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更新日:2023年12月1日

講評・総評

花井教育長 講評

 皆さん、こんにちは。私は、皆さんが自分の住んでいる浜松や市政に対し、どのような興味や関心を持ち、どのような質問が出されるのか、大変楽しみに見守らせていただきました。

 いずれのグループも、浜松市が持っている良さをしっかりと感じながら、市の未来を真剣に考え、「こうあるべき」という理想や、「私たちだったらこうしたい」という大人顔負けの具体的な質問や提案を投げ掛けていただき、とても心強く感じました。

 それでは、個別のグループの質問について、感想を述べさせていただきます。

 「浜松のいいところPR」グループは、浜松の良さ、例えば豊かな自然、特産品、歴史的資源、音楽のまち、ものづくりのまちとしての魅力、交通の便の良さ、このようなものを強く感じ、共有をしていったと思います。その上でこの魅力が十分に発信できていないので、国内だけでなく海外にも発信する必要があると指摘をしてくれました。

 若い世代に「ものづくりのまち」をもっとアピールすれば、就職するときに浜松に住み続けるという選択肢も増えるのではないでしょうかという提言は、まさに今の浜松が抱えている重要課題の1つです。

 多文化共生社会に関する質問もいただきましたが、浜松の特徴を的確に捉えた大変素晴らしい着眼点でした。

 若者が浜松に就職し、浜松に住み続けるためには、どのような条件を兼ね備えていく必要があるのか。私たち行政に携わる者としても、真剣に考えさせられる内容でした。

 「特産物みんなに広め隊」は、浜松の数ある魅力の中から特産物に焦点を絞ってくれました。このように、課題を発見したらその解決のために焦点を絞り込むことは、とても大切なアプローチの仕方です。

 解決の手法として、特産物に対する市民自体の認識度を高めるとともに、県外、国外の人々の認知度を高めるための、魅力発信の必要性を説いてくれました。

 また、特産物の魅力の発信源となる人を増やすため、生産者からだけではなく、消費者からも特産物の魅力を、相互に発信し合うウェブサイトを設ける仕組みが提案されました。フェイスブックなどの情報手段が、世界中に与える影響力の大きさを敏感に感じ取っている若者らしい発想が新鮮でした。

 今後は、消費者からの特産物の魅力発信をしてもらうためには、どうしたらよいか考えていくと、現実性が高くなるのではないかと思いました。

 「NEW アーティスト」は、浜松の魅力を音楽に特化して質問をしてくれました。世界に誇る音楽文化を有している浜松を、アーティストの支援という観点から捉え、音楽の街づくりをソフト面だけではなく、音楽に関連した企業の誘致を行うなどして、集客だけではなく、この街に住む定住人口の増加につなげようという大きな発想です。まさに浜松の中学生ならではの質問でした。

 また、「最先端技術を駆使して世界にインパクトを与える」という言葉からは、浜松の「やらまいか精神」を感じ、頼もしく感じました。中学生の皆さんには、浜松の持つ「やらまいか精神」のDNAを受け継いでいくことを期待します。

 「災害からみんなを守ろう」グループは、今年度から教育委員会が作成した「防災ノート」について、当事者意識を持って、活用にまで言及してくれました。中学生が正しい防災知識を持ち、自分の地域の状況にあった防災対策を率先していくことが、地域の防災力向上につながっていく、そんな中学生の力を改めて認識させられた質問でした。防災に対して主体的に関わろうという姿勢が評価できます。

 この質問をきっかけに、防災・減災について、中学生の皆さんが自分は何ができるかという意識を高めてほしいと願っています。

 「Protectors」は、浜松の豊かな自然環境に誇りを持ち、この自然を守りたいという故郷を愛する思いから、湖の環境整備、ごみの減量、緑化について考えてくれました。

 市がこれから売り出そうとしている「ウォーター・マリンスポーツの聖地」も、まずは常にきれいな環境を整え、それを維持するためにはどうすべきかを投げ掛けてくれました。しっかりと足元を見据えた重要な視点でした。

 さらに一歩踏み込んでごみの削減、二酸化炭素の削減、それをするための太陽光発電、緑化の推進などに視点を広げているところが素晴らしいと感じました。

 これから中学生の皆さんも一緒に、市の環境整備を促進していく担い手となってくれることを期待いたします。

 「誰もが安心安全に暮らせる浜松」は、ユニバーサルデザイン化、バリアフリー化の充実・拡充について、実際に道路と歩道の段差でお祖母さまがつまずいて転んだことからヒントを得た、身近な生活に密着した視点からの提言でした。

 中学生でありながら生活弱者にも焦点を当てて、いずれ自分たちにも関係してくる問題に対して、優しさを持った中学生ならではの視点でした。大変好感が持てました。一緒に健康寿命1位の浜松市を維持していきましょう。

 さて、平成28年に公職選挙法が改正され、選挙権年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられました。また、4年後の2022年には民法の改正により、成人年齢も18歳に引き下げが予定されています。

 このようにわが国では、大人とされる年齢が下がっている背景があります。そのような中、今回、中学生の皆さんが浜松の良さや浜松への関わりについて、若い豊かな感性と共に、一人一人が大人の視点を持って真剣に考えた意味は、大変大きなものがあると思います。

 本日の夏休み夢会議に先立って行われた事前学習会では、「浜松の未来をつくるチャレンジ」と掲げたテーマについて、参加者全員が真剣に考え、熱く語り意見を述べ合ったと聞いています。

 これからの社会を生きるためには、表現する力や、考える力、課題を見つける力、討論する力などが一層必要となりますが、そのようなこれからの教育が目指す、「主体的・対話的で深い学び」というものを、皆さんは「夏休み夢会議」に向けての事前学習会で、十分に具現化されていたことがよく伝わってきました。

 今回得られた経験を、皆さんは社会の中で自分の役割を果たしながら、自分らしい生き方を実現していく糧にしてほしいと思います。

 結びとなりますが、本日の「夏休み夢会議」では、自分のグループの発表内容はもちろんのこと、他のグループの中でも良かったと思えた意見、自分が意識していなかった視点など、参考となる貴重な宝物がたくさんあったと思います。これらの宝物を自分一人の中にしまい込んでしまうのではなく、ぜひ皆さんの学校に持ち帰っていただき、友達や先生と共有したり、さらに深めたりしていただけるとありがたいと思います。皆さんのような若い世代の力が、浜松の未来をつくり出していくことを、心から期待しまして講評とさせていただきます。

鈴木市長 総評

 皆さん、お疲れさまでした。限られた時間の中で、皆さんには初めて会った人たちと一緒になって、いろいろ議論をしていただき、浜松のことをさまざま学んで、そして今日の質問に臨んでいただきました。それぞれのグループの質問は、本当に的を射て、素晴らしい質問だったと思います。今すぐに市議会議員になれます。本当にそう思いました。我こそはと思う人は、これからぜひ頑張っていただきたいと思います。

 今日は皆さんに「浜松の未来をつくるチャレンジ」というテーマ設定で、いろいろな質問をしていただきました。

 これから少し、皆さんが生きていく未来を、一緒に考えていきたいと思います。これから、今まで経験したことがない時代が到来します。「浜松のいいところPR」グループの皆さんの冒頭の話にもありましたが、これからの人口減少社会は、今までに私たちが経験したことがない時代です。これはもうどうしようもない。甘んじて、現実を受け入れなければいけないです。

 国も今、これを正面から深刻な問題として捉えています。国の目標は、1億2,000万人以上の人口を、何とか1億人のところで食い止めて、そこからできることならまた人口が増えていくような時代をつくっていきたいということです。

 国はそれぞれの自治体にも人口ビジョンという、人口目標を設定させました。浜松も人口ビジョンをつくりましたが、私たちの人口ビジョンは、2025年に出生率を1.84まで回復させ、2035年には出生率を2.07にするとしています。この2.07という数字は、これを上回れば人口が減らないという数字ですが、これを達成するということです。

 これはなかなか高い目標で、国と一緒に取り組んでいかなければならないですが、それを達成したとしても、中長期的には浜松の人口は60万人ぐらいにまで減っていきます。この目標を達成できなければもっと減ってきます。

 つまり一番いいシナリオで行っても、だいたい今よりも20万人ぐらい人口が減っていく時代が来るということです。特にこのような人口減少問題が、深刻な局面を迎えるのは2040年と国が位置づけていて、その2040年に向けて、今からいろいろな取り組みをしていかなければいけないと警鐘を鳴らしています。

 2040年というと今から22年後ですから、そんなに遠い将来ではないですね。皆さんが30代後半ぐらいですから、一番社会の中心として頑張っている時代です。

 これから私たちが考えていかなければならないのは、人口が減っても活力を失わない社会をいかにつくっていくかということです。そのような視点でこれからの未来を見ていく。だから今からできることは、一生懸命取り組んでいかなければならない。改革もしていかなければならないということです。

 一方で、人口が減っていく大変な局面ではありますが、これから皆さんが生きていく時代は、あの産業革命に次ぐ、数百年に一度の大技術革新時代と言われています。これからAI(人工知能)やICT(情報通信技術)、IoT(モノのインターネット)の進化によって、働き方も生き方も生活も、社会そのものが一変します。私たちが今まで考えられなかったような社会が到来するのです。

 そのような新しい技術は、今、私たちが抱えているいろいろな課題を解決できる、逆に言うと、そのような素晴らしい時代も到来します。

 例えば今、浜松ではドローンを使って、山間地の大きな病院から遠く離れた診療所に医薬品を届ける取り組みを始めています。ドローンであれば、例えば土砂崩れで道が通れない時も、スムーズに医薬品を診療所に運べます。

 いずれは個人のお宅まで薬を運べるようになります。山間地に住むお年寄りが、わざわざ薬局や病院に行かなくても、ドローンで薬を届けて、映像を通して服薬指導をしてもらう、病院に行かなくても薬が入手できる、そのようなこともできます。

 今、中山間地で公共交通が空白になり、お年寄りの移動手段が無いという問題がありますが、ドローンでそのような課題が解決できる、これが一例です。

 これから新しい技術で、いろいろな課題解決ができます。そして、今の常識では通用しない時代が来るのですが、ということは逆にチャンスが多い時代でもあるということです。

 これからの時代、浜松はまだまだチャンスが巡ってくるのではないかと思っています。どのようなことかと言うと、今は皆さん就職というと東京へ行くのですね。なぜかというと東京にはいい会社がたくさん集まっていて、いい仕事ができるので、東京に住んでそのような企業に勤めるのですが、今、国が進めているのは何かというと、多様な働き方、いろいろな働き方をこれから模索していこうと、テレワークという、会社へ行かずに自宅で仕事をすることですが、これを進めています。今はインターネットなどの発達によって、わざわざ会社に行かなくても、どこでも仕事ができる時代になってきています。

 これが当たり前の時代になると、通勤地獄で暮らしにくい東京に住まなくても、東京の会社に就職して仕事ができる。そうすると、浜松はすごくいい場所です。浜松に住んで仕事をして、週に1回か2回、東京の会社へ行って業務報告をして、打ち合わせをして帰って来て、また非常に暮らしやすい浜松で仕事をすればいいと、そうなると浜松はものすごくチャンスが出てきます。

 先ほど、私が答弁でもお話ししたように、浜松は何といっても「幸福度ランキング1位」の街なのです。日本総研が調べた中で、都市の基礎的な力も上位ですし、産業、生活、文化、教育、健康、それぞれの分野で浜松は高い評価を受けています。つまり、浜松はトータルで暮らしやすい住みやすい街なのです。

 そのような浜松に住んで、東京の仕事ができるようになると、浜松にどんどん人が集められる時代がそのうち来るのではないかと考えています。

 浜松に皆さんと同じ世代の山本賢一朗君というスーパー中学生がいます。彼は小学校の時に、「分数ものさし」というものを夏の自由研究で発明して、それが商品化されました。今は中学生になって何をしているかというと、「津波体験キット」を開発して、それも商品化されようとしています。すごいスーパー中学生です。

 彼の夢は、今の常識では考えられない会社をつくりたいということです。私はすごいと思いました。これから20年以内に、今の職業の半分がなくなる時代がやって来ます。逆にいうと、半分の職業がなくなるということは、新しい仕事もいっぱいできるということです。

 今ある会社ではなく、今の常識では考えられない会社をつくりたいというのが彼の夢です。私はとても素晴らしいと思っています。

 皆さんがこれから生きていく時代というのは、そのような大きな変化の時代です。いろいろ大変な時代ではあるかもしれませんが、変化の多いときというのはチャンスも多いということです。ぜひ皆さんには、将来に希望を持って、さまざまな形でチャンスをつかんでいただきたいと思います。

 そして、浜松の未来について、今の常識にとらわれない豊かな発想、自由な発想で、ぜひ新しい浜松の未来を、皆さんが創造していただきたいと思っています。私たちはもうすぐ引退ですので、これからの浜松の未来を担っていくのは若い皆さんです。私たちは皆さんに大いに期待をしていますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

 結びに、皆さんのこれからの健闘を心から期待をいたしまして、総評といたします。

 

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