満足、やや満足の合計が50%を超えています。
この特集に関するお問い合わせは、介護保険課へ(【電話】053-457-2862)
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