更新日:2024年5月13日
大規模事故対策編 第4章 海上事故対策計画 第3節 災害応急対策計画(船舶事故)
【災害対策本部事務局、消防局、健康福祉部、健康福祉部(医療担当・保健所)、区本部】
- 海上災害が発生した場合は、市、防災関係機関等は、直ちに初動体制を確立して次の対策を行い、被害の拡大防止や軽減を図る。
1 情報の収集・伝達
- 海上災害の発生及び被害の状況を収集し、把握できた内容を市の関係部局、県、防災関係機関と共有する。また、発生した事故の態様によっては、適宜、連絡先等を追加、変更するものとする。なお、広報の必要がある場合には、市のホームページ等に掲載するなど広報活動を行う。
【情報連絡系統図】

2 応急体制
(1) 応急対策の流れ
- 海難による人身事故の場合(※2)
事項 |
船長等 |
国 |
県 |
市 |
海難の発生 |
最寄りの海上保安本部の事務所、警察署への通報 |
- 海上保安本部による被害規模等の情報収集
- 海上保安本部から県等への情報連絡
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災害対策本部及び方面本部の設置 |
災害対策本部の設置 |
捜索活動 |
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海上保安本部のヘリ等による捜索活動 |
海上保安本部等と連携をとった県ヘリ等による捜索活動 |
海上保安本部等と連携をとった市消防ヘリ等による沿岸海域を中心とする捜索活動 |
救助・救急活動 |
救助・救急活動 |
海上保安本部による、県及び市と連携した救助・救急活動 |
海上保安本部等と連携をした救助・救急活動のための県、県警ヘリの出動 |
海上保安本部等と連携をした市消防ヘリ等による沿岸海域を中心とする救助・救急活動 |
医療活動 |
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海上保安本部から沿岸の関係市町への医療活動要請 |
市からの要請による医療機関への救護班派遣要請 |
- 市は必要に応じて、県に対して、日本赤十字社静岡県支部等の派遣を要請
- 要請に基づく医療機関の医療救護活動に係る調整
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消火活動
(必要な場合に応じて) |
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- 海上保安本部による沿岸市町の消防機関と連携した消火活動
- 消防庁による緊急消防援助隊の派遣
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消防庁を通じての他の都道府県の消防機関への応援 要請 |
- 市による消火 活動
- 市は必要に応じて、消防相互応援協定締結消防機関へ応援要請
- 市は、必要に応じて、県に対して県外の消防機関派遣を県に要請
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緊急輸送活動 |
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- 海上保安本部は、必要に応じて、緊急輸送を円滑に行うための船舶交通の制限又は禁止
- 中部運輸局静岡運輸支局、県旅客船協会は、県からの要請に基づく緊急輸送車両又は船舶の調達又は斡旋
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県は、沿岸の市とともに、必要に応じて、航空機の臨着場及び緊急物資の搬入・搬出等に関する職員を手配 |
市は被害の状況に応じて、車両等の確保・配置(※3) |
(注)その他、県知事等の要請に基づく自衛隊による捜索、救助、救急、医療、消火、緊急輸送活動等
沿岸市町とは、「静岡県地域防災計画」の「津波対策の巻」、第2節第2項の「沿岸市町一覧表」に同じ。
(2) 市の体制
- 「共通対策編 第3章 第3節 組織・動員計画」によるもののほか、次のとおり実施する。
≪事前配備体制≫
- 連絡を受けた事故が、多数の死傷者を伴い、市の消防力では対応が困難と思われる場合又は、事故の発生に伴い、沿岸部へ小規模な被害が発生又は発生するおそれがある場合は、市は関係機関等から情報を収集し、事故の状況に応じて、事前配備職員の配置、関係課職員の参集等の初動体制の確立のために必要な措置をとる。
処理事項 |
- 初期情報の収集・整理(危機管理課、各区区振興課、各行政センター、各支所)
- 医療機関への協力要請(健康医療課)
- 消防ヘリによる航空偵察及び救出・搬送(消防局)
- 災害対策本部設置に先行した臨時ヘリポート等の確保(消防局)
- 二次災害等の発生防止措置(土木部)
- 静岡県への報告(危機管理課)
- 広報に関する事項(広聴広報課)
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≪災害対策本部≫
- 連絡を受けた事故が、多数の死傷者等を伴う大規模事故又は大規模事故に移行する恐れがある場合は、市は災害対策本部の設置を協議する。
- 市長(本部長)が災害対策本部の設置を決定した場合において、人命の救助その他の災害応急対策を迅速に実施するため、必要と認めた場合には、現地災害対策本部を設置する。
処理事項 |
- 防災対策の総合調整(災害対策本部事務局)
- 情報の収集・伝達(災害対策本部事務局)
- 消火活動(警備部)
- 捜索活動(警備部)
- 遺体の措置(遺族・遺体部)
- 救出・救助・救急活動(警備部)
- 負傷者の搬送(警備部)
- 沿岸等における排出油等の状況調査(廃棄物処理部)
- 原因者等が沿岸において実施する防除活動に対する指導等(廃棄物処理部)
- 情報収集、発信、広報(災害対策本部事務局)
- 職員の非常参集、市災害対策本部設置など必要な体制の確立(災害対策本部事務局)
- 避難誘導、緊急避難場所の開設(災害対策本部事務局)
- 関係機関への支援要請(災害対策本部事務局)(※4)
- 二次災害等発生防止措置(警備部)
- 消防庁への報告(警備部)
- 広報に関する事項(災害対策本部事務局)
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≪現地災害対策本部≫
処理事項 |
- 消火活動に関する調整(警備部)
- トリアージ及び救急医療活動に係る調整(保健医療調整本部)
- 負傷者搬送に係る調整(警備部)
- 負傷者数の把握及び搬送先医療機関等に係る調整(保健医療調整本部)
- 被災者情報に関すること(区本部)
- 広報に関すること(災害対策本部事務局)(※5)
- 遺体措置に関する調整(遺族・遺体部)
- その他必要な活動
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(3) 防災関係機関の体制
≪処理事項≫
県 |
- 防災対策の総合調整
- 情報収集、発信、広報
- 関係機関への支援要請
- 自衛隊への災害派遣要請
- 海上保安庁への支援要請
- 消防庁、他都県等への支援要請
- 医療機関等への協力要請
- 消防庁への緊急消防援助隊の出動要請
- その他関係機関への応援要請
- 二次災害等発生防止措置
- 消防庁への報告
- 広報に関する事項
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県警察 |
- 災害関係情報の収集及び伝達
- 捜索活動
- 救助・救出活動
- 交通規制の実施
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第三管区海上保安本部 |
- 災害関係情報の収集及び伝達
- 海上における治安維持
- 海上における船舶交通の安全確保
- 海難の際の人命救助及び船舶の救助
- 現場保存、証拠資料の収集、関係者の確保及び取り調べ、検視等の応急的な捜査活動
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海上輸送事業者等 |
- 災害関係情報の収集及び伝達
- 各社の防災計画及び事故対策マニュアル等に基づき、直ちに社内に事故対策本部を設置
- 海上保安本部や市等に対する必要な支援の要請
- 事業者として消火・捜索・救出活動
- 二次災害の防止活動
- 危険物等を積載している場合は、被害防止対策の実施、海上保安本部、消防や警察への報告
- 被災乗員家族等への情報提供(※6)
- 被災乗員及び被災乗員家族に対する必要な手配
- 代行輸送者、牽引船等の手配
- 乗員の避難誘導
- 乗員に対する広報
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各港湾漁港管理者 |
- 関係先への事故情報の伝達
- 岸壁等港湾施設の使用制限
- 海上保安本部長等からの要請に基づく港湾利用に関する措置
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【特記事項】
捜索・消火活動 |
- 海上保安本部等及び関係機関が捜索・消火活動を実施する。
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救助・救急活動 |
- 遭難船舶を認知した場合は、海上保安本部、警察、関係市町に連絡する。海上保安本部、警察、関係市町は海岸等現場において必要な活動を実施する。
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現場活動等 |
- 傷病者が多数発生した場合には、市は、案内窓口、遺体安置所を設置し、対応に当たる。
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1 危機管理課、広聴広報課
※2 遭難者、行方不明者、死傷者等の数が多く、国の機関の通常の体制では対応不可能な場合を想定。
※3 困難な場合には県に対して調達の斡旋依頼。
※4 県を通じた要請が基本。
※5 緊急を要するもの。
※6 乗員に被害が出た場合。